第91回 言語・音声理解と対話処理研究会

プログラム

(発表は目安として発表20分、質疑10分)

2020年3月1日(月)

8:45 Zoomオープン

9:00-9:05 オープニング

9:05-10:35 一般セッション1(3件)

10:35-10:45 休憩(10分)

10:45-12:15 一般セッション2(3件)

12:15-13:15 休憩(60分)

13:15-14:45 一般セッション3(3件)

14:45-14:55 休憩(10分)

14:55-15:00 特別セッション「対話の分析・モデル化・自動処理」開始挨拶

15:00-16:00 特別セッション 招待講演1

16:00-16:10 休憩(10分)

16:10-18:10 特別セッション1(4件)

18:10-18:15 事務連絡

2020年3月2日(火)

8:45 Zoomオープン

9:00-9:05 事務連絡

9:05-10:35 特別セッション2(3件)

10:35-10:45 休憩(10分)

10:45-12:15 特別セッション3(3件)

12:15-13:15 休憩(60分)

13:15-14:15 特別セッション 招待講演2

【スライド】

14:15-14:25 休憩(10分)

14:25-15:55 特別セッション4(3件)

15:55-16:05 休憩(10分)

16:05-17:35 特別セッション5(3件)

17:35-17:45 休憩(10分)

17:45-19:05 特別セッション パネル討論

19:05-19:10 クロージング

19:30-21:30 オンライン懇親会

特別セッション:対話の分析・モデル化・自動処理

対話データ(人間同士の対話および人間と機械の対話のデータ)を用いた研 究は,言語学,心理学,社会学,情報学などの様々な分野で行われています. SLUD研究会ではこれまでも,様々な分野の対話研究が発表されており,課題や 情報の共有に役立ってきたと考えていますが,まだ不十分な面があると思われ ます.そこで,今回の研究会においては,対話データを用いたあらゆる研究を 対象にしたテーマセッションを開くことで,分野間の連携を促進したいと考え ています.

招待講演のタイトルと概要

宇佐美 まゆみ 先生(国立国語研究所)

タイトル: 人間同士の自然会話分析への多角的アプローチ -総合的会話分析と対話データの自動処理- 概要: 本講演では,まず,1960年代に既に学際化していた言語学,言語研究と,その 中における「自然会話分析への様々なアプローチ」の目的や方法,及び,創始 者の出身分野の違いが目的や方法に与えている影響などについて概観する.そ の上で,「総合的会話分析」(語用論的アプローチ)に適するよう考案された 「基本的な文字化の原則(Basic Transcription System for Japanese: BTSJ)」 に基づく文字化資料と音声データを提供している『BTSJ日本語自然会話コーパ ス(トランスクリプト・音声)2020年版』(377会話,約92時間)構築の趣旨 と特徴を説明する.後半では,円滑なコミュニケーションのための言語ストラ テジーとしてのポライトネス理論,及び,談話レベルでポライトネスを捉える ことを主張して筆者が提唱した「ディスコース・ポライトネス理論」について, その骨格と新たな展開を紹介する.また,これらのデータや理論の「対話デー タの自動処理」分野との連携の可能性について考える.

増村 亮 先生(NTTメディアインテリジェンス研究所)

タイトル:複数人会話データを活用した音声言語処理とアプリケーション 概要: 本講演では,複数人会話データを活用した音声言語処理技術,およびそれらを 用いたアプリケーションについて紹介する.複数人会話データは,コンタクト センタにおけるユーザとオペレータの会話データや,会議や雑談等の複数人の 会話データ等の音声データやテキストデータ,マルチモーダルデータのことを 指し,複数人が複数発話に渡ってインタラクションを行っていることが特徴と して挙げられる.アプリケーション化に向けた複数人会話データの用途として, 大きく2 点考えられており,1 点目はヒト対ヒトの会話を精緻に理解するため, 2 点目はヒト対機械の会話において,機械にヒトらしい振る舞いを獲得させる ためである.本稿ではこれら2 点について,具体的なアプリケーションに絡め ながら様々な技術を紹介する.また,複数人会話データに対して,大量のアノ テーションを行うことは困難であるという応用上の課題についても,どのよう な取り組みが行われているかを紹介する.

パネルディスカッション

「対話データを用いた研究における文理連携の可能性を探る」

パネリスト:片桐 恭弘 先生(はこだて未来大) 小磯 花絵 先生(国立国語研究所) 木村 昌紀 先生(神戸女学院大) 岡田 将吾 先生(北陸先端大) 司会: 中野 幹生(SLUD研究会主査,C4A研究所)

主旨: 対話データの自動処理に関する理工系の研究は,人文科学の研究から多大な影響 な影響を受けてきました.発話行為論,話者交替,談話構造,会話の公準,基盤 化といった基礎概念や,ジェスチャー,表情,感情,社会性などに関する研究成 果は,現在の理工系の対話研究のベースになっています.次のブレークスルーや 新しい応用先の発見には,引き続き人文系の研究との連携が重要です.また,人 文系の研究においても,文理連携により,理工系の研究における課題が研究テー マの発見につながったり,対話の自動処理技術がデータの分析の効率を上げると いったメリットが生まれると考えます.しかしながら,理工系で深層学習の利用 が主流になり,詳細な特徴量の設計が必要なくなったことから,人文系と理工系 の関係が薄れていく懸念が生じています.

そこで本パネル討論では,対話データを用いた研究を行っておられる文理双方の 先生方をパネリストにお迎えし,(1) 理系側は文系側に何を望むか,文系側は理 系側に何を望むか?(2) 文理連携を阻んでいるものは何か?(3) 文理連携の促進 のためにどのような施策が考えられるか?について議論したいと考えています.

 

人工知能学会の研究会資料(第一種)の扱いについて

 2015年4月以降に人工知能学会第一種研究会に投稿された研究会資料は紙冊子に 掲載されると同時に,学会事務局で資料ID(※1)を付与した上で学会文献提供 サイト「AI書庫」(https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/ )上のPDFファイルとして閲覧可能と なります. 発行日(※2)から一年間は,一本あたり(非会員 600円+消費税,学会員 300円 +消費税,登録会員 0円)にて販売します.一年間の保留期間(エンバーゴ)後は 無料購読できるようになりオンライン公開されます. なおAI書庫上のデータには,標準的な識別子(番号)は付与されませんが,一般的な 検索エンジンや国立情報学研究所が提供するCiNiiなどから容易に検索できるように なります.

(※1)研究会資料ID付与規則の変更(2015年度より) 研究会資料ID(論文ID)の付与ルールを下記のように統一しました.   資料ID: [研究会名略称]-[巻(3桁)]-[号(2桁)]  例:SIG-SWO-021-03    巻: 研究会の通算の開催回数 例:21    号: 特定の回での論文の発表順 例:3    頁: 研究会毎に以下の何れかのポリシーで付与する.    A) 各回でページナンバリングしている場合は,そのページ情報を使用    B) そうでない場合には,発表毎に「pp. 1-論文のページ分量」 (※2)紙媒体の奥付に記載された発行日