採択されたオーガナイズドセッションは以下の30件*です. 採択されたオーガナイズドセッションでは,発表の一般公募を行います.発表申し込み時にご希望のオーガナイズドセッションを選択してください.
なお,2016年度全国大会のオーガナイズドセッションは最大で一般セッション2枠分の長さとなります.オーガナイズドセッションを希望された場合におきましても,申し込まれたオーガナイズドセッションの発表件数が多い場合,またはオーガナイズドセッションの主旨にそぐわない発表は,一般セッションにまわっていただくことがあります.
*2015.12.10 プログラム委員長判断により,3件(OS-28, OS-29, OS-30)を追加採択
オーガナイズドセッション一覧
- OS-1 先端デバイス指向AI(鷲尾 隆)
- OS-2 SAT技術の理論,実装,応用(宋 剛秀,波多野 大督,戸田 貴久)
- OS-3 人工生命化社会の理論と応用(池上 高志,岡 瑞起,廣瀬 道隆,鳴海 拓志)
- OS-4 意味と理解のコンピューティング(小林 一郎,麻生 英樹,伊東 幸宏,竹内 孔一)
- OS-5 交通・移動・物流とAI(川村 秀憲,栗原 聡,服部 宏充,藤井 秀樹)
- OS-6 ことば–コンピュータ–コミュニケーション(阿部 明典)
- OS-7 質感と感性(坂本 真樹,渡邊 淳司)
- OS-8 コミック工学とAI(山西 良典,松下 光範,松村 耕平,上野 未貴)
- OS-9 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング(櫻井 祐子,馬場 雪乃)
- OS-10 経営課題にAIを!(寺野 隆雄,高橋 大志,倉橋 節也,菱山 玲子,後藤 裕介,小林 知巳,鳥山 正博)
- OS-11 脳科学とAI(山川 宏,森川 幸治,岡本 洋)
- OS-12 汎用人工知能とその社会への影響(市瀬 龍太郎,山川 宏,荒川 直哉)
- OS-13 新たな環境・場に基づいた学習のモデル化と支援手法(岡本 勝,笠井 俊信,東本 崇仁,嶺 竜治,山元 翔,松本 慎平,松原 行宏)
- OS-14 身体知の表現と獲得(藤波 努)
- OS-15 音楽と言語(東条 敏,平田 圭二,小野 哲雄)
- OS-16 金融情報学―ファイナンスにおける人工知能応用―(和泉 潔,八木 勲,西山 昇,中山 慎一郎,山本 竜市,酒井 浩之)
- OS-17 WEB上の非言語表現・行動に関する研究分野創立に向けて(Rafal Rzepka,Michal Ptaszynski,奥村 紀之)
- OS-18 世代をつなぐ知的インタフェース(田中 文英,檜山 敦)
- OS-19 Linked Dataとオープンデータ活用(古崎 晃司,武田 英明,長野 伸一,細見 格,森田 武史,山口 高平)
- OS-20 味覚・嗅覚と記号システム(福島 宙輝,福本 淳一,阿部 明典)
- OS-21 医学医療における人工知能(大武 美保子,古崎 晃司,津本 周作,矢入 郁子,今井 健,大江 和彦)
- OS-22 記号創発ロボティクス(長井 隆行,岩橋 直人,岡田 浩之,稲邑 哲也,谷口 忠大)
- OS-23 知的対話システム(駒谷 和範,東中 竜一郎,船越 孝太郎,藤江 真也,岡田 将吾)
- OS-24 仕掛学:遊び心のデザイン(松村 真宏,松下 光範,山根 承子,平岡 敏洋,片山 めぐみ,白水 菜々重)
- OS-25 グリーンAI ~AIによる環境貢献~(松井 孝典,柴田 博仁,森 幹彦,福井 健一,熊澤 輝一)
- OS-26 知の身体性(諏訪 正樹,跡見 順子)
- OS-27 Deep Learning(松尾 豊,山川 宏,中山 浩太郎)
- OS-28 ネットワークが創発する知能(栗原 聡,澤井 秀文,風間 一洋,鳥海 不二夫)
- OS-29 人と人工知能を繋げるHAI(今井 倫太,片上 大輔,寺田 和憲)
- OS-30 建築,都市環境のレジリエンスを支えるAI(鈴木 琢也,荒井 幸代)
OS-1 先端デバイス指向AI
オーガナイザ
- 鷲尾 隆(大阪大学産業科学研究所)
内容
ナノセンサ、ナノアクチュエータ、量子計測など先端デバイス開発分野では、微細・微量な対象を計測・制御するためのデバイスが次々と開発されつつあり、この分野で日本は世界をリードする立場にある。しかしながらこれら多くのデバイスは、計測や操作の対象が微小であるために熱雑音や量子揺らぎの影響を受け、対象個々については不確定な情報の収集や出力しかできず、そこから高精度な動作を得るために時空間や特徴空間上での多チャンネル情報の統合を必要とする。例えば、何種類かの分子の種類や濃度を高精度に識別同定するためには、性質の異なる微小計測センサを配置したアレーデバイスを用いて計測し、それらの出力を統合識別しなければならない。機械学習・データマイニングを中心とする人工知能技術は、このような複数情報源を統合することで高精度、高信頼な出力結果を得ることに長じており、先端デバイス開発分野適用への期待が高まっている。本オーガナイズドセッションでは、既存のセンサやアクチュエータを組み合わせたシステムやネットワークの実現に留まるのではなく、計測・制御などのための新たな先端デバイスを実現する人工知能技術開発へ向けた研究発表を集め、先端デバイス指向人工知能を展望する。
テーマ例
・ナノスケール孔出力情報尤度を統合したナノ粒子センサの実現
・多種受容体出力情報尤度を統合した微量有機化合物識別センサの実現
・多チャンネル計測によるのもつれ量子状態の高精度変化検知
キーワード
- 先端センシングデバイス
- 先端アクチュエータデバイス
- 量子計測
- ナノ計測
- 情報統合
OS-2 SAT技術の理論,実装,応用
オーガナイザ
- 宋 剛秀(神戸大学)
- 波多野 大督(国立情報学研究所)
- 戸田 貴久(電気通信大学)
内容
CNF論理式の充足可能性を判定する充足可能性判定問題(SAT)は,1960年代から現在に至るまで計算機科学における中心的課題であり,約半世紀に渡って膨大な量の研究が蓄積されてきた.
