採択されたオーガナイズドセッションは以下の21件です.OS-14「コトのデザイン」を除いたすべてのセッションで発表の一般公募を行ないます.オーガナイズドセッションでの発表を希望される方は,発表申し込み時にその旨を記載してください.
なお,一般公募でオーガナイズドセッションを希望されても,発表件数が多い場合は,一般口頭発表セッションにまわっていただくことがあります.
オーガナイズドセッション一覧
OS-1 ことば–コンピュータ–コミュニケーション (阿部明典)
OS-2 意味と理解のコンピューティング (小林一郎,麻生英樹,伊東幸宏)
OS-3 「人を動かすHAI」 (小野哲雄,山田誠二)
OS-4 SAT技術の理論,実装,応用 (越村三幸,鍋島英知,平山勝敏)
OS-5 知的インタラクティブシステムのためのインタラクションデザイン (山田誠二,岡部正幸)
OS-6 身体知の表現と獲得 (藤波努)
OS-7 人と環境にみる高次元のデータフローの生成と解析 -マッシブデータフロー時代の理論とは?- (池上高志,岡瑞起)
OS-8 オノマトペの利活用: オノマトペ研究の分野横断連携を目指して (小松孝徳,中村聡史)
OS-9 仕掛学 (松村真宏,塩瀬隆之,松下光範,平岡敏洋,山根承子)
OS-10 交通・移動・物流とAI (栗原聡,服部宏充,和泉潔,川村秀憲,松井宏樹)
OS-11 Affective Computing for Learning (松居辰則,柏原昭博)
OS-12 ネットワークが創発する知能 (石川孝,栗原聡,澤井秀文,風間一洋,鳥海不二夫)
OS-13 Linked Dataとオントロジー (長野伸一,山口高平,武田英明,古崎晃司,乙守信行,細見格)
OS-14 コトのデザイン (岡本誠,小早川真衣子,須永剛司,原田泰,藤井晴行)
OS-15 ファイナンスにおける人工知能応用 (寺野隆雄,松井藤五郎,和泉潔,鳥海不二夫,松井宏樹)
OS-16 知の身体性 (諏訪正樹,跡見順子)
OS-17 ビッグデータとAI技術 (岩爪道昭,岩瀬高博,中村哲)
OS-18 知的対話システム (中野幹生,駒谷和範,東中竜一郎)
OS-19 グリーンAI ~AIによる環境貢献~(柴田博仁,森幹彦,福井健一,松井孝典)
OS-20 プライバシー保護データマイニング (中川裕志,佐久間淳,吉田稔)
OS-21 脳科学とAI (山川宏,森川幸治)
OS-1 ことば–コンピュータ–コミュニケーション
- オーガナイザ:
- 阿部明典(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
- 内容:
- 本セッションでは、昨年に引続き、コンピュータの上でことばを扱う問題に関して議論する予定である。コンピュータなどの機械メディアの上でことばを扱う研究を各々の観点から分野を横断して議論をしたいと考えている。
- テーマ例:
コンピュータ、認知科学、社会学、心理学、脳科学、哲学、人工知能などの面から見た、- ことばの問題
- ことばの特性
- ことばの生成、デザイン
- 文学の問題
- 文学の特性
- 文学の生成、デザイン
- コミュニケーションの問題
- コミュニケーションの特性
- コミュニケーションの生成、デザイン
- 駄洒落、ユーモア、修辞等上記に深く関わる現象に関しても同様の議論
- その他、広告コミュニケーションなどのアプリケーションがらみの話など
- 発表形式:
- 口頭発表とインタラクティブ発表の両方
OS-2 意味と理解のコンピューティング
- オーガナイザ:
- 小林一郎(お茶の水女子大学)
- 麻生英樹(産業技術総合研究所)
- 伊東幸宏(静岡大学)
- 内容:
- 計算機の処理能力が上がり、大量のデータを簡単に扱える時代になった。それにともない、データの統計的処理の観点から、その意味をとらえる研究が多くなっている。一方、以前のような意味に対する深い取り扱いへの試みが希薄なっているように感じている。しかし、システムを真に知的にするためには、人が行うような意味の理解のメカニズムが必要であり、必要な技術は振り子のように回帰してくると考える。
