研究のツールボックス

人工知能学会学会誌のシリーズ特集「研究のツールボックス」のサポートページです.研究・開発に役立つオープンソースソフトを紹介しています.

- 研究のツールボックス (6)

vol.22 no.6 (2007年11月掲載)

- EMBOSSによる配列情報解析入門

多賀谷 光洋

ヒトゲノム配列の解読が終了し,これらのゲノム中の遺伝子の働きを調べることに,研究の焦点が移りました.これには,機械学習分野などで研究されてきたデータ解析技術が利用されています.こうした解析技術を適用するには,各種データベースからのデータの取り出しや,基本的な前処理が必要となります.これらの処理を行うフリーウェア群をパッケージングしたものがEMBOSSです.基本的なデータ処理など他,第1回で紹介したBioRubyとの連携についても紹介します.

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サンプル等

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- Swarm: 複雑系のシミュレーションツール

伊庭 斉志

Swarmは,蟻や車のような自律的に動くエージェントの集団が,互いに影響を与えながら,全体としてどのように振る舞うかを調べるためのものです.このシミュレーションにより,形式的な関数の最適化や,より具体的な交通渋滞といった複雑系の問題を扱うことができます.Swarmは,こうしたシミュレーションを行うためのjavaのライブラリ群です.これを用いて,系内で行動するエージェントの実装や,それらの可視化ができます.

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- JADE を利用したマルチエージェントシステムの開発

土肥 拓生,本位田 真一

JADEは,ソフトウェアエージェントを実装するためのフレームワークです.人工知能技術を利用したシステムでは,インターフェースと,背後のインテリジェントな処理を個別のエージェントに処理させます.また,一つの大きな処理を,部分処理を担当する複数のエージェントに実行させたりといったことが行われます.こうしたエージェントの相互利用のため,FIPAによるプロトコルの標準化が行われています.JADEはこの標準プロトコルを実装するためのフレームワークです.

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サンプル等

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- UIMA(非構造情報処理アーキテクチャー)

竹内 広宜,金山 博,武田 浩一,渡辺 日出雄

UIMAは,自然言語テキストなどの非構造データを扱うモジュール群の相互運用のための枠組みです.現在流通しているデータのうち,RDBなどに構造化されて蓄積されているデータは2割に満たず,そのほとんどはテキストなどの非構造データであるといわれています.こうした自然言語で表されたテキストを処理するには,文抽出,形態素解析,構文解析,談話解析といったステップが必要になります.だが,これらを連結する統一的な枠組みはなく,同じ働きをする違うアル ゴリズムと交換するといったことが困難でした.そこで,このような枠組みを提供するのがUIMAです.ここでは,各モジュールの仕様記述や,データの受け渡しの基本について解説します.

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