特に,ここ10数年でSATソルバーの性能が飛躍的に向上し,システム検証,プランニングやスケジューリング,定理証明,組合せ最適化など様々な応用領域における推論の基盤技術としてSAT技術は注目を集めている.
本オーガナイズドセッションでは,「SAT技術の理論,実装,応用」をテーマとして,最新のSAT技術はもちろん,MaxSAT,Pseudo Boolean,モデル列挙,SMT,並列分散SAT等の次世代SAT技術,および,SATに関連の深い制約充足問題(CSP)や BDD, ZDD, 解集合プログラミング(ASP)等の技術について研究発表および討論を行う.
テーマの例:
・SATソルバーの高速化
・SAT符号化
・SATの応用
・次世代SAT技術
・制約充足
・BDD, ZDD
・解集合プログラミング等
キーワード
- SAT技術
- 制約充足問題
- ZDD
- 解集合プログラミング
- SMT
OS-3 人工生命化社会の理論と応用
オーガナイザ
- 池上 高志(東京大学)
- 岡 瑞起(筑波大学)
- 廣瀬 道隆(東京大学)
- 鳴海 拓志(東京大学)
内容
2015年まで続いたマッシブデータフロー(MDF)が作り出す生命性のセッションを更新して、人工生命化する社会に関する理論を立ち上げる。ウェブやロボットに見られるように進んだ技術というものは不思議と生命性を帯びるものであり、とりわけ、優れた技術はしばしば実際の生物のように適応的で自律的な様相を呈する。これを人工生命化する、という。見方を変えれば、生命性を獲得しつつある人工物が自然物との境界を曖昧にすることで、いま世界は人工生命化する方向に向かっている。 こうした状況に即して、広く多くの境界領域の人と議論したい。
キーワード
- 複雑系・人工生命
- ソフトコンピューティング
- バーチャルリアリティ
- インタラクション
- ウェブサイエンス
OS-4 意味と理解のコンピューティング
オーガナイザ
- 小林 一郎(お茶の水女子大学)
- 麻生 英樹(産業技術総合研究所)
- 伊東 幸宏(静岡大学)
- 竹内 孔一(岡山大学)
内容
計算機の処理能力が上がり、大量のデータを簡単に扱える時代になった。それにともない、データの統計的処理の観点から、その意味をとらえる研究が多くなっている。たとえば、文書をBag of wordsとして扱い、語彙の出現頻度に基づく統計量から文章の内容を捉えるような統計的自然言語処理は、情報検索システムなどの成功に裏打ちされ、自然言語によって記述された文章を処理する実用的な手段として現在も自然言語処理の分野の主流となるアプローチとして位置づけられている。そのような背景において、以前のような意味に対する深い取り扱いへの試みが希薄なっているように感じられる。たとえば、文章の内容を理解するためには言語学的知識の考慮や内容を理解するための他の知識の連携が必要とされるが、そうしたことを可能にする論理学による意味の記述や推論などを用いた意味理解に対するアプローチの研究は少なくなっている。しかし、システムを真に知的にするためには、人が行うような意味の理解のメカニズムが必要であり、必要な技術は振り子のように回帰してくると考える。本オーガナイズドセッションは、そのような背景を踏まえ、意味や理解をとらえるための多様な取り組みや姿勢を大切にしながら新しい技術を開発することを目指す人たちが、それぞれのアプローチに基づいたアイデアを持ち寄り、相互理解や新たな方向性について議論するための場として開催する。
キーワード
- 言語
- 意味
- 理解
OS-5 交通・移動・物流とAI
オーガナイザ
- 川村 秀憲(北海道大学)
- 栗原 聡(電気通信大学)
- 服部 宏充(立命館大学)
- 藤井 秀樹(東京大学)
内容
本OSは,2008年大会において開催した「次世代知的交通システムにおけるAI」を源流として,翌年には「交通・移動・流れとAI」へ,さらに2011年には「交通・移動・物流とAI」へと,研究のトレンドを背景に名称を変更しつつ,毎年開催(計8回)をしており,セッションは毎回活況を呈している.なお,本OSは2011年大会より本学会「データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会」(DOCMAS)の活動の一環としてのイベントとなっており,DOCMASへの導入機会として重要度が増している.
近年,経済,環境,エネルギー,食糧などさまざまな分野で問題が顕在化してきており,社会が抱える複雑かつ大規模な課題を解決するためのアイディアが広く求められている.本OSは,交通,人流,物流,商流など,多数の主体,物資が行き交い,関連する情報が溢れる中で,人の意思決定が関わり,様々な社会の動態が生み出される現象やシステムの分析,理解,そしてそれを制御する方法について,研究者のアイディアを集め,議論し,社会に成果を供する研究の促進の場として企画されたものである.テーマ例としては,高移動効率・環境負荷低減を実現する都市交通システムの設計・評価ロジスティックス効率化のための倉庫管理・配送経路の最適化,各種ユビキタスセンサによる大規模移動データに基づく群集挙動の可視化,観光・災害のための人流制御方式など,幅広い課題を取り上げたものが挙げられる.