- 本オーガナイズドセッションは、そのような背景を踏まえ、過去に研究されていたような意味や理解をとらえる取り組みや姿勢を大切にしながらも新しい技術を開発することを目指す研究の議論の場として開催する。
- キーワード:
- 意味表現手法
- 意味構造解析
- 意味解釈処理
- 同義表現の解釈、言い換え
- 文章の文脈・状況依存な理解
- 文章の要約
- 対話処理
- 意味表現に基づく知識表現と推論
- 意味の理解にもとづく知的情報処理
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-3 「人を動かすHAI」
- オーガナイザ:
- 小野哲雄(北海道大学)
- 山田誠二(国立情報学研究所/総研大/東工大)
- 内容:
- HAIは,人間とエージェント(擬人化エージェント,ロボット)間のインタラクション,つまり人間からエージェント,エージェントから人間の双方向の情報のやりとりをデザインすることを目的とするが,特に重要なのが,「エージェントから人への情報の流れ」であり,それによる「エージェントから人への様々な影響」である.本オーガナイズドセッションでは,HAIにおいて,エージェントが人に影響を与え,人をある行動に導くための方法論,エージェントにより変化を与え得る人の行動はどのようなものかに関連する研究事例をもとに,「人を動かすHAI」を議論することを目指す.具体的なトピックとしては,エージェントから人への表出のインタラクションデザイン,エージェントが人を感動されるインタラクションデザイン,人を動かすエージェントのインタラクションデザイン,エージェントにより変化する人の行動,人と人を結びつけるエージェントのインタラクションデザインなどがある.本セッションでは,各発表者に「人を動かす」にはどうすればよいかについてのポジションを述べてもらい,さらに「人を動かすHAI」の方法論について参加者で議論を行う.
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-4 SAT技術の理論,実装,応用
- オーガナイザ:
- 越村三幸(九州大学)
- 鍋島英知(山梨大学)
- 平山勝敏(神戸大学)
- 内容:
- CNF論理式の充足可能性を判定する充足可能性判定問題(SAT)は,1960年代から現在に至るまで計算機科学における中心的課題であり,約半世紀に渡って膨大な量の研究が蓄積されてきた.特に,ここ10数年でSATソルバーの性能が飛躍的に向上し,システム検証,プランニングやスケジューリング,定理証明,組合せ最適化など様々な応用領域における推論の基盤技術としてSAT技術は注目を集めている.本オーガナイズドセッションでは,「SAT技術の理論,実装,応用」をテーマとして,最新のSAT技術はもちろん,MaxSAT,Pseudo Boolean,モデル列挙,SMT,並列分散SAT等の次世代SAT技術,および,SATに関連の深い制約充足問題(CSP)等の技術について研究発表および討論を行う.
- テーマの例:
- SATソルバーの高速化
- SAT符号化
- SATの応用
- 次世代SAT技術
- 制約充足,等
- 発表形式:
- 口頭発表とインタラクティブ発表のどちらでも良い
OS-5 知的インタラクティブシステムのためのインタラクションデザイン
- オーガナイザ:
- 山田誠二(国立情報学研究所/総合研究大学院大学/東京工業大学)
- 岡部正幸(豊橋技術科学大学)
- 内容:
- 自律的な人工知能の限界を克服する一つのアプローチとして,人間と知能システムがインタラクションを持ちながら協調的に問題を解決する枠組みである知的インタラクティブシステム (IIS: Intelligent Interactive Systems) が重要である.IISの構築には,特に人間と知能システムのインタラクションをいかに設計するかが課題となる.本オーガナイズドセッションでは,インタラクティブデータマイニング/機械学習,インタラクティブ情報検索/収集などのIISにおける,システムのアルゴリズム,ユーザインタフェース,ユーザモデルなどの設計についての研究発表を集め,議論を行う.
