オーガナイズドセッション

 採択されたオーガナイズドセッションは以下の24件です. 採択されたオーガナイズドセッションでは,発表の一般公募を行います. 発表申し込み時にご希望のオーガナイズドセッションを選択してください.

 なお,オーガナイズドセッションを希望された場合におきましても,申し込まれたオーガナイズドセッションの発表件数が多い場合,またはオーガナイズドセッションの主旨にそぐわない発表は,一般セッションにまわっていただくことがあります.

オーガナイズドセッション一覧

  • OS-1  オノマトペの利活用:「オノマトペ」という視点から現象を読み解く(小松孝徳,中村聡史)
  • OS-2  身体知の表現と獲得(古川康一)
  • OS-3  意味と理解のコンピューティング(小林一郎,麻生英樹,伊東幸宏)
  • OS-4  知的インタラクティブシステムのためのインタラクションデザイン(岡部正幸,山田誠二)
  • OS-5  脳科学とAI(山川宏,森川幸治)
  • OS-6  情報の保護と中立性に配慮したデータ分析(中川裕志,神嶌敏弘,佐久間淳,荒井ひろみ)
  • OS-7  ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング(小山聡,鹿島久嗣,櫻井祐子,松原繁夫)
  • OS-8  グリーンAI ~AIによる環境貢献~(柴田博仁,森幹彦,福井健一,松井孝典)
  • OS-9  SAT技術の理論,実装,応用(越村三幸,鍋島英知,宋剛秀)
  • OS-10  Linked Dataとオントロジー(長野伸一,山口高平,武田英明,乙守信行,細見格,古崎晃司)
  • OS-11  仕掛学(松村真宏,山根承子)
  • OS-12  知の身体性(諏訪正樹,跡見順子)
  • OS-13  交通・移動・物流とAI(栗原聡,服部宏充,和泉潔,川村秀憲,松井宏樹)
  • OS-14  ネットワークが創発する知能(石川孝,栗原聡,澤井秀文,風間一洋,鳥海不二夫)
  • OS-15  マッシブデータフロー~人と環境と人工システムが作り出す複雑さ~(池上高志,岡瑞起)
  • OS-16  金融情報学(寺野隆雄,松井藤五郎,和泉潔,鳥海不二夫,松井宏樹)
  • OS-17  知的対話システム(中野幹生,駒谷和範,東中竜一郎)
  • OS-18  エージェントの意味を拡張する:Human-Agent Interaction研究の新たな方向性(加納政芳,小林一樹,小松孝徳)
  • OS-19  記号創発ロボティクス(谷口忠大,岩橋直人,岡田浩之,長井隆行,稲邑哲也)
  • OS-20  「私」の境界と意味の現れへの構成論的アプローチ(飯塚博幸,宇野良子)
  • OS-21  ビッグデータとAI(岩爪道昭,岩瀬高博)
  • OS-22  雰囲気工学~ヒューマンコミュニケーション研究の発展に向けて~ (片上大輔, 湯浅将英)
  • OS-23  Affective Modeling in Learning Environments -学習・教育におけるコンピュータ支援の更なる深化を目指して-(松居辰則,長谷川忍,小島一晃)
  • OS-24  内部観測と推論(高橋達二,浦上大輔,太田宏之)

 

OS-1   オノマトペの利活用:「オノマトペ」という視点から現象を読み解く

オーガナイザ

 小松孝徳(信州大学)4月より所属変更予定
 中村聡史(京都大学)4月より所属変更予定

内容

 これまで本オーガナイズドセッション(以下,OS)では「オノマトペという非常に興味深い表現をどのように活用していくべきなのか」というテーマのもと,ユーザインタフェース,データベース,認知科学,音声情報処理,言語学など様々な分野の研究者の方々による活発な議論を行ってきました.そして,昨年度のセッションの結果,「オノマトペ研究における仮説,目的」「オノマトペ研究の方向性」「研究の具体例」などをリストアップすることができました.そこで本年は,昨年度のOSと同様のスタイルを踏襲しながらも,さらなるオノマトペ研究の促進を目的とした「問題提起型」のOSを開催します.

