1. 選考対象
今回の選考対象は、以下のサバイバル1件である。
- [S-1] 世界価値観と国際マーケティング(サバイバル4回目)
2. 選考概要
選考は、次のように行った。
各セッション会場において聴講者に配布したアンケートの集計結果に基づき、次年度に残す(サバイバル成功)セッションとするか否かの選考判断を行った。
アンケート中では、学術的観点、社会貢献の観点、及び総合評価によって、次年度に残すべきかの評価を行った。
選考結果は、以下の通り4回目のサバイバル成功となり、「卒業」となった。
- [S-1] 世界価値観と国際マーケティング ⇒サバイバル成功・卒業
3. 選考基準
アンケートの評価は、以下の5項目について、1から5の5段階評価で行った。
[社会貢献の観点からの評価]
- 現時点での社会へのインパクト・貢献
- 最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献の見込み
- チャレンジ実用化に向けた取り組み
[総合評価]
- 近未来チャレンジのテーマとしてサバイバルすべきか
以下に、選考基準の詳細を示す。
(今回のサバイバルの選考基準のみ記載。サバイバル1回目、2回目の基準については、過去のページを参照。)
[サバイバル3回目、4回目の選考基準]
- 総合評価が優れている (4.0以上) ことを目安に、
- 社会貢献の観点からの評価の以下の3つの評価項目のいずれか1つに、
優れた点(3.5以上)があればサバイバルとする。
- 現時点での社会へのインパクト・貢献
- 最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献の見込み
- チャレンジ実用化に向けた取り組み
- ただし、上記の条件を満たす場合であっても、社会貢献の観点からの3つの評価項目に、
サバイバルとするのに問題となる点 (3.0未満) があれば、別途、アンケートのコメントの中身、選考員の意見を検証して決める。
4. アンケート集計結果
以下に、アンケート集計結果を示す。
表1にアンケート集計結果の一覧を、図1にアンケート集計結果のチャート図を示す。
表1: アンケート集計結果 一覧表
図1: アンケート集計結果 チャート図
5. 選考結果
以下に、選考結果およびその理由を示す。
- 総合評価(4.14)はサバイバル前提基準の目安(4.0)を上回っている。
- 学術的観点以外の3つの評価のいずれか一つの評価項目に優れた点(3.5以上)がある。
- 現時点までの社会へのインパクト・貢献(3.63点)
- 最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献の見込み(4.33点)
- チャレンジ実用化に向けた取り組み(3.67点)
- サバイバルとするのに問題となる点(3.0未満)はない。
“世界価値観”という難しいテーマにおいて、歴史的背景から文献調査が行われており、テーマを遂行する上で重要な「課題設定」にも着目して議論がなされていた。前回のチャレンジにおいて高い評価が得られた最終目的達成時の社会へのインパクト・貢献見込みは、今回のチャレンジにおいても同様に高く、テーマの重要性を表していると言える。また、前回のチャレンジにおいて期待されていた学術的観点の強化に対しても、哲学分野に関わる難しい課題設定および解決方法、知見の提供がなされていた。このような着実な取り組みが、評価結果の向上にも表れたと言える。次年度の卒業セッションに向けて、今後も実用化に向けた取り組みを期待する。
アンケート集計の結果、全項目において基準を満たした。よって、
「卒業」とする。
付録: 各テーマへのコメント(会場アンケートより)
※誤字・誤植など元のコメントの一部を修正しております。
- 【学術観点からの評価】
- 演算的なアプローチではない「知」についての取り組みとして大切。より鋭利なスピーカが集まれば尚良い。
- 文献調査などしっかりなされていた。
- 文献とユーザの調査の両方から取り組まれていた。
- 価値観という扱いにくいテーマに対して、いろいろな観点でアプローチされている。
- 【社会貢献の観点からの評価】
- 実用化が難しい分野でありながらも、国内外で実際に使われているサービスへ貢献している。
- 引き続き実用化に向けて頑張って欲しい。
- 【総合評価】
- 仮説形成的アプローチとしてより多文脈な研究を統合していくべきかと考える。
- あまり取り組まれていない難しい課題に対してしっかり着実に取り組まれており、貴重なテーマであると思う。
以上