- テーマ例:
トピックとして,- 「IISのためのUI/GUI」,
- 「インタラクティブデータマイニング」,
- 「人間が理解しやすい機械学習/データマイニング」,
- 「人間の能力を引き出すインタラクションデザイン」,
- 「協調タスクのインタラクションデザイン」
などがある.
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-6 身体知の表現と獲得
- オーガナイザ:
- 藤波努(北陸先端科学技術大学院大学)
- 内容:
- 楽器の演奏やスポーツなど、人間が長年の修練を経て獲得する技には知的な要素が含まれていると考えられるが、それがどのような種類の知能の顕れなのか、またいかにして獲得されるのかは明らかではない。技は個人が独力で獲得する方法もあるが、一般には教師の助言と指導のもとに研鑽を積んで身につけていくことが多い。技の内容は言葉で表現しにくいため、教師から生徒に伝わりにくい。言語以外の手段(たとえばグラフなど)の併用は技の伝達に寄与すると予想されるが、その方法と効果については未知である。本セッションは、技の習得を可能にしている知的なものを身体知と捉え、それがどのように表現されるのか、またいかに伝えられるのかを議論する。
- テーマ例:
本提案で募集するテーマは以下の通りである:- 動作計測による身体知の理解
- 身体知習得モデル
- 身体知言語化の方法論
- データ分析による習得支援
- コーチング方法論
- 道具や練習環境デザインの実践および方法論
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-7 人と環境にみる高次元のデータフローの生成と解析
ーマッシブデータフロー時代の理論とは?ー
- オーガナイザ:
- 池上高志(東京大学)
- 岡瑞起(東京大学)
- 内容:
- 2011年の人工知能学会全国大会で「人と環境にみる高次元のデータフローの生成と解析」というタイトルで、オーガナイズドセッションを開催しました。そこでは、Massive Data Flow (MDF)の時代に理論に何ができるか?ということをテーマにMDFを生成する立場と、MDFを解析する立場に分かれていろいろと議論を行いました (2011年のオーガナイズドセッション:http://www.movingcastle.jp/)。それは非常に面白い議論を含みつつも、明白な研究の方向性などを具体的に提案できないまま時間切れとなってしまった感がありました。そこで、2012年のオーガナイズドセッションでは、そこから一歩進んで、生成と解析という対立軸ではなく、現在、手持ちのアイディアと方法論を武器に新しい提案を行なっていこうと思います。たとえば、
1) 高速で高次元の空間を見渡す手法
2) 新しい高次元の解析手法の開発
3) 生成的なモデルの開発、
などを考えています。こうした概念を深めつつ、MDFの理解にむけて原理的な突破口を目指したいと思います。
- 2011年の人工知能学会全国大会で「人と環境にみる高次元のデータフローの生成と解析」というタイトルで、オーガナイズドセッションを開催しました。そこでは、Massive Data Flow (MDF)の時代に理論に何ができるか?ということをテーマにMDFを生成する立場と、MDFを解析する立場に分かれていろいろと議論を行いました (2011年のオーガナイズドセッション:http://www.movingcastle.jp/)。それは非常に面白い議論を含みつつも、明白な研究の方向性などを具体的に提案できないまま時間切れとなってしまった感がありました。そこで、2012年のオーガナイズドセッションでは、そこから一歩進んで、生成と解析という対立軸ではなく、現在、手持ちのアイディアと方法論を武器に新しい提案を行なっていこうと思います。たとえば、
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-8 オノマトペの利活用: オノマトペ研究の分野横断連携を目指して
- オーガナイザ:
- 小松孝徳(信州大学)
- 中村聡史(京都大学)
- 内容:
- 昨年度初めて開催された本OSではユーザインタフェース,データベース,認知科学,音声情報処理,言語学など様々な分野の研究者の方々による研究発表および活発な議論が行われ,「オノマトペ研究を網羅する研究マップの完成」「オノマ トペ研究者によるコラボレーションの促進」といった具体的な成果を得ることが できました.そこで,昨年度のOSと同様のスタイルを踏襲しながらも,さらなる オノマトペ研究の促進を目的としたOSを本年度も開催します.