 まず本OSでの発表者には,以下の二点を宣言した上で研究発表を行っていただき,自らの研究スタンスを明確にすることを求めます.

その1・このリストの内容とご自身との発表の関連を宣言してください.
  例1.この研究は仮説「◎◎」に対してアプローチしたものです!
  例2.この研究は新たな方向性である「◎◎」とは逆の方向に進むものです!
その2・今後どのような研究者とのコラボを望んでいるのか.その際に,「自分はこのような研究をしたいのだけども,こういう技術・知識・理論を持っている方,助けてください!」というアピールも大歓迎します.

そして,本セッションでの発表においては,結果をアピールすることと同時に,このコミュニティに対して積極的に問題提起することを心がけてください.そこで,最後のスライドで,ご発表の結論および,そこから導き?だされる問題提起を提示してください.

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-2   身体知の表現と獲得

オーガナイザ

 古川康一(嘉悦大学)

内容

 楽器の演奏やスポーツなど、人間が長年の修練を経て獲得する技には知的な要素が含まれていると考えられるが、それがどのような種類の知能の顕れなのか、またいかにして獲得されるのかは明らかではない。技は個人が独力で獲得する方法もあるが、一般には教師の助言と指導のもとに研鑽を積んで身につけていくことが多い。技の内容は言葉で表現しにくいため、教師から生徒に伝わりにくい。言語以外の手段(たとえばグラフなど)の併用は技の伝達に寄与すると予想されるが、その方法と効果については未知である。本セッションは、技の習得を可能にしている知的なものを身体知と捉え、それがどのように表現されるのか、またいかに伝えられるのかを議論する。

テーマ例

?(a)動作計測による身体知の理解
?(b)身体知習得モデル
?(c)身体知言語化の方法論
?(d)データ分析による習得支援
?(e)コーチング方法論
?(f)道具や練習環境デザインの実践および方法論

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-3   意味と理解のコンピューティング

オーガナイザ

 小林一郎(お茶の水女子大学)
 麻生英樹(産業技術総合研究所)
 伊東幸宏(静岡大学)

内容

 計算機の処理能力が上がり、大量のデータを簡単に扱える時代になった。それにともない、データの統計的処理の観点から、その意味をとらえる研究が多くなっている。一方、以前のような意味に対する深い取り扱いへの試みが希薄なっているように感じている。しかし、システムを真に知的にするためには、人が行うような意味の理解のメカニズムが必要であり、必要な技術は振り子のように回帰してくると考える。本オーガナイズドセッションは、そのような背景を踏まえ、過去に研究されていたような意味や理解をとらえる取り組みや姿勢を大切にしながらも新しい技術を開発することを目指す研究の議論の場として開催する。

テーマ例

? ? ? ?o 意味表現手法
? ? ? ?o 意味構造解析
? ? ? ?o 意味解釈処理
? ? ? ? ? ? ?+ 同義表現の解釈、言い換え
? ? ? ? ? ? ?+ 文章の文脈・状況依存な理解
? ? ? ? ? ? ?+ 文章の要約
? ? ? ? ? ? ?+ 対話処理

?? ? ? o 意味表現に基づく知識表現と推論

?? ? ? o 意味の理解にもとづく知的情報処理

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-4   知的インタラクティブシステムのためのインタラクションデザイン

オーガナイザ

 岡部正幸(豊橋技術科学大学)
 山田誠二(国立情報学研究所/総合研究大学院大学/東京工業大学)

内容

 自律的な人工知能の限界を克服する一つのアプローチとして,人間と知能システムがインタラクションを持ちながら協調的に問題を解決する枠組みである知的インタラクティブシステム (IIS: Intelligent InteractiveSystems) が重要である.IISの構築には,特に人間と知能システムのインタラクションをいかに設計するかが課題となる.