キーワード
- 社会シミュレーション
- マルチエージェントシステム
- 最適化・安定化
- 社会情報システム
- ビッグデータ
OS-6 ことば–コンピュータ–コミュニケーション
オーガナイザ
- 阿部 明典(千葉大学)
内容
本セッションでは、昨年に引続き、コンピュータの上でことばを扱う問題に関して議論する予定である。
コンピュータなどの機械メディアの上でことばを扱う研究を各々の観点から分野を横断して議論をしたいと考えている。
テーマ例:
コンピュータ、認知科学、社会学、心理学、脳科学、哲学、人工知能などの面から見た
ことばの問題
ことばの特性
ことばの生成、デザイン
文学の問題
文学の特性
文学の生成、デザイン
コミュニケーションの問題
コミュニケーションの特性
コミュニケーションの生成、デザイン
駄洒落、ユーモア、修辞等上記に深く関わる現象に関しても同様の議論
その他、
広告コミュニケーションなどのアプリケーションがらみの話
など
キーワード
- ことば工学
- 感性
- コミュニケーション修辞
- 表現の仕方
OS-7 質感と感性
オーガナイザ
- 坂本 真樹(電気通信大学)
- 渡邊 淳司(日本電信電話株式会社)
内容
人は,五感を通して多様な質感を知覚し,複合的に快不快,好き嫌いなどの価値判断を行い,様々な行動選択を行っている.質感を入力するインタフェースとなる五感ごとに,研究の進捗と方法論は異なっている.視覚的質感研究は研究が進んでいるとされるが,人の目に見えるレベルでの視覚的質感認知メカニズムの解明,人工知能がどこまで人の視覚的質感認知メカニズムを再現可能なのかは未確認である.視覚に比べて原始的な感覚とされてきた触覚研究は,人工知能に触感を呈示認識,再生させる技術開発が待たれる.複雑な信号変調により生じる聴覚的質感,高次感性処理の関係の解明,視触覚や嗅覚と切り離せない味覚的質感,高次感性処理の関係の解明も課題が多い.各感覚入力を通して得られる質感が複雑な質感概念ネットワークを構成している脳の全体像を解明するための方法論として,近年発展が著しいディープラーニングを含む統計的機械学習があるが,画像など視覚を対象とした研究が主となっている.本OSは,独立に研究が行われることの多い五感を対象とする研究者による報告を通して,研究成果の進捗を共有し,方法論も共有できる機会としたい.本OSの研究テーマは,人の五感と好き嫌いなどの価値判断に関わる理工系の研究(画像処理,触覚工学,音響学,機械学習,感性工学,言語処理)を中心としながら,知覚心理物理研究,脳神経科学といった生物系の研究者との連携も図り,質感情報処理の科学的な理解と新たな人工知能研究の開発の可能性について検討する場としたい.
キーワード
- 視覚
- 触覚
- 聴覚
- 味覚
- 嗅覚
- 感性
OS-8 コミック工学とAI
オーガナイザ
- 山西 良典(立命館大学)
- 松下 光範(関西大学)
- 松村 耕平(立命館大学)
- 上野 未貴(豊橋技術科学大学)
内容
本オーガナイズドセッションでは,メディア横断型のエンターテインメントコンテンツであるコミックを対象として,各メディア処理技術の横断的な利用や,画像や言語の解釈,感性理解などを扱う研究を募集します.コミック閲読時には,ヒトは画像と言語の複合的な処理を行っています.また,コミック描画時には,作者は音情報を言語情報や画像情報へと変換しています.このような各メディアを横断する解釈は,コミックの閲読・描画に特徴的に見られる現象です.また,オノマトペや漫符,吹き出しといったコミックの表現技法に応じた認知処理も必要となります.
本OSでは,例えば以下のようなテーマを募集します.
・コミックの解釈
・キャラクター認識
・コミック表現の応用
・オノマトペの理解
キーワード
- コミック工学
- 画像処理
- 言語処理
- 音情報の可視化
OS-9 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング
オーガナイザ
- 櫻井 祐子(九州大学)
- 馬場 雪乃(京都大学)
内容
ヒューマンコンピュテーションとは、計算機だけでは現実的な性能を得ることが難しく、人間の認識や判断等を必要とするような課題において、人間を「計算資源」の一部として捉えることによって、計算機と人間の両者を組み合せてこれを解決するという考え方である。計算資源としての人間の労働力へのアクセス手段であるクラウドソーシングの隆盛とも相まって、ヒューマンコンピュテーションは人工知能分野における大きなトレンドのひとつとして注目を集めている。2013年からはAAAIがスポンサーとなり、ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシングに関する初めての国際会議HCOMPが開催されている。また、AI分野のトップジャーナルJAIRにおいてはヒューマンコンピュテーションの特別トラックが企画されるに至った。
しかし、その世界的な盛り上がりとは裏腹に、日本国内でこの分野を主な対象とした研究発表の場は少ない。JSAI2013, 2014, 2015においてオーガナイズドセッション「ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング」を開催したところ、参加者が50名以上と大変盛況であった。そこで、本年度も我が国におけるヒューマンコンピュテーション(HC)とクラウドソーシング(CS)に関連する研究者が一同に会し、国内における本分野への理解と一層の推進を図ることを目的とし、オーガナイズドセッションを開催するものである。
テーマ例:
・ヒューマンコンピュテーション/クラウドソーシング(HC/CS)のプラットフォーム
・HC/CSのメカニズムデザイン
・HC/CSにおけるタスク設計/ワークフロー設計
・HC/CSと機械学習/データマイニング
・HC/CSとヒューマン・コンピュータ・インタラクション
・HC/CSと言語/メディア処理
・HC/CSとビッグデータ
・HC/CSと社会科学/認知科学
・ゲーミフィケーション/目的を持ったゲーム(GWAP)
・ソーシャルコンピューティング/コレクティブインテリジェンス(集合知)
・予測市場
キーワード
- ヒューマンコンピュテーション
- クラウドソーシング
- 目的を持ったゲーム(GWAP)
OS-10 経営課題にAIを!