- まず本OSでの発表者には,以下の三点を宣言した上で研究発表を行っていただき,自らの研究スタンスを明確にすることを求めます.
- 発表する研究は,昨年度作成されたオノマトペ研究マップにおいてどの位置に 相当する研究なのか
- 発表する研究は,昨年度のマッチングイベントから発展したものなのか
- 今後どのようなオノマトペ研究者や研究テーマとのコラボを望んでいるのか
- 研究マップ:http://www.tkomat-lab.com/2011-JSAI-OS_Discussion2.pdf
- 昨年度のプログラム:webprogram/2011/
- またその際に,「自分はこのような研究をしたいのだけども,こういう技術・知 識・理論を持っている方,助けてください!」というアピールも歓迎します.
- このように,研究者のオノマトペ研究に対するスタンスを明確にした上で発表を行っていただくことで,オノマトペ研究者同士の距離感を明確にすることがで き,ここから分野を超えた新たなコラボレーションや交流がより促進されると期 待しています.そして本OSを通じて,オノマトペ研究が進むべき挑戦的フィール ドおよびキラーアプリケーションなどを模索していきましょう.
- なお本セッションはプログラム委員会の許可が得られた場合,オンライン動画配信システムUstreamにてライブ中継および録画配信をする予定です.
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-9 仕掛学
- オーガナイザ:
- 松村真宏(大阪大学)
- 塩瀬隆之(京都大学)
- 松下光範(関西大学)
- 平岡敏洋(京都大学)
- 山根承子(大阪大学)
- 内容:
- ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトをもたらすことがある。「仕掛学」では、そのような社会現象、具体的には人の意識や行動を変えるための「仕掛け」とその「効果」を体系的に明らかにすることを目指す研究テーマである。
本セッションでは、仕掛けに関連する研究成果や事例を共有し、参加者全員で仕掛学について議論を深める場にしたいと考えている。
- ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトをもたらすことがある。「仕掛学」では、そのような社会現象、具体的には人の意識や行動を変えるための「仕掛け」とその「効果」を体系的に明らかにすることを目指す研究テーマである。
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-10 交通・移動・物流とAI
- オーガナイザ:
- 栗原聡(大阪大学)
- 服部宏充(京都大学)
- 和泉潔(東京大学)
- 川村秀憲(北海道大学)
- 松井宏樹(株式会社CMDラボ)
- 内容:
- 本OSは,4年前に企画しました「次世代知的交通システムにおけるAI」を初回とし,その翌年から「交通・移動・流れとAI」と名称を変えてこれまで4回の大会にて開催されており,毎回多くの聴衆と活発な質疑応答・議論にて充実したセッションとなっております.
- 交通や移動,流通に関わる問題は産学双方において重要かつ興味を引くものであり,「学」からの取り組みとしての次世代の新しいビジョンやそれを支える基礎研究などについての議論を通した新しい研究コミュニティの形成を目指します.そのために,前年から,本OSは当学会「データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会」の活動の一環としての活動となっております.
- 世界的に経済,環境,エネルギー分野の問題が顕在化しており,さらに我が国は少子高齢化社会の本格的な到来を迎えつつあります.今後,様々な社会要素を考慮した効率化技術が求められる状況が予想され,これはまさに本OSが取り組むべき問題領域であると考えます.社会における人・モノ・情報の流れを効率化・高度化し,かつ社会を活性化するための技術について広く研究者のアイデアを集め,議論する場として本OSを開催いたします.
