エンターテイメントとの分野は,AI発祥の頃からAIと関連の深い領域であり,かつ,最近また新しい関係を築きつつある領域です.初期のAI研究のなかで,ゲームは格好の研究の題材でした.一時期,AI研究に実世界での稼働という命題が課せられ,ゲーム研究はスポットライトからはずれた感がりましたが,1997年のディープブルーの勝利で世の中の注目を再び集めました.一方,コンピュータに「感性」や「人間らしさ」を理解させたり,もたせたりする研究が1960年代半ばから注目を集め始めました.この種の研究には,音声認識,自然言語処理,画像認識,CGなどのマルチメディアコミュニケーションの技術や,学習理論,自律制御の理論など,多くの技術が利用されています.
コンピュータ将棋はどのようにしてアマ4段まで強くなったか
松原 仁,滝沢 武信
将棋のプログラムは最近かなり強くなりました.ここでは,最新のコンピュータ将棋がどのようにしてここまでの強さに到達したか,もっと強くするためには何が欠けていると考えられるかを説明します.
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vol.16
no.3掲載
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コンピュータブリッジ
上原 貴夫
ブリッジは,欧米でよく知られたカードゲームですが,世界中に熱心なプレイヤがいます.ここでは,コンピュータブリッジに関するAI技術,研究動向,商用プログラムなどについて紹介し,今後の課題について述べます.
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no.3掲載
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LEGO Mindstormsの世界
山本 昌弘
Mindstormsは米国,MITのメディアラボのセイモア・パパート教授のところで開発されたものです.さまざまなブロックが用意されており,自分のアイデアの形状・行動のロボットを組み立てることができます.Mindstormsは物体を想像する力と,行動を規定する力,プログラミング力を養成する知的な教材であるといえます.
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no.3掲載
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ロボットエンターテイメントと人工知能
藤田 雅博
ロボットエンターテイメントとは定義するまでもなく,ロボットのエンターテイメント応用を目指した産業,装置一般をさします.これらの中には,すでに人工知能などの分野で確立された理論や技術が多く含まれています.また,次なる方向として動物行動学を基礎とするような行動制御の研究や,物理接地あるいは情動接地と呼ぶシンボルの獲得,また,機械に知性を感じる人間の認知過程に関して私見を述べます.
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vol.16
no.3掲載
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人と調和するペットロボットのための対人心理作用技術
佐藤 知正,中田 亨
ペットロボットの理想像の一つとして,本物のように活き活きと人間と交流する存在が考えられます.しかし,実際は,ペットロボットは,その振る舞いの種類が有限であり,マンネリに見え,飽きられてしまう危険をはらんでいます.ここでは,動物行動学や身体表現学に理論の規範を求めて,その研究事例を紹介します.
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vol.16
no.3掲載
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