 本オーガナイズドセッションでは,データマイニング,機械学習,情報検索などにおいて,特に人間とシステムとのインタラクションを意識したアルゴリズム,ユーザインタフェース,ユーザモデルなどの設計についての研究発表を集め,議論を行う.

テーマ例

 トピックとして,「IISのためのUI/GUI」,「人間が理解しやすい機械学習/データマイニング」,「人間の能力を引き出すインタラクションデザイン」,「協調タスクのインタラクションデザイン」などがある.

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-5   脳科学とAI

オーガナイザ

 山川 宏(株式会社富士通研究所)
 森川 幸治(パナソニック株式会社)

内容

  近年の脳科学分野は脳機能イメージング,信号処理技術等を活用することでブレインマシンインタフェース,リハビリテーション,神経経済学などの応用分野が見え始めています.一方で,神経科学の知見が爆発的に増加し,従来からの脳型の情報処理技術やDeep Learning, 圧縮センシング認知アーキテクチャ,計算知能などの研究の新たな進展も期待されています.このようにAI分野においても脳科学との接点がますます拡大してゆくと考えられます.本オーガナイズドセッションは,3回目の企画であり,「脳科学とAI」に関する多岐にわたる境界分野の研究発表を募集いたします.関連研究者の発表と,それに基づく活発な議論の場を提供したいと考えています.

 なお招待講演には,産総研の一杉裕志先生をお迎えし,新皮質の計算モデルやDeep Learningとの関係などについてお話頂く予定です.

テーマ例

 脳計測データの分析,信号処理
 ニューラルコンピューティング(Deep Learning/圧縮センシング等)
 脳情報の符号化/復号化(エンコーディング/デコーディング)
 ブレインマシンインタフェース
 脳活動を利用したユーザインタフェースとその評価
 専門能力/スキルの脳科学的理解
 脳活動評価と医療応用
 ニューロ・リハビリテーション
 脳科学の教育応用
 ソーシャルインタラクションにおける脳活動
 神経経済学,ニューロマーケティング
 システム神経科学
 脳型計算知能,認知アーキテクチャ,脳の計算モデル
 ニューロインフォマティクス(オントロジ/データマイニング/モデリング等)
 脳活動を利用した感性情報処理
 認知発達ロボティクス
 上記以外の脳科学とAIに関わるご研究

発表形式

 -口頭発表のみ
 -口頭発表とインタラクティブ発表の両方

 

OS-6   情報の保護と中立性に配慮したデータ分析

オーガナイザ

 中川裕志(東京大学)
 神嶌敏弘(産業技術総合研究所)
 佐久間淳(筑波大学)
 荒井ひろみ(理化学研究所)

内容

 データマイニング、情報推薦、情報検索など種々のIT技術がサービス化し、多くの利用者が使っている現在、ITサービスの社会性への配慮が重視されつつあります。例えば、データマイニングにおける個人情報ないしプライバシー情報一般の保護、情報推薦システムにおける推薦の公正性、中立性の確保、情報検索における質問者のプライバシーである検索質問の秘匿、地図や動画サイトにおける映像情報から個人を特定できないようなぼかし処理など、ITサービスが社会的に受け入れられるための配慮すべき点は枚挙のいとまがありません。この社会性配慮のためには原データないし結果データに何からの摂動処理、例えば差分プライバシーに見られる結果への雑音加算が有力ですが、その一方で得られた結果の正確さも維持しなければなりません。このような問題意識の下、このオーガナイズドセッションでは、情報の保護と中立性に配慮したITサービスを実現するためのデータ分析、制御、マイニング、ないしデータ公開における重要なテーマ毎に招待講演と少数の一般講演、討論を組み合わせた議論の場を作り、将来の方向性を議論します。

テーマ例

 プライバシー保護データマイニングの基礎?
 差分プライバシーの基礎?
 情報推薦における順位付けの公正性、中立性の確保技術?
 画像など各種メディア情報におけるプライバシー部分の曖昧化、秘匿化?
 データ公開における曖昧化、匿名化などによるプライバシー保護?
 ロケーションを対象にするプライバシー保護データマイニング