- テーマ例:
- 交通制御
- ナビゲーション
- 信号制御
- ロジスティクス
- 倉庫管理
- 物流
- 渋滞
- スマートグリッド
- ネットワーク制御
- テーマパーク問題
など
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-11 Affective Computing for Learning
- オーガナイザ:
- 松居辰則(早稲田大学)
- 柏原昭博(電気通信大学)
- 内容:
- 人間と情報技術の共生を考える場合,人間中心のシステム設計はその中核課題となる.特に,学習環境においてはICTを用いたより高度な学習支援を実現することにより,学習者の「知」の創造の支援が大いに期待される.そのためには,従来までの計算機による知的学習支援に加えて,学習者の心的状態や感情推定まで含めた学習支援の在り方を検討する必要がある.そこで,本セッションでは以下のようなテーマ(これに限らない)に焦点を当てて,Affective Computing for Learningの現状と課題について議論を行う.
- テーマ例:
- 学習者の行動情報(身体情報)からの心理的状態・感情の推定に関する理論
- 感情推定手法の実装と実学習環境での実践
- エージェントにおける感情推定の実現
- Affective Computing for Learningに関する心理的,認知科学的な基礎研究
- 感情推定を含みいれた学習評価手法
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-12 ネットワークが創発する知能
- オーガナイザ:
- 石川孝(日本工業大学)
- 栗原聡(大阪大学,JSTCREST)
- 澤井秀文(情報通信研究機構)
- 風間一洋(NTT)
- 鳥海不二夫(名古屋大学)
- 内容:
- マルチエージェントシステムや人間の社会現象などにおいては,集団的知能が多数の自律的な主体による局所的な行動のネットワークから創発している.この集団的知能の創発メカニズムを解明することは,集団的知能の説明のみならず,大規模分散情報・通信システムの実現に対しても重要な知見をもたらすことが期待される.このオーガナイズドセッションでは,マルチエージェントシステム,情報ネットワーク,ソーシャルネットワークなどの複雑ネットワークにおける創発現象やそのネットワークダイナミクス,および知能の創発を主なテーマとする研究発表を募集します.
- 発表形式:以下から選択可能
- 口頭発表のみ
- 口頭発表とインタラクティブ発表の両方
OS-13 Linked Dataとオントロジー
- オーガナイザ:
- 長野伸一(東芝)
- 山口高平(慶応大)
- 武田英明(NII)
- 古崎晃司(大阪大)
- 乙守信行(MetaMoJi)
- 細見格(NEC)
- 内容:
- 欧米を中心に,Linked Dataと呼ばれる次世代Webの取り組みが進められている.Web上に情報を公開して皆でつなぎ,共有するボトムアップな運動とも相まって,世界規模のデータのWebが形成され,社会における情報の価値を高めつつある.日本においても,学術情報や生命科学の分野でLinked Dataの形式で情報を公開する取り組みが進められており,Linked Dataを活用した価値あるアイデアやサービスの創出への期待が高まっている.
- 本オーガナイズドセッションは,この新しいWebやそこから生み出される新しいサービスに関心のある研究者,日本からの情報発信の志のある研究者の議論の場として開催する.データの公開や活用などのLinked Data自体を対象とした研究に限定せず,オントロジー研究との融合,社会での情報共有の活性化に向けた課題解決など,幅広く議論する.
