オーガナイズドセッション bookmark
採択されたオーガナイズドセッションは以下の12件です.すべてのセッションで発表の一般公募を行ないます.オーガナイズドセッションでの発表を希望する方は,発表申し込み時にその旨を記載してください.
なお、一般公募でオーガナイズドセッションを希望されても,発表の数が多い場合,あるいは依頼による発表を優先するなどの理由により,一般口頭発表セッションにまわっていただくことがあります.発表時間なども一般口頭発表セッションとは異なる可能性があります.
OS-01 意味と理解のコンピューティング bookmark
- オーガナイザー
小林 一郎(お茶の水女子大)
麻生 英樹(産業技術総合研究所)
伊東 幸宏(静岡大学)
- 内容
計算機の処理能力が上がり、大量のデータを簡単に扱える時代になった。それにともない、データの統計的処理の観点から、その意味をとらえる研究が多くなっている。一方、以前のような意味に対する深い取り扱いへの試みが希薄なっているように感じている。しかし、システムを真に知的にするためには、人が行うような意味の理解のメカニズムが必要であり、必要な技術は振り子のように回帰してくると考える。
本オーガナイズドセッションは、そのような背景を踏まえ、過去に研究されていたような意味や理解をとらえる取り組みや姿勢を大切にしながらも新しい技術を開発することを目指す研究の議論の場として開催する。
- キーワード
- 意味表現手法
- 知識表現手法
- 意味解釈処理
- 文章理解
- 文章の要約
- 対話処理
- 同義表現の解釈
- 意味構造解析
- 意味の理解にもとづく知的情報処理
- 文意の文脈・状況依存性と解釈
広く「意味と理解」に関する論文を募集いたします。
OS-02 ことば--コンピュータ--コミュニケーション bookmark
- オーガナイザー
阿部 明典(ATR 知識科学研究所)
- 内容
本セッションでは、昨年に引続き、コンピュータの上でことばを扱う問題に関して議論する予定である。コンピュータなどの機械メディアの上でことばを扱う研究を各々の観点から分野を横断して議論をしたいと考えている。
- テーマ例
コンピュータ、認知科学、社会学、心理学、脳科学、哲学、人工知能などの面から見た- ことばの問題
- ことばの特性
- ことばの生成、デザイン
- 文学の問題
- 文学の特性
- 文学の生成、デザイン
- コミュニケーションの問題
- コミュニケーションの特性
- コミュニケーションの生成、デザイン
- その他、広告コミュニケーションなどのアプリケーションがらみの話など
OS-03 HAIにとってエージェントとは何か bookmark
- オーガナイザー
山田 誠二(国立情報学研究所)
小野 哲雄(公立はこだて未来大学)
- 内容
近年,ソフトウエアエージェントやペットロボットのように一般のエンドユーザとインタラクションをもつエージェントが急速に普及しつつあり,人間とエージェントのインタラクションデザインを扱うHAIヒューマンエージェントインタラクションが活発に研究開発されています.そして,実際のHAIの実現には,エージェントとして,擬人化エージェントなどのソフトウエアエージェントと物理的身体をもつロボットが利用されています.しかし,HAIのインタラクションデザインには,本質的にソフトウエアエージェントとロボットのどちらが適しているのか?は,疑問のまま残っている重要な問題です.本オーガナイズドセッションでは,HAIにとって,身体を持ったロボット,ソフトウエアエージェントのどちらが適しているのか?,ロボットは本当に必要か?,それぞれのエージェントは相補的なのか?,タスクに依存するのか?などの問題に焦点を絞り,ソフトウエアエージェント派,ロボット派,両方必要である派の研究発表,活発な議論を行います.