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-7   ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング

オーガナイザ

 小山聡(北海道大学)
 鹿島久嗣(東京大学)
 櫻井祐子(九州大学)
 松原繁夫(京都大学)

内容

 ヒューマンコンピュテーションとは、計算機だけでは現実的な性能を得ることが難しく、人間の認識や判断等を必要とするような課題において、人間を「計算資源」の一部として捉えることによって、両者を組み合せてこれを解決するという考え方である。計算資源としての人間の労働力へのアクセス手段であるAmazon Mechanical Turk等のクラウドソーシングの隆盛とも相まって、ヒューマンコンピュテーションは人工知能分野のおける大きなトレンドのひとつとして注目を集めている。

 例えば、AAAI-2012においてHenry Kautz会長がAI分野における4大トレンドのひとつとしてヒューマンコンピュテーションを挙げたことは記憶に新しい。また、ヒューマンコンピュテーションの提唱者であるLuis von Ahn氏を中心に、過去4年にわたって開催されてきたワークショップHCOMPは、来年度からは国際会議に格上げされることが決まっており、急速に拡大している研究分野のひとつである。

 しかし、その世界的な盛り上がりとは裏腹に、日本国内におけるプレーヤーはまだ少ない。本オーガナイズドセッションでは、我が国におけるヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシングに関連する研究者とこの分野に興味を持つ研究者が一同に会することとによって、国内における本分野への理解と一層の推進を図るものである。

テーマ例

 ・ヒューマンコンピュテーション/クラウドソーシング(HC/CS)のプラットフォーム
 ・HC/CSのメカニズムデザイン
 ・HC/CSにおけるタスク設計/ワークフロー設計
 ・HC/CSと機械学習/データマイニング
 ・HC/CSとヒューマン・コンピュータ・インタラクション
 ・HC/CSと言語/メディア処理
 ・HC/CSとビッグデータ
 ・HC/CSとサイバーフィジカルシステム
 ・HC/CSと社会科学/認知科学
 ・ゲーミフィケーション/目的を持ったゲーム(GWAP)
 ・ソーシャルコンピューティング/コレクティブインテリジェンス(集合知)

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-8   グリーンAI ~AIによる環境貢献~

オーガナイザ

 柴田 博仁 (富士ゼロックス株式会社)
 森 幹彦 (京都大学)?
 福井 健一 (大阪大学)
 松井 孝典 (大阪大学)

内容

  環境のサステイナビリティ・デザインは人類が取り組むべき最重要戦略的課題のひとつです。そのなかで、AIが果たすべき役割、果たしうる貢献は極めて大きなものです。省電力化、電力の最適配分、資源の循環利用、環境汚染や自然環境のモニタリング、オフィススペースの有効利用、業務の効率化、遠隔会議や遠隔教育、在宅勤務の支援など、AIの技術を活かせる領域はさまざまです。

?世界的にも「AIによる環境貢献」は注目される流れにあります。AAAIでは Computational Sustainability and Artificial Intelligence (CompSust) と題するスペシャルトラックが開催されています。また、来年のIJCAI (IJCAI-13) のメインテーマは “AI and computational sustainability” です。

?人工知能学会でも一昨年から環境貢献のセッションを行い、これまでさまざまな分野の研究者が集い、意見交換を行ってきました。「AI×環境」の研究領域の活性化を期待し、今年も「グリーンAI」を開催します。環境の専門家のみならず、自身の研究の応用として、あるいはこれから始める研究の候補として環境貢献を考えている人の参加も期待します。環境問題に対してAI領域からどのような貢献が可能なのか、また環境問題に対してAIはどのような貢献を目指すべきなのかについて、ニーズとシーズの両面から分野横断的に自由で活発な議論の場にしていきたいと思います。

