05月25日(Thu) 15:50~17:30 C会場(ウインクあいち-9F 902会議室) 学生企画:「人工知能と職業・失業」
今年の学生企画は「人工知能と職業・失業」と題し,ますます広がる人工知能ブームに対して、
今の人工知能は何がどこまで出来るのか
人間のどのような仕事を代替してしまうのか
その影響は人間にとって有益なのか、それとも・・・.
いうことを中心に、議論したいと思います.
人工知能ブームはとどまるところを知らず、様々な業界や企業で人工知能の技術が利用されています.一方でこの人工知能が人間にとって様々な影響をおよぼすのではないかという指摘も上がって来ています.
そこで本企画では、学生から熟練の研究者まで、それぞれの研究分野が社会にどのような影響をあたえるか議論する場を設けます。人工知能研究がどのような影響をもたらすかを学生・若手から自由な意見を出し合い、今後の自分の研究の指針としてしていきませんか。人工知能は一部の能力では人間を超えていますが、まだまだ人間の想像力・発想力を超えることは出来ていません.しかし、人工知能は間違いなく私達の生活と切っても切れない縁で結ばれているでしょう.もしあなたが働いている仕事が人工知能に代替されたら・・・.研究者は社会的責任として考えなければいけないかもしれません.形式としては,本テーマと連動した招待講演の後,ライトニングトークやグループディスカッションなど,皆様に気軽にご参加いただける形での議論を検討しております.
[招待講演]
招待講演1:業務プロセスから考えた人とAIの共創社会
山口 高平 氏(慶應義塾大学・教授)
アルファ碁がトッププロ棋士に勝利して以来、難しい囲碁の世界でAIはプロを超えたのだから,我が社のこの業務位ならAIで簡単にできるだろうと考えるユーザが増え,AIプロジェクトが途中で破綻するケースが増えてきています.AIを大括りで捉えるのではなく,少なくとも,ビッグデータ+機械学習型AIと知識情報処理型AIに大別するとともに,職業単位ではなく、業務プロセスレベルで,人とAIの関係を見通せば,代替・競争ではなく共創という青写真が見えてきます.本講演では,このような考え方を説明し,近未来社会としての「人とAIの共創社会」についてお話します.
招待講演2:「仕事」を再定義・再構成する
江間 有沙 氏(東京大学・特任講師)
「もしあなたの仕事が人工知能に代替されたら…」を考えるためには,「あなたの仕事」をまず定義,あるいは切り分けることから始めなければいけません.自分たちの「暮らし」や「働く」をタスクに分類・分割するワークショップを開催すると,意外にも「機械に奪われてほしいタスク」が結構あることに気づかされます.それは,面倒くさい・複雑な処理が必要とされるものだったり,制度的・慣習的な壁があるものだったりします.また,「機械に任せたくないタスク」の意見が割れるのは,ひとりひとりの価値観の議論へと繋がります.価値観が割れた時,合意が取れなくなった時,技術的にあるいは対話・交渉によってタスクの中身を再定義・再構成する力が必要となります.技術の話をしていたはずなのに,自分自身の在りたい姿や目指すべき社会像の話をしている,そんなワークショップのお手伝いができればと思います.
【対象者】
学部,修士,博士後期課程,若手研究者のみなさまを主な対象としています.
※ 上記の方以外にも, 熟練の研究者のみなさまのご参加も大歓迎です.