1. 選考対象
今回の選考対象は、以下のサバイバル1件である。
- [S-1] 世界価値観と国際マーケティング(サバイバル3回目)
2. 選考概要
選考は、次のように行った。
各セッション会場において聴講者に配布したアンケートの集計結果に基づき、次年度に残す(サバイバル成功)セッションとするか否かの選考判断を行った。
アンケート中では、学術的観点、社会貢献の観点、及び総合評価によって、次年度に残すべきかの評価を行った。
選考結果は、以下の通り「サバイバル成功」し、2019年度に4回目のチャレンジセッションへ進む。
- [S-1] 世界価値観と国際マーケティング ⇒サバイバル成功
3. 選考基準
アンケートの評価は、以下の5項目について、1から5の5段階評価で行った。
[社会貢献の観点からの評価]
- 現時点での社会へのインパクト・貢献
- 最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献の見込み
- チャレンジ実用化に向けた取り組み
[総合評価]
- 近未来チャレンジのテーマとしてサバイバルすべきか
以下に、選考基準の詳細を示す。
(今回のサバイバルの選考基準のみ記載。サバイバル1回目、2回目の基準については、過去のページを参照。)
[サバイバル3回目、4回目の選考基準]
- 総合評価が優れている (4.0以上) ことを目安に、
- 社会貢献の観点からの評価の以下の3つの評価項目のいずれか1つに、
優れた点(3.5以上)があればサバイバルとする。
- 現時点での社会へのインパクト・貢献
- 最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献の見込み
- チャレンジ実用化に向けた取り組み
- ただし、上記の条件を満たす場合であっても、社会貢献の観点からの3つの評価項目に、
サバイバルとするのに問題となる点 (3.0未満) があれば、別途、アンケートのコメントの中身、選考員の意見を検証して決める。
4. アンケート集計結果
以下に、アンケート集計結果を示す。
表1にアンケート集計結果の一覧を、図1にアンケート集計結果のチャート図を示す。
表1: アンケート集計結果 一覧表
図1: アンケート集計結果 チャート図
5. 選考結果
以下に、選考結果およびその理由を示す。
- 総合評価(4.2)はサバイバル前提基準の目安(4.0)を上回っている。
- 学術的観点以外の3つの評価のいずれか一つの評価項目に優れた点(3.5以上)がある。
- 現時点までの社会へのインパクト・貢献(3.5点)
- 最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献の見込み(4.1点)
- チャレンジ実用化に向けた取り組み(3.2点)
- サバイバルとするのに問題となる点(3.0未満)はない。
人の属性だけでは容易に表せない“価値観”を、様々なアンケートや行動データから分析により予測するという
非常にチャレンジングなテーマである。新しい取り組みであるため、学術的にその有用性を評価することが難しい
問題であるが、着実にその効果を示している。特に、産業応用や社会貢献の観点では、実用化の際のインパクトが大きく、
大きな期待があることがアンケートからも伺える。昨年度と比較して、産業界との連携も強化されており、実用化に向けた
可能性が広がっているので、コミュニティ内での連携強化と実用化に向けた施策の拡大も期待したい。
アンケート集計の結果、全項目において基準を満たした。よって、
「サバイバル」とする。
付録: 各テーマへのコメント(会場アンケートより)
※誤字・誤植など元のコメントの一部を修正しております。
- 【学術観点からの評価】
- 学術的には特に新しいと感じませんでした。とはいえ、このような研究が社会基盤を支えていることは理解します。
- 「価値観」の定義についての突っ込んだ議論の時間もあるとよい。
- 主観的な判断が多いと思う。
- もう少し厳密性が欲しい。
- 具体的な人工知能技術の応用の手法についての言及が少なかった。
- 新しい観点に取り組まれていて難しさがあるが、その中でも妥当性のある評価をしていた。学術的な比較もあるとさらに良くなると思いました。
- 【社会貢献の観点からの評価】
- 関連チャレンジを行っている別組織間の連携が乏しい。
- なかなか、形にするのは難しいが将来的にも非常に価値がある。
- 社会課題設定がやや漠然としたものが多いと感じた。
- 実用化されているものもあり、その中での評価、分析を通して、改良・発展を考えられており、今後のインパクトも期待できると思いました。
- 【総合評価】
- 本テーマの研究者と情報技術の研究者が協力したら、新しい創造物が生まれ、刺激があると思う。
- 価値観について、内面の潜在的観点の抽出もされており、今後のAI・ロボットにも役立つ可能性があるテーマだと思いました。
以上