テーマ例

 ○ 省エネルギー・省資源技術省エネルギー化、エネルギーの最適配分 (スマートグリッド)、資源やエネルギーのリサイクル
  代替レアアース発見
 ○ 遠隔支援システム
  在宅勤務、遠隔会議、遠隔教育
 ○ 就業環境の改善
  オフィススペースの有効利用、業務の効率化
 ○ 環境に関する解析、予測、シミュレーション
  災害予測、緑地の最適配置、エネルギー需要のシミュレーション、交通シミュレーション
 ○ 環境に関する基礎的問題 (LCAの算出など)
 ○ 生物多様性の維持
 ○ 環境汚染 (大気汚染、水質汚濁、土壌汚染) への対応
 ○ その他の環境貢献を主題または副題にしたAI関連研究全般

発表形式

 -口頭発表のみ
 -口頭発表とインタラクティブ発表の両方

 

OS-9   SAT技術の理論,実装,応用

オーガナイザ

 越村 三幸(九州大学)
 鍋島 英知(山梨大学)
 宋 剛秀(神戸大学)

内容

 CNF論理式の充足可能性を判定する充足可能性判定問題(SAT)は,1960年代から現在に至るまで計算機科学における中心的課題であり,約半世紀に渡って膨大な量の研究が蓄積されてきた.特に,ここ10数年でSATソルバーの性能が飛躍的に向上し,システム検証,プランニングやスケジューリング,定理証明,組合せ最適化など様々な応用領域における推論の基盤技術としてSAT技術は注目を集めている.本オーガナイズドセッションでは,「SAT技術の理論,実装,応用」をテーマとして,最新のSAT技術はもちろん,MaxSAT,Pseudo Boolean,モデル列挙,SMT,並列分散SAT等の次世代SAT技術,および,SATに関連の深い制約充足問題(CSP)や BDD, ZDD, 解集合プログラミング(ASP)等の技術について研究発表および討論を行う.

テーマ例

 ・SATソルバーの高速化
 ・SAT符号化
 ・SATの応用
 ・次世代SAT技術
 ・制約充足
 ・BDD, ZDD
 ・解集合プログラミング等

発表形式

  口頭発表とインタラクティブ発表のどちらでも良い

 

OS-10   Linked Dataとオントロジー

オーガナイザ

 長野 伸一((株)東芝)
 山口 高平(慶應義塾大学)
 武田 英明(国立情報学研究所)
 乙守 信行((株)MetaMoJi)
 細見 格(日本電気(株))
 古崎 晃司(大阪大学)

内容

 欧米を中心に,Linked Dataと呼ばれる次世代Webの取り組みが進められている.Web上に情報を公開して皆でつなぎ,共有するボトムアップな運動とも相まって,世界規模のデータのWebが形成され,社会における情報の価値を高めつつある.日本においても,学術情報,生命科学,オープンガバメント分野を中心に,Linked Dataの形式で情報を公開する取り組みが進められており,Linked Dataを活用した価値あるアイデアやサービスの創出への期待が高まっている.

 本オーガナイズドセッションは,この新しいWebやそこから生み出される新しいサービスに関心のある研究者,日本からの情報発信の志のある研究者の議論の場として開催する.データの公開や活用などのLinked Data自体を対象とした研究に限定せず,オントロジー研究との融合,社会での情報共有の活性化に向けた課題解決など,幅広く議論する.

発表形式

 -口頭発表のみ
 -口頭発表とインタラクティブ発表の両方

 

OS-11   仕掛学

オーガナイザ

 松村真宏(大阪大学)
 山根承子(近畿大学)

内容

 ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトをもたらすことがある。「仕掛学」では、そのような社会現象、具体的には人の意識や行動を変えるための「仕掛け」とその「効果」を体系的に明らかにすることを目指す研究テーマである。

 本セッションでは、仕掛けに関連する研究成果や事例を共有し、参加者全員で仕掛学について議論を深める場にしたいと考えている。

発表形式

 口頭発表のみ

 

 

OS-12   知の身体性

オーガナイザ

 諏訪正樹(慶應義塾大学)
 跡見順子(東京大学)

内容

 人工知能の世界で「身体性」の重要性が叫ばれて20年余になる。身体が存在し,周りの世界や物理的環境と相互作用するが故に,そこに「生きている知」が発生するというのが「知の身体性」である.現在の人工知能研究が知のそういう側面を探究しているかと問うと,かなり心許ないと言わざるを得ない.客観性、普遍性、論理性がなければ「研究」とはいえないという思想もその一因かもしれない.