OS-04 交通・移動・流れとAI bookmark
- オーガナイザー
栗原 聡(大阪大学)
服部 宏充(京都大学)
和泉 潔(産業技術総合研究所)
川村 秀憲(北海道大学)
松井 宏樹(株式会社CMDラボ)
- 内容
昨年の大会にて「次世代知的交通システムにおけるAI」というタイトルにて同提案者グループにて企画セッションを開催させていただき,時間枠をオーバーする盛り上がりを見せた.昨年の企画書では,現在の東京都の1km当りの渋滞損失額は435百万円/年,全国を合計すると,2914百万円/年もの損失が生まれている状況において,次世代交通制御システム(ITS)構築に向けた研究開発の立ち上げが強く望まれている状況を念頭にして,マルチエージェント技術,シミュレーション技術,プランニング・学習技術を始めとする様々な人工知能技術を通した次世代知的交通システムと人工知能に関連する研究発表ならびに研究者間の交流を目的とした.しかし,この問題はITSに限る問題ではなく,人やモノの流れにおいても同様である.根幹にあるのは,「大域的な情報交換が困難である状況における有限リソース分配問題」であり,移動の主体を車から人とすれば,移動手段は車以外にも電車や地下鉄なども含まれる.またリソースの分配という観点からはテーマパーク問題やデマンドバス問題なども重要な研究テーマである.本セッションでは,このように交通や移動など,モノの流れの制御問題に対するAIの取り組みをテーマとして,論文の発表並びに研究者間の活発な議論の場を提供することを目的とする.
OS-05 ネットワークが創発する知能 bookmark
- オーガナイザー
石川 孝(日本工業大学)
栗原 聡(大阪大学,JST CREST)
澤井 秀文(情報通信研究機構)
風間 一洋(NTT)
鳥海 不二夫(名古屋大学)
- 内容
マルチエージェントシステムや人間の社会現象などにおいては,集団的知能が多数の自律的な主体による局所的な行動のネットワークから創発している.集団的知能が創発するメカニズムを解明することは,集団的知能の説明のみならず,大規模分散情報・通信システムの実現に対しても重要な知見をもたらすことが期待される.このオーガナイズドセッションでは,集団的知能,集合知,マルチエージェントシステムやネットワークにおける自己組織化,ソーシャルネットワークにおける創発,ネットワークダイナミクス,ネットワーク上でのゲームなどをキーワードとする研究発表を募集します.
OS-06 社会におけるAI 研究会特別セッション bookmark
- オーガナイザー
神成 淳司(慶應義塾大学)
松原 仁(公立はこだて未来大学)
- 内容
社会におけるAI研究会では、災害や農業分野といった、広く社会において認識されている問題を中心に、実社会におけるAI適用の課題や活用事例を共有し、更なる展開の促進をゴールとしています。
本セッションでは、既存のテーマの枠組みに囚われず、様々な分野におけるAI適用のケースや課題について議論を、より多くの研究者間で進めていく事を目的としています。
- キーワード
- AIの実応用 ケーススタディ情報マネジメント、農業、災害、知識共有、知識管理、セキュリティとプライバシ 等
- AIのビジネスモデル
- 上記テーマに関連する社会情報インフラの構築
- 普及促進のための教育活動
- その他
OS-07 ヒューマン-ロボットインタラクションにおける言語 コミュニケーション能力の獲得 bookmark
- オーガナイザー
新田恒雄(豊橋技術科学大学)
岩橋直人(情報通信研究機構)
- 内容
ロボット研究,脳研究,音声言語を含むマルチモーダル対話研究等の発展に伴い,ロボットが,人間と共生することを最終目標とする研究が始まっている。将来は身近な場面で,パーソナルロボットが、実世界の事物を対象に人間とコミュニケーションする時代が到来すると予想される。
一方、ロボット研究の現状をみると、行動の自律的振る舞いを対象とするものが多く、人間とのコミュニケーションに不可欠な音声言語獲得・対話調整等を対象とするものは極めて少ない。また音声言語研究の現状を見ると,開発者は対話内容を直接記述しなければならないため,簡単なタスクでは自律的応答をしているかのように設計できるものの,労力負担が大きい割に,柔軟性に欠けたものしか制作できていない。これは,対話に使用する背景知識の獲得と知識の運用方法に大きな課題が残されているためと考えられる。セッションでは,こうしたコミュニケーション知識と動作スキルの学習に係わる研究者が一同に会し,近未来の課題と解決への取組みを討議する。
OS-08 身体知の表現と伝達 bookmark
- オーガナイザー
藤波 努(北陸先端科学技術大学院大学)
- 内容
楽器の演奏やスポーツなど、人間が長年の修練を経て獲得する技には知的な要素が含まれていると考えられるが、それがどのような種類の知能の顕れなのか、またいかにして獲得されるのかは明らかではない。技は個人が独力で獲得する方法もあるが、一般には教師の助言と指導のもとに研鑽を積んで身につけていくことが多い。技の内容は言葉で表現しにくいため、教師から生徒に伝わりにくい。言語以外の手段(たとえばグラフなど)の併用は技の伝達に寄与すると予想されるが、その方法と効果については未知である。本セッションは、技の習得を可能にしている知的なものを身体知と捉え、それがどのように表現されるのか、またいかに伝えられるのかを議論する。
- 募集するテーマ
(1)動作計測による身体知の理解
(2)身体知習得モデル
(3)身体知言語化の方法論
(4)データ分析による習得支援
(5)コーチング方法論
(6)道具や練習環境デザインの実践および方法論
OS-09 市民の表現活動を編みあげる情報技術 bookmark
- オーガナイザー
沼 晃介(東京大学)
濱崎 雅弘(産業技術総合研究所)
田中 克明(東京大学)
- 内容
近年,デジタルメディアの普及にともない,市民がさまざまな表現を行っている.現状では,これらの表現は個別ばらばらに生み出され,消費されており,現代はいわば,「情報のあふれかえる社会」である.そのためこれからの情報技術には,「表現が編みあがる社会」を実現することが期待される.市民の表現活動をさまざまに支援し,つなぎ,編みあげることによって,表現そのものを持続的に,豊かに発展させることができるだろう.