オーガナイザ
- 寺野 隆雄(東京工業大学)
- 高橋 大志(慶應義塾大学)
- 倉橋 節也(筑波大学)
- 菱山 玲子(早稲田大学)
- 後藤 裕介(岩手県立大学)
- 小林 知巳(小林マネジメント研究所/早稲田大学)
- 鳥山 正博(立命館大学)
内容
近年、経営分野における人工知能研究の発展は目覚ましく、マーケティング、情報システム、経営環境、財務など、様々な経営課題に対して取り組みが進んでいます。本オーガナイズドセッションでは、ビジネスおよび経営分野における人工知能研究および関連する諸研究の議論の場として開催します。経営分野に関心のある工学系研究者、人工知能応用に関心のある経営系研究者、ビジネスの最前線にいる実務家など、お互いの課題や研究成果・研究構想を発表し議論する場を設けることを通して、国際競争力の更なる向上が課題となっている日本の経営力を、人工知能技術の利用を通して強化することを目指します。
キーワード
- ビジネス・インフォマティクス
- 企業ビッグデータ活用
- 経営シミュレーション
- 企業価値分析
- イノベーション・マネジメント
OS-11 脳科学とAI
オーガナイザ
- 山川 宏(株式会社ドワンゴ)
- 森川 幸治(パナソニック株式会社)
- 岡本 洋(富士ゼロックス株式会社)
内容
近年,脳科学分野は脳機能イメージング,信号処理技術等を活用することでブレインマシンインタフェース,リハビリテーション,神経経済学などの応用分野が見え始めています.一方で,神経科学の知見が爆発的に増加し,人工知能分野においても,脳型の情報処理技術やDeep Learning,圧縮センシング,認知アーキテクチャ,計算知能などの研究の新たな進展も期待されています.
本オーガナイズドセッションは,この脳科学とAIの橋渡しになるような境界領域のテーマを募集します.
・テーマ例:
脳計測データの分析,信号処理
ニューラルコンピューティング(Deep Learning/圧縮センシング等)
全脳エミュレーション/シミュレーション
脳情報の符号化/復号化(エンコーディング/デコーディング)
ブレインマシンインタフェース
脳活動を利用したユーザインタフェースとその評価
専門能力/スキルの脳科学的理解
脳活動評価と医療応用
ニューロ・リハビリテーション
脳科学の教育応用
ソーシャルインタラクションにおける脳活動
神経経済学,ニューロマーケティング
システム神経科学
脳型計算知能,認知アーキテクチャ,脳の計算モデル
脳型アーキテクチャ
ニューロインフォマティクス(オントロジ/データマイニング/モデリング等)
脳活動を利用した感性情報処理
認知発達ロボティクス
脳型計算機のハードウェア
上記以外の脳科学とAIに関わるご研究
キーワード
- システム神経科学
- ブレインマシンインターフェース
- 脳型計算機
- 脳科学応用
- 脳情報表現,脳の計算モデル
OS-12 汎用人工知能とその社会への影響
オーガナイザ
- 市瀬 龍太郎(国立情報学研究所)
- 山川 宏(株式会社富士通研究所/株式会社ドワンゴ)
- 荒川 直哉(株式会社ドワンゴ)
内容
近年,欧米を中心として技術的特異点(Singularity)や汎用人工知能(Artificial General Intelligence: AGI)についての研究活動が盛り上がりつつある.当学会でも,これまで,過去2年に渡り,全国大会で汎用人工知能に関するオーガナイズドセッションが開催され,今年度には,第3種研究会として,汎用人工知能研究会が立ち上がった.
こうした背景から,パネルを含めたオーガナイズドセッションを開催したい.
・テーマ例:
– AGIのアーキテクチャ,モデル
– AGI研究の現状調査(関連する科学技術やその進展状況)と実現の見通し
– AGI構築のロードマップ
– AGIに向けた問題点(フレーム問題,シンボルグラウンディング問題など)
– AGIの評価/ベンチマーク
– AGIのインパクト(想定されるAIリスク)
– AGIのレビュー
– その他,AGIに関する話題
キーワード
- 汎用人工知能
- シンギュラリティ
- ヒューマンレベルAI
- 知能モデル化
- 脳情報表現、脳の計算モデル
OS-13 新たな環境・場に基づいた学習のモデル化と支援手法
オーガナイザ
- 岡本 勝(広島市立大学)
- 笠井 俊信(岡山大学)
- 東本 崇仁(東京工芸大学)
- 嶺 竜治(日立製作所)
- 山元 翔(近畿大学)
- 松本 慎平(広島工業大学)
- 松原 行宏(広島市立大学)
内容
様々なデバイス開発やネットワーク形態の展開に伴い,下記を代表とする新たな環境下での学習の実現性が高まってきた.
・バーチャルリアリティ(VR)環境内での学習
・拡張現実感(AR)によって情報拡張された実世界での学習・訓練
・SNSなどによる今までとは異なるつながりを持った仮想環境を考慮した教育
また,生体信号(脳派など)に基づいた学習過程の分析・モデル化や,学習者の知識構造の外化のモデル化および学習支援への活用など,学習者の内部状態を顕在化した場での理論的,実践的な研究も盛んに行われている.
本セッションでは,新たな環境・場で学習に関する様々な研究への理解を図ることで,先進的学習化学と工学研究会(ALST)のより一層の活性化を目指すものである.