テーマ例

 知の探求を念頭に置いて「身体/からだをどう捉えるか」には様々なレベルが存在する。
その一例を列挙すると、
 ・細胞の住処としての身体
 ・細胞の集合体としての身体
 ・言語で意識する存在としての身体
 ・科学的に計測するものとしての身体
 ・科学的に計測する運動体としての身体
 ・生理学的反応と感覚と運動を統合する全体性としての身体
 ・動作原理の集合体として身体
 ・意識的および運動的スキルの体現場としての身体
 ・元気や健康が宿る場としての身体
 ・感覚と思考の上に成り立つ感性の在処としての身体
 ・コミュニケーションが成り立つ場としての身体
などが挙げられる。
 
 本セッションでは、上記の様々なレベルや観点から身体/からだを観る研究発表を募集し、身体性に関わる様々なResearch issueを議論したい.
Research issueの例としては
 ・モノとしての身体とコトとしての知の関係
 ・ことばとからだの関係
 ・個と社会のインタラクション
 ・状況依存性
 ・内部観測と外部観測
 ・客観性と主観性
 ・要素還元と全体性
 ・「わたし」性の源
などである

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-13   交通・移動・物流とAI

オーガナイザ

 栗原 聡(大阪大学)
 服部宏充(京都大学)
 和泉 潔(東京大学)
 川村秀憲(北海道大学)
 松井宏樹(株式会社 CMDラボ)

内容

 5年前に企画しましたOS「次世代知的交通システムにおけるAI」を初回として,翌年から「交通・移動・流れとAI」と名称を変え,これまで毎年開催されております.

 世界的に経済,環境,エネルギー分野の問題が顕在化しており,さらに我が国は少子高齢化社会の本格的な到来を迎えつつあります.今後,様々な社会要素を考慮した効率化技術が求められる状況が予想され,これはまさに本OSが取り組むべき問題領域であると考えます.社会における人・モノ・情報の流れを効率化・高度化し,かつ社会を活性化するための技術について広く研究者のアイデアを集め,議論する場として,多くの発表並びに聴講参加者との活発な議論を行います.

 なお,本OSのテーマは広く産学において重要かつ興味を引くものであるとの認識から,大会以外での活動も意識し,一昨年より本学会「データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会」主催の企画となっています.

テーマ例

 交通制御,ナビゲーション,信号制御,ロジスティクス,倉庫管理,物流,渋滞,スマートグリッド,テーマパーク問題,など

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-14   ネットワークが創発する知能

オーガナイザ

 石川 孝(日本工業大学)
 栗原 聡(大阪大学)
 澤井 秀文(情報通信研究機構)
 風間 一洋(和歌山大学)
 鳥海 不二夫(東京大学)

内容

 マルチエージェントシステムや人間の社会現象などにおいては,集団的知能が多数の自律的な主体による局所的な行動のネットワークから創発している.この集団的知能の創発メカニズムを解明することは,集団的知能の説明のみならず,大規模分散情報・通信システムの実現に対しても重要な知見をもたらすことが期待される.

テーマ例

 このオーガナイズドセッションでは,マルチエージェントシステム,情報ネットワーク,ソーシャルネットワークなどの複雑ネットワークにおける創発現象やそのネットワークダイナミクス,および知能の創発を主なテーマとする研究発表を募集します.

