AIレクチャー

AIレクチャーの講演内容は以下の通りです.

AIレクチャー1:ツールボックス

  • タイトル:数値演算ソフトウェア GNU Octave Ver.3 による信号処理
  • 日時:2010年6月10日 14:45-16:05(80分)
  • 講演者:苣木 禎史(熊本大学)
  • 概要:
    本論文では,数値解析ソフトウェアである GNU Octave Ver.3 を紹介する.Ver.3 になり,さらにMATLABとの互換性が高くなった無償で利用できるソフトウェアである.インストールから利用の仕方について述べる.また,ツールボックスを用いて信号処理の具体的な例を示す.
  • URL:http://www.chisaki.biz/

AIレクチャー2:先端AI

稲見 昌彦
  • タイトル:透明なインタラクション
  • 日時:2010年6月10日 16:20-17:40(80分)
  • 講演者:稲見 昌彦(慶應義塾大学)
  • 概要:
    UIの観点から人と情報世界との関係を考えたとき,「ディスプレイ」と名付けられたデバイスが象徴するように,いかに情報を現前させるか,加算するかということが重視されてきた.制御には加減が必要であり,情報を減算するための研究も重要である.インタフェースそのものの存在を認知的に透明にすることで,人は自らの能力が拡張したかのような感覚を得ることができる.本講演では人のI/Oの拡張を目指したAugmented Humanの研究を紹介するとともに,透明人間インタラクション,透明ロボットについても触れる.

AIレクチャー3:研究会紹介(1)

山本 章博平田 耕一
  • タイトル:人工知能基本問題研究会の紹介
  • 日時:2010年6月11日 9:00-10:20(80分)
  • 講演者:
    • 山本 章博(京都大学大学院 情報学研究科)
    • 平田 耕一(九州工業大学大学院 情報工学研究院)
  • 概要:
    人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI)は, 学会と同時に設立された人工知能基礎論研究会(SIG-FAI)が2004年に改称した研究会であり,人工知能の基礎・基本に関わる理論的・哲学的・認知科学的な話題を軸にして活動を続けている.人工知能を取り巻く環境と学問内容の急激な変化・深化・多様化に伴い,人工知能の基礎・基本も変容しており,近年は,人工知能の基本であることを明確に主張いただければどのような分野の研究でも歓迎する,という方針を採っている.実際の研究発表は,推論や論理といった知識の表現や操作という人工知能の「内部」に関する発表に加えて,機械学習・知識発見などの人工知能の「内部」と「外界」の接点に関する発表が増えている.このような状況の中で,研究会が後援しているLLLLやALSIPといった記号的計算に基づく機械学習に関する国際会議や,本研究会で最も参加者が多いベイジアン・ネットワーク関連の特集の紹介も行う.

AIレクチャー4:研究会紹介(2)

松原 仁
  • タイトル:from toy "real problem" to real "real problem": 社会におけるAI研究会の挑戦
  • 日時:2010年6月11日 10:35-11:55(80分)
  • 講演者:松原 仁(公立はこだて未来大学)
  • 概要:
    「社会におけるAI研究会」は,社会の様々な問題に対し,AI分野の様々な知見を適用することで問題解決を図る事を目的として,2006年に人工知能学会第二種研究会として活動を開始している.AIは積み木の世界を離れて実世界を対象としようと言われて久しいが,実世界といってもAI技術がうまく適用できる単純な実世界を対象とすることが多かった.本研究会は複雑な実世界を対象とする研究を志向している.複雑な実問題に対してAI技術のみで対応できるなどということはありえない.AI技術以外のさまざまな要素を組み合わせることではじめて対応できるようになる.そのため従来はAIの成果を示すための対象として適当ではない(もっと端的に言えば論文が書きにくい)という理由で正面から社会的に重要な問題を取り上げることを避けてきたと思われる.このままではAIはいつまでも実問題に対応できない.本研究会では技術の一つとしてAI技術を含むような取り組みを積極的に取り上げていく.