■テーマ例
VR/AR環境での学習支援手法
脳機能解析にもとづいた学習者の行動解析・学習支援応用
身体計測にもとづいた身体スキル学習
組み立てることによる知識モデル構築支援
SNSを活用した新たなe-learningアプローチ/モデリング
仮想的な情報提示による学習支援
キーワード
- 学習工学
- VR/AR
- 知的学習支援
- e-learning
- 知識構造モデル化
OS-14 身体知の表現と獲得
オーガナイザ
- 藤波 努(北陸先端科学技術大学院大学)
内容
楽器の演奏やスポーツなど、人間が長年の修練を経て獲得する技には知的な要素が含まれていると考えられるが、それがどのような種類の知能の顕れなのか、またいかにして獲得されるのかは明らかではない。技は個人が独力で獲得する方法もあるが、一般には教師の助言と指導のもとに研鑽を積んで身につけていくことが多い。技の内容は言葉で表現しにくいため、教師から生徒に伝わりにくい。言語以外の手段(たとえばグラフなど)の併用は技の伝達に寄与すると予想されるが、その方法と効果については未知である。本セッションは、技の習得を可能にしている知的なものを身体知と捉え、それがどのように表現されるのか、またいかに伝えられるのかを議論する。
本提案で募集するテーマは以下の通りである:
(a)動作計測による身体知の理解
(b)身体知習得モデル
(c)身体知言語化の方法論
(d)データ分析による習得支援
(e)コーチング方法論
(f)道具や練習環境デザインの実践および方法論
キーワード
- 知識表現
- 知識獲得
- 技能継承
- 身体性
- 暗黙知
OS-15 音楽と言語
オーガナイザ
- 東条 敏(北陸先端科学技術大学院大学)
- 平田 圭二(公立はこだて未来大学)
- 小野 哲雄(北海道大学)
内容
自然言語の理論では,チョムスキーを始祖として構成的な文法規則と論理的な意味表現が提案されてきた.言語と音楽は生物学的に同ルーツであると言われるが,あらゆる生物の中で人間のみが言語と音楽を分離した.それぞれは収斂進化である可能性があるにしても,多くの類似性が指摘される.今日われわれは新たにウェブ上に豊富な音楽の電子データを手にし,その構造生成・意味理解においては先行する自然言語処理の研究成果を援用すべき機にある.
テーマ例:「音楽の形式意味論」「音楽における情動の形式化」「ポリフォニー音楽の理解」「I-Rモデルによるメロディー進行予測」「確率文脈自由文法による音楽構造予測」「ウェーブレットによるメロディー解析」などが考えられる.
キーワード
- 音楽情報処理
- 自然言語処理
- 機械学習
- 木構造
- 生成文法
OS-16 金融情報学―ファイナンスにおける人工知能応用―
オーガナイザ
- 和泉 潔(東京大学)
- 八木 勲(神奈川工科大学)
- 西山 昇(Dragons’ Desk Limited/千葉商科大学)
- 中山 慎一郎
- 山本 竜市(早稲田大学)
- 酒井 浩之(成蹊大学)
内容
金融市場における近年の急激な環境の変化から、金融市場への関心が高まっています。このような社会的状況の中で、人工知能分野の手法や技術を金融市場における様々な場面に応用することが大いに期待されています。
本セッションでは、膨大な金融情報を分析し投資判断の支援をする技術や、市場の特性を理解し適切な市場制度を設計する技術、さらに市場メカニズムを金融市場以外の社会現象に応用する技術など金融市場に関わる基礎から応用までの幅広い研究課題全てを対象とし、金融市場に対する人工知能を中心とした情報技術の利用を拡大することを目的とした発表と議論を行います。
本セッションは,「ファイナンスにおける人工知能応用」という名称で2008年度から開催していましたが,2013年度から名称を「金融情報学」に変更しました.
■募集テーマ
・マルチエージェントを用いた人工市場,市場シミュレーション
・オークションプロトコルなど市場制度設計の理論や技術
・機械学習,データマイニング,テキストマイニングなどを用いた市場予測
・知識ベースシステム,意思決定支援システムなどを用いた投資支援
・金融市場における投資行動,学習の分析やモデル化(行動ファイナンス)
・予測市場などの新しい市場分野への人工知能の応用
・オントロジーを用いたファイナンス知識の体系化
キーワード
- 人工市場
- 金融データ・マイニング
- 金融テキスト・マイニング
- 市場予測
- 行動ファイナンス
OS-17 WEB上の非言語表現・行動に関する研究分野創立に向けて
オーガナイザ
- Rafal Rzepka(北海道大学)
- Michal Ptaszynski(北見工業大学)
- 奥村 紀之(香川高等専門学校)
内容
日本国内で使用されている顔文字はすでに数万種以上確認されており,Unicodeを利用した顔文字を構成できるようになったことから今後も益々その数が増加していくと予測できる.一方で,自然言語処理をはじめとした言語情報を取り扱う分野では,顔文字をノイズとして除去してしまうことも多い.そこで,本セッションでは,顔文字に関する知見を持つ研究者がそれぞれのアイデア,データを持ち寄り,顔文字に関する知見を集約し,今後の展望について討論する.また,素材を顔文字に限定せず,絵文字やアスキーアートなどの表情を表す非言語情報の他に,クサチュー語・ギャル語・2ちゃん語など文字を分解し他の文字を組み合わせることで表現される文字列に関する知見についても幅広く取り扱う.
テーマの例
顔文字など非言語情報の辞書
顔文字,絵文字,アスキーアートと感情
顔文字などの自動抽出
顔文字などの自動分類
顔文字などの自動生成
言語と非言語行動
その他の非言語行動に関する研究
キーワード
- 顔文字
- 感情
- 非言語情報
- オンラインコミュニケーション
- 言語解析
OS-18 世代をつなぐ知的インタフェース
オーガナイザ
- 田中 文英(筑波大学)
- 檜山 敦(東京大学)
内容
少子高齢社会の重要課題である「教育」と「高齢者の就労支援」を結びつける知的インタフェースについて議論します.関連して,子どもとシニアに関わる幅広いトピックについて,理論から実践,分野を問わず,発表や議論参加を歓迎します.