本オーガナイズドセッションでは2008年全国大会でのセッションに引き続き,このような目的に活用できる技術,関連する実践ならびに理論に関わる研究発表を募集し,議論する.想定するトピックには次のようなものが含まれる.表現の作成・公開・流通を支援・促進する技術システム,特に,創造活動支援システム,情報共有システム,実世界志向インタフェースなど.また,市民のメディア表現に関わる実践や理論の報告もあわせて議論したい.
OS-10 AIとサービス,価値 bookmark
- オーガナイザー
武田 英明(東京大学)
竹中 毅(東京大学)
福原 知宏(東京大学)
- 内容
情報通信技術の発展に伴い,近年,サービスの高度化に注目が集まっている.本年の本会学会誌(Vol.23, No.6)にも「サービスイノベーションとAI」という特集記事があり,AIがサービスの設計と評価において果たす役割に期待が高まっている.
本セッションではAI研究から見たサービスと価値に関する議論を行う.本セッションでは現実のサービス場面で得られる大規模データを用いた研究や,サービス設計におけるAI的アプローチの適用など,サービスの設計と評価に関する工学的取り組みと成果を報告し,AIがサービス設計と評価に果たす役割,サービスの高度化によって生み出される価値について議論を行う.
- 具体的テーマ
以下を想定するが,AIとサービス,価値に関するものであれば,これに限定しない.- サービスサイエンス/サービス工学
- セマンティックWeb/オントロジ工学
- 大規模データを用いた学習・最適化
- マルチエージェントシミュレーション
- 社会ネットワーク/複雑ネットワーク分析
- 実サービスの設計・分析事例
- サービスと価値に関する考察
OS-11 学習のための問題とその解決・理解・作成の支援 bookmark
- オーガナイザー
柏原 昭博(電気通信大学)
平嶋 宗(広島大学)
- 内容
学習の必要性は,未解決の問題の存在にある.この意味において,問題とは学習における最も本質的な要因の一つであるといえる.本学会のALST研究会でも,様々な研究で個別に問題が取り扱われており,すでに多くの成果が得られている.しかしながら,それらを関係づけて統合的に議論することはこれまで十分になされてきたとはいえない.
そこで,本セッションでは,学習のための問題について,その定義や解決・理解・作成に関してのモデル化,および支援・実践的活用といった様々な観点からの研究を一堂に会することによって,学習のための問題を包括的に捉える枠組みを構築する端緒としたい.
なお,本セッションでは10件前後の発表を予定しており,各登壇者から研究成果を発表していただいた上で議論するという形式で進める予定である.
OS-12 ファイナンスにおける人工知能応用 bookmark
- オーガナイザー
寺野 隆雄(東京工業大学)
松井 藤五郎(東京理科大学)
- 内容
サブプライム問題に端を発する世界金融危機などの影響から、金融市場への関心が高まっています。このような社会的状況の中で、人工知能分野の手法や技術を金融市場における様々な場面に応用することが大いに期待されています。
本セッションでは、膨大な金融情報を分析し投資判断の支援をする技術や、市場の特性を理解し適切な市場制度を設計する技術、さらに市場メカニズムを金融市場以外の社会現象に応用する技術など金融市場に関わる基礎から応用までの幅広い研究課題全てを対象とし、金融市場に対する人工知能技術の利用を拡大することを目的とした発表と議論を行います。