- 発表形式:以下から選択可能
- 口頭発表のみ
- 口頭発表とインタラクティブ発表の両方
OS-14 コトのデザイン
- オーガナイザ:
- 岡本誠(はこだて未来大学)
- 小早川真衣子(多摩美術大学)
- 須永剛司(多摩美術大学)
- 原田泰(千葉工業大学)
- 藤井晴行(東京工業大学)
- 内容:
- 今日、さまざまな学問分野において「デザイン」への関心が高まっています。そこ生まれるのは、デザインの創造と構成(シンセシス)とは何か、拡張するデザイン対象とは何かを問うことです。本セッションは、「コトのデザイン」にかかわる教育、研究、実践をもち寄り、それぞれに内包される創造と構成の具体的なプロセスを検討し、拡張するデザインの本質とは何かを議論します。
- 発表形式:
- 口頭発表のみ(発表の一般公募は行っておりません)
OS-15 ファイナンスにおける人工知能応用
- オーガナイザ:
- 寺野隆雄(東京工業大学)
- 松井藤五郎(中部大学)
- 和泉潔(東京大学)
- 鳥海不二夫(名古屋大学)
- 松井宏樹(シーエムディーラボ)
- 内容:
- サブプライム問題、高頻度取引の市場への影響、欧州債務危機とユーロ危機、スイス無制限為替介入政策の他国通貨への影響など、金融市場への関心が高まっています。このような社会的状況の中で、人工知能分野の手法や技術を金融市場における様々な場面に応用することが大いに期待されています。
- 本セッションでは、膨大な金融情報を分析し投資判断の支援をする技術や、市場の特性を理解し適切な市場制度を設計する技術、さらに市場メカニズムを金融市場以外の社会現象に応用する技術など金融市場に関わる基礎から応用までの幅広い研究課題全てを対象とし、金融市場に対する人工知能技術の利用を拡大することを目的とした発表と議論を行います。
- 発表形式:以下から選択可能
- 口頭発表のみ
- 口頭発表とインタラクティブ発表の両方
OS-16 知の身体性
- オーガナイザ:
- 諏訪正樹(慶應義塾大学)
- 跡見順子(東京大学)
- 内容:
- 客観性、普遍性、論理性を是とする自然科学主義では、方法論ありきのパラダイムに偏り、生命現象を真の意味で探究するために何が必要かに関する議論が必ずしも精力的には行われていない。人工知能の世界で身体性の重要性が叫ばれて20年余になる。客観性、普遍性、論理性を求めんとするあまり、例えば、主観意識、「わたし」性、内部観測性、状況依存性、全体性を捨象することがあるとすれば、その探究は片手落ちであろう。
- 知の探求を念頭に置いて「身体をどう捉えるか」には様々なレベルが存在する。
その一例を列挙すると、- 細胞の住処としての身体
- 細胞の集合体としての身体
- 言語で意識する存在としての身体
- 科学的に計測するものとしての身体
- 科学的に計測する運動体としての身体
- 生理学的反応と感覚と運動を統合する全体性としての身体
- 動作原理の集合体として身体
- 意識的および運動的スキルの体現場としての身体
- 元気や健康が宿る場としての身体
- 感覚と思考の上に成り立つ感性の在処としての身体
- コミュニケーションが成り立つ場としての身体
などが挙げられる。
- 本セッションでは、上記の様々なレベルや観点から身体を見直す研究発表を募集し、知における身体性を議論したい。
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-17 ビッグデータとAI技術
- オーガナイザ:
- 岩爪道昭(情報通信研究機構)
- 岩瀬高博(株式会社神戸デジタルラボ)
- 中村哲(奈良先端科学技術大学院大学)
- 内容:
- 近年、ライフログ、ソーシャルネットワークサービスやInternet of thingsと呼ばれるセンサー、電子タグ等と接続したネットワークから非定型かつ大量のデータがリアルタイムに生成されるようになってきた。
- このようなデータは、数億~数百億エントリー、ペタバイト級のデータ量を持ち「ビッグデータ」と呼ばれ、その蓄積、解析、活用により、新しいビジネスサービスやイノベーション創出のためのフロンティアとして関心、期待が高まっている。
- 一方、Hadoopに代表される大規模分散処理フレームワーク、大規模分散データストア等、膨大なデータをスケーラブルに取り扱うための基盤技術の進展により、大規模データ処理に基づく新しいAI技術の研究開発、応用システムの実現も視野に入ってきた。