キーワード
- 子どもの教育
- 高齢者の就労支援
- テレプレゼンス
- クラウド
- ロボット
OS-19 Linked Dataとオープンデータ活用
オーガナイザ
- 古崎 晃司(大阪大学)
- 武田 英明(国立情報学研究所)
- 長野 伸一(株式会社東芝)
- 細見 格(日本電気株式会社)
- 森田 武史(慶應義塾大学)
- 山口 高平(慶應義塾大学)
内容
Webの仕組みを利用した,構造化データの公開の仕組みであるLinked Dataは,学術,Webメディア,行政,産業など様々な分野において活用されています.また,Linked Dataは,誰でも自由に利用が可能なオープンデータ(Open Data)を公開・活用するための手法としても注目され,この技術を用いてたLinked Open Data(LOD)を公開する取り組みも,各分野で広がっています.
また,オープンデータの活用は,公共データの公開のみならず,新しい産業やサービスの創出に向けた取り組みとして,国内外で活発に行われています.合わせて,シビックテックと呼ばれる情報技術を用いた地域問題解決への取り組みが各地で広がっており,これらのオープンデータに関するハッカソンやコンテストも各地で多く開催されています.
本セッションは,本研究領域における多様なアプローチ,および新たな方向性について議論する場として開催します.Linked Data・オープンデータの構築・活用に限定せず,オントロジー研究との融合,社会での情報共有やビジネスへの応用,市民によるテクノロジー活用など,幅広い研究発表を募集します.
なお,本セッションは,「Linked Dataとオントロジー」という名称で2011年度から開催していましたが,2015年度から名称を「Linked Dataとオープンデータ活用」に変更しました.
キーワード
- Linked Data
- オープンデータ
- オントロジー
- 知識共有
- シビックテック
OS-20 味覚・嗅覚と記号システム
オーガナイザ
- 福島 宙輝(慶應義塾大学)
- 福本 淳一(立命館大学)
- 阿部 明典(千葉大学)
内容
本OSでは,味覚,嗅覚,あるいは触覚の記号システムを扱う.
味覚や嗅覚の記号表象過程の研究は萌芽段階にあり,認知科学や認知言語学,哲学を巻き込んだ今後の展開が期待される領域である.
本OSは記号概念を軸に扱うが,分子生物学,神経科学などの低次認知としての味覚,嗅覚研究を制限,除外するものではない.
感覚と記号に関連するテーマであれば分野を制限せず,分野横断的な議論をしたいと考えている.
なお対象は特に制限しない.味覚,嗅覚に関する表現一般が対象であり,例えば日本酒やワインといった酒類を含む嗜好品の味わい,和菓子の食感といった複合的な感覚も対象に含める.
トピックの一例
・記号接地問題
・記号過程
・高次認知,トップダウン知覚
・感性の記号表象
・感性情報処理
・問題解決としての感覚表象
・比喩,メタファー
・類推
・オノマトペ,音象徴
・イメージスキーマ
・味わいの表現方法
・レシピ,調理方法などの表現
・香水などの匂い,香り一般の表現
・日本酒,ワインなどの味覚表現
・紅茶,コーヒー,シガレット,チョコレートなどの嗜好品
・せんべい,和菓子などの食感
などのトピックに関連する幅広い分野の研究を募集する.
キーワード
- 味覚,嗅覚,触覚,近感覚
- 味覚,嗅覚の言語化
- 記号接地,記号過程
- 音象徴,オノマトペ
- 感性
OS-21 医学医療における人工知能
オーガナイザ
- 大武 美保子(千葉大学)
- 古崎 晃司(大阪大学)
- 津本 周作(島根大学)
- 矢入 郁子(上智大学)
- 今井 健(東京大学)
- 大江 和彦(東京大学)
内容
診療情報の電子化や医療機器のネットワーク対応等により,医学・診療情報の電子的な蓄積が進んでいます.センサーネットワークの医療情報分野への導入も,本格的な実現が近づいてきており,医学・医療におけるビッグデータの形成は到来を告げようとしています.
このような背景から,これまで研究が進められてきた人工知能研究の成果を融合させ,医学医療に応用するための素地ができあがりつつあると言えます.そこで本オーガナイズドセッションでは,人工知能技術の実践的なフィールドとして,医学医療分野における人工知能要素技術の研究と応用に関する発表を広く募集します.
具体的には,医学医療・ライフサイエンス・福祉などの関連領域における機械学習,データマイニング,自然言語処理,オントロジー,知識表現,知識獲得などの人工知能要素技術に関する研究,およびそれらの応用研究などのテーマを想定しています.
また,これらの分野の研究に長く携わっておられる方を招待講演にお招きすると共に,今後,医学医療に人工知能技術を適用していく上の課題や,現在求められている研究の動向などについて意見を交わす場を設けることも計画しています.よって,これらの議論の話題提供として,既に一定の成果が上がっている研究のみならず,研究の途中結果の報告,これから新たに取り組むべき研究テーマの提案など,萌芽的な内容の発表も歓迎いたします.
キーワード
- 医療情報
- 看護情報
- ライフサイエンス
- ビックデータ
- 機械学習
- 知識処理
OS-22 記号創発ロボティクス
オーガナイザ
- 長井 隆行(電気通信大学)
- 岩橋 直人(岡山県立大学)
- 岡田 浩之(玉川大学脳科学研究所)
- 稲邑 哲也(国立情報学研究所/総合研究大学院大学)
- 谷口 忠大(立命館大学)
内容
人間の知能は身体的な環境との相互作用に基づきながらボトムアップに形成されていく.私達人間が利用する言語や記号も人間の適応的な知能の一部として捉えられ,記述され,表現されていく必要がある.しかし,伝統的なAIやロボティクスは知能をデザインしようとし,また,言語学や自然言語処理は記述された記号列としての文書を言語理解の始点に置いてきた.未だに言語を自らのセンサ・モータ系から得られるマルチモーダル情報に基づき,また,相互作用の文脈や相互信念を参照しながら,獲得し,運用していく人間知能に関する計算論的理解は十分ではない.
人間と長期的なコミュニケーションを継続させ,実りあるコラボレーションを実現する知能ロボット実現のためには,記号創発システムとして表現される人間社会の中に参画するだけの適応性を持たねばならない.
記号創発ロボティクスでは,ボトムアップに言語獲得や行動獲得,動作獲得,計画生成を行なう知能を機械学習装置やロボット,エージェントとして創りだすことにより,人間の言語的コミュニケーションについての構成的理解も深めていくことが目指す.本セッションでは,この新しい研究領域 ―記号創発ロボティクス― に係る基礎から実用化研究に携わる研究者が一同に会し,近未来の課題と解決への取組みを討議する.
トピック例: 記号創発,シンボルグラウンディング,マルチモーダル対話,概念学習,物体操作学習,言語獲得,対話戦略・対話調整とスキルの学習,言語発達,言語進化,動作の言語化,動作の分節化,環境の分節化,一般物体認識・学習,文章生成,自己位置学習,強化学習,模倣学習,音声認識,映像情報処理,自然言語処理,実世界情報処理,記号論
キーワード
- 記号創発システム
- マルチモーダル対話
- 概念学習
- 物体操作学習
- 言語獲得
- 実世界理解
OS-23 知的対話システム
オーガナイザ
- 駒谷 和範(大阪大学)
- 東中 竜一郎(NTT)
- 船越 孝太郎(HRI-JP)
- 藤江 真也(千葉工業大学)
- 岡田 将吾(東京工業大学)
内容
対話システムには,音声対話システム,テキスト対話システム,対話エージェントや対話ロボットを含むマルチモーダル対話システムなど,様々なタイプのものがあるが,その根底にあるメカニズムは共通であり,多くの研究課題が共有されている.しかしながら,従来対話システム研究は,様々な要素技術を統合した学際的な研究分野であるがために,音声処理,言語処理,人工知能,ヒューマンコンピュータインタラクション,ロボティクスなど,様々な学会に分散して発表が行われてきており,研究者間の情報交換が難しい状況であった.そこで,2011年より,対話システム研究者を一同に集めて議論を行うべく,本オーガナイズドセッションを開催しており,2011年は9件,2012年は11件,2013年は12件,2014年は8件,2015年は11件の発表が行われた.また例年40~60名の参加者が本セッションに会し,活発な研究発表,議論が行われてきた.
本年も,本オーガナイズドセッションを開催し,対話システム研究の一層の発展のため,最先端の対話システムに関する研究発表を集めたい.加えて,恒例の総合討論も行う予定である.過去の総合討論では,その議論を受けて,複数の大学や企業の研究所をまたいだ対話システムコミュニティの営みが活性化し,対話データに対話破綻のアノテーションを付与したものを公開することに繋がった.10月29日の本会SLUD研究会では,このデータセットを用いた評価型ワークショップが開催されている.今年度はマルチモーダル対話におけるシステムの破綻・エラー分析タスクの立ち上げ,および,マルチモーダル対話データコーパスの公開を視野に入れた総合討論を行い,これらの進展や方向性を確認するとともに,今後の対話システム研究分野のあり方についても議論したい.
キーワード
- 対話システムの構築
- 対話データの分析
- 対話システムの評価
- 対話システムの要素技術の開発(発話理解,対話管理,応答生成など)
- 対話システムにおける知識獲得
- 対話ロボット
OS-24 仕掛学:遊び心のデザイン
オーガナイザ
- 松村 真宏(大阪大学)
- 松下 光範(関西大学)
- 山根 承子(近畿大学)
- 平岡 敏洋(京都大学)
- 片山 めぐみ(札幌市立大学)
- 白水 菜々重(関西大学)
内容
ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトをもたらすことがある。「仕掛学」では、そのような社会現象、具体的には人の意識や行動を変えるための「仕掛け」とその「効果」を体系的に明らかにすることを目指す研究テーマである。今回は「遊び心のデザイン」の副題をつけ、遊び心を仕掛けに取り入れた事例や、遊び心を仕掛けのデザインに活かすための方法論に関する研究発表を募集し、参加者全員で仕掛学について議論を深める場にしたいと考えている。
キーワード
- 仕掛学
- 遊び心
- 問題解決
OS-25 グリーンAI ~AIによる環境貢献~
オーガナイザ
- 松井 孝典(大阪大学)
- 柴田 博仁(富士ゼロックス株式会社)
- 森 幹彦(京都大学)
- 福井 健一(大阪大学)
- 熊澤 輝一(総合地球環境学研究所)
内容
環境のサステイナビリティ・デザインは人類が取り組むべき最重要戦略的課題のひとつです。そのなかで、AIが果たすべき役割、果たしうる貢献は極めて大きなものです。エネルギーの最適均衡、資源の循環利用、環境汚染や自然環境のモニタリング、生物多様性の保全、快適な都市環境デザインや農業復興の支援など、AIの技術を活かせる領域はさまざまです。
世界的にも「AIによる環境貢献」は注目される流れにあります。AAAIでは Computational Sustainability and Artificial Intelligence (CompSust) と題するスペシャルトラックが開催されています。またIJCAI (IJCAI-13) のメインテーマは “AI and computational sustainability” でした。
人工知能学会でも一昨年から環境貢献のセッションを行い、これまでさまざまな分野の研究者が集い、意見交換を行ってきました。「AI×環境」の研究領域の活性化を期待し、今年も「グリーンAI」を開催します。環境の専門家のみならず、自身の研究の応用として、あるいはこれから始める研究の候補として環境貢献を考えている人の参加も期待します。環境問題に対してAI領域からどのような貢献が可能なのか、また環境問題に対してAIはどのような貢献を目指すべきなのかについて、ニーズとシーズの両面から分野横断的に自由で活発な議論の場にしていきたいと思います。
キーワード
- 持続可能性
- 地球環境問題
- AI技術応用
OS-26 知の身体性
オーガナイザ
- 諏訪 正樹(慶應義塾大学)
- 跡見 順子(東京農工大学)
内容
知の成立に身体は欠かすことのできない基盤であることを指して「知の身体性」という.