- このような現況を踏まえて、本セッションでは、以下の3つの観点で基礎から応用事例まで幅広く研究発表を募集する。
- ビッグデータを取り扱う基盤技術
例:分散ファイルシステム/ストレージ、分散処理フレームワーク、大規模ストリームデータ処理等 - ビッグデータに基づくAI技術
例:ストリームデータマイニング、大規模Web情報分析、プライバシー保護技術、サイバーフィジカルシステム関連技術等 - ビッグデータを活用したサービス、イノベーション:
例:大量データを対象にしたサービスコンピューティング、実システムの運用技術、実ビジネスへの適用事例、ビッグデータ活用戦略および制度的課題等
- ビッグデータを取り扱う基盤技術
- また、一般発表に加え、大規模コーパスに基づく多言語音声翻訳システムの開発・実用化等で顕著な成果を挙げられている奈良先端科学技術大学院大学・教授の中村 哲 氏、および日本発の分散キーバリューストアオープンソース「okuyama」の開発者である(株)神戸デジタルラボの岩瀬 高博氏による招待講演も予定している。
- これらの一般発表、招待講演を通じ、産学官の視点からビッグデータ時代のAI技術の在り方、およびそれに基づく新たなビジネスやサービスの可能性等について議論、交流を図ることを目的とする。
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-18 知的対話システム
- オーガナイザ:
- 中野幹生(HRI-JP)
- 駒谷和範(名古屋大学)
- 東中竜一郎(NTT)
- 内容:
- 言語を用いて人間と情報を授受するシステム,すなわち対話システムは様々な応用が期待されている.対話システムには,音声対話システム,テキスト対話システム,対話エージェントや対話ロボットを含むマルチモーダル対話システムなど,様々なタイプの入出力モダリティを持つものがある.これらの入出力を扱う,言語理解・生成,音声認識・合成,画像認識,グラフィックス,ロボット制御などの要素技術の性能向上に伴い,対話システム研究は今後ますます発展していくと考えられる.
- 入出力モダリティが異なっても,対話システムの根底にあるメカニズムは共通であり,多くの研究課題が共有されている.例えば,意図理解,情報グラウンディングのプロセス,発話プランニング,ユーザモデリング,対話コンテンツ構築支援,対話知識の自動獲得などがどのような形態の対話システムでも重要な研究課題として挙げられる.
- 本オーガナイズドセッションでは,このように様々な要素技術を統合した学際的な研究分野である対話システム研究の一層の発展のため,最先端の対話システムに関する研究発表,及び今後の対話システム研究分野のあり方について討論を行う.
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-19 グリーンAI ~AIによる環境貢献~
- オーガナイザ:
- 柴田博仁(富士ゼロックス株式会社)
- 森幹彦(京都大学)
- 福井健一(大阪大学)
- 松井孝典(大阪大学)
- 内容:
- 持続可能エネルギー開発と気候変動への修復と適応、生物多様性保全と生態系サービスの持続利用、化石資源代替技術と枯渇性資源の超高効率利用、安心で安全で快適な都市環境のデザイン。
- いまさらですが、環境のサステイナビリティ・デザインは人類が取り組むべき最重要戦略的課題のひとつです。そのなかで、AIが果たすべき役割、果たしうる貢献は極めて大きなものです。省電力化、電力の最適配分、オフィススペースの有効利用、業務の効率化、遠隔会議や遠隔教育、在宅勤務の支援など、AIの技術を活かせる領域はさまざまです。
- 昨年の大会で「環境貢献とAI」と題した第1回目のオーガナイズドセッションを開催しました。多くの人に発表いただき、今後もこのテーマを継続する必要性を感じています。今回、名称を「グリーンAI」に変更し、再度、環境を議論するセッションを開催します。
- 環境の専門家のみならず、自身の研究の応用として、あるいはこれから始める研究の候補として環境貢献を考えている人の参加も期待します。環境問題に対してAI領域からどのような貢献が可能なのか、また環境問題に対してAIはどのような貢献を目指すべきなのかについて、ニーズ・シーズの両面から分野横断的に自由で活発な議論の場にしていきたいと思います。
- テーマ例:
- 省エネルギー・省資源技術
省エネルギー化、エネルギーの最適配分 (スマートグリッド)、資源やエネルギーのリサイクル、代替レアアース発見 - 遠隔支援システム
在宅勤務、遠隔会議、遠隔教育 - 就業環境の改善
オフィススペースの有効利用、業務の効率化 - 環境に関する解析、予測、シミュレーション
災害予測、緑地の最適配置、エネルギー需要のシミュレーション、交通シミュレーション - 環境に関する基礎的問題 (LCAの算出など)
- 生物多様性の維持
- 環境汚染 (大気汚染、水質汚濁、土壌汚染) への対応
- その他の環境貢献を主題または副題にしたAI関連研究全般
- 省エネルギー・省資源技術
- 発表形式:
- 口頭発表とインタラクティブ発表のどちらでも良い
OS-20 プライバシー保護データマイニング
- オーガナイザ:
- 中川裕志(東京大学)
- 佐久間淳(筑波大学)
- 吉田稔(東京大学)
- 内容:
- ソーシャルメディアの発達などに見られるように個人に係わる情報が容易にアクセスできる情報環境となった。また、組織における情報管理も社会的話題になることがしばしばある。このような状況下においてプライバシーに係わる情報は社会的に役立つものも多い。例えば、個人の地理的行動や購買履歴は商品のレコメンデーションなどビジネス応用に役立つ。さらに、事故情報や病歴情報などを複数機関で共同利用できれば安全な交通手段の推奨や感染症流行原因の検出など社会の安心安全にとって有用な情報となる。一方で、これらを活用することが個人のプライバシーを侵害する可能性がある。例えば、Facebookのデータから例え匿名化されていても個人情報が同定される危険性が指摘されている。したがって、上記のような応用では、個人のプライバシーに係わる情報の漏洩を防ぐ必要がある。このように情報の活用とプライバシーの保護という相反する目的を同時に満足する技術としてプライバシー保護データマイニングが最近注目を集めている。
- 具体的なテーマとしては、招待講演に予定している検索行動の守秘性を確保した上での情報検索などがある。理論的重要性、技術的発展性、社会的要請の大きな分野であり、オーガナイズドセッションにマッチしたテーマであるため、最近の研究成果を発表し、今後の方向性を議論する場としてオーガナイズドセッションの開催を希望する。
- 発表形式:
- 口頭発表のみ
OS-21 脳科学とAI
- オーガナイザ:
- 山川宏(株式会社富士通研究所)
- 森川幸治(パナソニック株式会社)
- 内容:
- 近年の脳科学分野は脳機能イメージング,信号処理技術等を活用することでブレインマシンインタフェース,リハビリテーション,神経経済学などの応用分野が見え始めています.一方で,神経科学の知見が爆発的に増加し,従来からの脳型の情報処理技術や認知アーキテクチャ,計算知能などの研究の新たな進展も期待されています.このようにAI分野においても脳科学との接点がますます拡大してゆくと考えられます.
- 本オーガナイズドセッションは,昨年度に続いての2回目の企画であり,「脳科学とAI」に関する多岐にわたる境界分野の研究発表を募集いします.関連研究者の発表と,それに基づく活発な議論の場を提供したいと考えています.
- なお本セッション中にて,東北大学の杉浦元亮先生をご招待し,実験課題の設定を中心として脳科学のAI応用時の注意点などについての講演を頂きます.
- テーマ例:
- 脳計測データの分析,信号処理
- ニューロインフォマティクス(オントロジ/データマイニング/モデリング等)
- 脳情報の符号化/復号化(エンコーディング/デコーディング)
- ブレインマシンインタフェース
- 脳活動を利用したユーザインタフェースとその評価
- 専門能力/スキルの脳科学的理解
- 脳活動評価と医療応用
- リハビリテーション
- 脳科学の教育応用
- ソーシャルインタラクションにおける脳活動
- 神経経済学,ニューロマーケティング
- システム神経科学
- 脳型の計算知能や強化学習
- 認知アーキテクチャ,脳の計算モデル
- 脳活動を利用した感性情報処理
- 認知発達ロボティクス
- 上記以外の脳科学とAIに関わるご研究
- 発表形式:以下の4つの形式から選択可能
- 口頭発表のみ
- インタラクティブ発表のみ
- 口頭発表とインタラクティブ発表の両方
- 口頭発表とインタラクティブ発表のどちらでも良い