しかし,身体がどのように知の成立に関わっているかについては,まだ未開拓がことが多い.
知と身体(からだ)の関係には様々なレベルが存在するが,その様々な視点から探究を進めることが,身体性研究に求められると考えている.
身体(からだ)の捉え方の一例を列挙すると、
・細胞の住処としての身体
・細胞の集合体としての身体
・言語で意識する存在としての身体
・科学的に計測するものとしての身体
・科学的に計測する運動体としての身体
・生理学的反応と感覚と運動を統合する全体性としての身体
・動作原理の集合体として身体
・意識的および運動的スキルの体現場としての身体
・元気や健康が宿る場としての身体
・言語の成り立ちを司る存在としての身体
・ことばと共創関係をなす存在としての身体
・感覚・感性の在処としての身体
・コミュニケーションが成り立つ場としての身体
・空間とのあいだに生き生きとした関係を生む身体
などが挙げられる。
本セッションでは、上記の様々なレベルや観点から身体/からだを観る研究発表を募集し、身体性に関わる様々なResearch issueを議論したい.
Research issueの例としては
・モノとしての身体とコトとしての知の関係
・ことばとからだの関係
・個と社会のインタラクション
・状況依存性
・内部観測と外部観測
・客観性と主観性
・要素還元と全体性
・「わたし」性の源
などである
キーワード
- 身体性
- システム論
- 細胞
- 言語
- 空間
OS-27 Deep Learning
オーガナイザ
- 松尾 豊(東京大学)
- 山川 宏(株式会社ドワンゴ)
- 中山 浩太郎(東京大学)
内容
Deep Learningとは、近年、機械学習の分野で大変注目を集めている新しい技術であり、人間の脳の神経回路のような深い構造を作り出すことにより、抽象的な表現を学習し、精度を大幅に向上させるものである。機械学習の分野では、さまざまなコンペティションで優秀な成績で優勝しており、国際会議ICLR(International Conference on Representation Learning)が開かれるなど、DeepLearningは大きな注目を集めている。本OSでは、Deep Learningに関しての研究発表と議論を行う。Deep Learningのアルゴリズムの提案、それを用いた活用例、将来的な研究の展望など、幅広い範囲の研究を募集する。また、画像データ、動画データ、言語データ、ウェブデータなど、さまざまなデータへの適用例も歓迎する。Deep Learningは新しく実装の難しい分野でもあり、萌芽的な研究も広く募集したいと考えている。
キーワード
- Deep Learning
- 表現学習
- 深層学習
- 機械学習
- ニューラルネットワーク
OS-28 ネットワークが創発する知能
※ 2015.12.10 プログラム委員長判断による採択
オーガナイザ
- 栗原 聡(電気通信大学)
- 澤井 秀文(情報通信研究機構)
- 風間 一洋(和歌山大学)
- 鳥海 不二夫(東京大学)
内容
マルチエージェントシステムや人間の社会現象などにおいては,集団的知能が多数の自律的な主体による局所的な行動のネットワークから創発している.この集団的知能の創発メカニズムを解明することは,集団的知能の説明のみならず,大規模分散情報・通信システムの実現に対しても重要な知見をもたらすことが期待される.
このオーガナイズドセッションでは,マルチエージェントシステム,情報ネットワーク,ソーシャルネットワークなどの複雑ネットワークにおける創発現象やそのネットワークダイナミクス,および知能の創発を主なテーマとする研究発表を募集します.
なお,本セッションでの論文発表の後に総括の全体討論を予定しています.
キーワード
- 知能の創発
- 集団的知能
- 複雑ネットワーク
- エージェント
- ネットワークダイナミクス
OS-29 人と人工知能を繋げるHAI
※ 2015.12.10 プログラム委員長判断による採択
オーガナイザ
- 今井 倫太(慶應義塾大学)
- 片上 大輔(東京工芸大学)
- 寺田 和憲(岐阜大学)
内容
本セッションでは,人と人工知能システムがインタラクションする原理について議論する.人工知能が実装される先は,コンピュータや,ロボット,CGエージェント,部屋,建物,家電,車と幅広い。人工知能システムの実装形態を問わず、人とインタラクションする機械のエージェンシについて考える。人と人工物のやりとりを積極的に制御し,より良い関係の構築を工学的に実現する方法に関して議論を行うために,本セッションでは,関係性構築のための情報処理モデルや工学的設計原理に関する発表を広く募集する.
具体的には,社会的関係,社会規範,場・空気・雰囲気,会話,会話の活性,twitterやSNSなどのネットコミュニケーション,人間と人工知能のインタラクションデザイン,知的インタラクティブシステム,インタラクションにおける感情,エージェントメディエイテッドコミュニケーション,人ロボット・人エージェントインタラクション,VRによるコミュニケーション支援,エージェンシーに関するモデル化と制御方法の研究を募集する.
キーワード
- Human Agent Interaction
- 雰囲気工学
- 知能ロボット
- CGエージェント
- インタラクションの認知科学
OS-30 建築,都市環境のレジリエンスを支えるAI
※ 2015.12.10 プログラム委員長判断による採択
オーガナイザ
- 鈴木 琢也(竹中工務店)
- 荒井 幸代(千葉大学)
内容
建築分野への適用を目的とする人工知能技術
・照明や空気質など室内環境制御への適用
・構造解析高速化技術への適用
・構造設計最適化への適用
・ビル管理システムへの適用
キーワード
- 建築
- 都市環境
- 進化計算
- 事例ベース推論
- 機械学習