発表形式

 -口頭発表のみ
 -口頭発表とインタラクティブ発表の両方

 

OS-15   マッシブデータフロー~人と環境と人工システムが作り出す複雑さ~

オーガナイザ

 池上高志(東京大学)
 岡瑞起(東京大学)

内容

 環境・人工システム、そして人間は、それぞれに異なる複雑さを有している。この3つの間にみられる関係性を注意深く議論し、昨今の膨大なデータと計算速度が可能にしている、「生きていること」を理解するための新しいタイプの複雑さや、ダイナミクスをみようというのが本セッションの目的である。特に、人が介することでみえてくるマッシブなデータフロー(MDF)をベースに、自律性や意識・記憶・学習などを議論したい。

  オーガナイザーである池上・岡は、2011年のオーガナイズドセッションにおいて、MDFの生成と解析という視点から問題提起を行い、2012年にはウェブシステムやNLPなどの具体例をもとに、MDF的世界観がみえてくるテーマで議論した。本年は、新たな具体例をベースに議論を行いたい。

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-16   金融情報学

オーガナイザ

 寺野隆雄(東京工業大学)
 松井藤五郎(中部大学)
 和泉潔(東京大学)
 鳥海不二夫(東京大学)
 松井宏樹(シーエムディーラボ)

内容

 サブプライム問題に端を発する世界金融危機などの影響から、金融市場への関心が高まっています。このような社会的状況の中で、人工知能分野の手法や技術を金融市場における様々な場面に応用することが大いに期待されています。

 本セッションでは、膨大な金融情報を分析し投資判断の支援をする技術や、市場の特性を理解し適切な市場制度を設計する技術、さらに市場メカニズムを金融市場以外の社会現象に応用する技術など金融市場に関わる基礎から応用までの幅広い研究課題全てを対象とし、金融市場に対する人工知能を中心とした情報技術の利用を拡大することを目的とした発表と議論を行います。

 本セッションは,「ファイナンスにおける人工知能応用」という名称で過去5年間開催しました.対象領域の拡大と発展に伴い,今年から名称を「金融情報学」に変更しました.

発表形式

 -口頭発表のみ
 -口頭発表とインタラクティブ発表の両方

 

OS-17   知的対話システム

オーガナイザ

 中野 幹生(HRI-JP)
 駒谷 和範(名古屋大学)
 東中 竜一郎(NTT)

内容

 近年AppleのSIRIやNTTドコモのしゃべってコンシェルなど,スマートフォン上の音声対話システムが実際に使われるようになってきた.これらのシステムの根底にあるのは,言語を用いて人間とインタラクョンするための対話システム技術である.対話システムは,音声対話システム以外にも,テキスト対話システム,対話エージェントや対話ロボットを含むマルチモーダル対話システムなど,様々なタイプのものがあるが,その根底にあるメカニズムは共通であり,多くの研究課題が共有されている.例えば,意図理解,情報グラウンディングのプロセス,発話プランニング,ユーザモデリング,対話コンテンツ構築支援,対話知識の自動獲得などがどのような形態の対話システムでも重要な研究課題として挙げられる.

 しかしながら,従来対話システム研究は,様々な要素技術を統合した学際的な研究分野であるがために,音声処理,言語処理,人工知能,ヒューマンコンピュータインタラクション,ロボティクスなど,様々な学会に分散して発表が行われてきており,研究者間の情報交換が難しい状況であった.そこで,一昨年より,対話システム研究者を一同に集めて議論を行うべく,本オーガナイズドセッションを開催している.本年も,本オーガナイズドセッションを開催し,対話システム研究の一層の発展のため,最先端の対話システムに関する研究発表,及び今後の対話システム研究分野のあり方について討論を行う.

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-18   エージェントの意味を拡張する:Human-Agent Interaction研究の新たな方向性

オーガナイザ

 加納政芳(中京大学)
 小林一樹(信州大学)
 小松孝徳(信州大学)

内容

  HAI(Human-Agent Interaction)とは,工学,認知科学,心理学,社会科学など様々な観点から人間とエージェント(ロボットや擬人化エージェントなど)間のインタラクションをデザインし,問題解決へアプローチする研究分野である.特にエージェントとして想定されている人工物には自律性や生物的な存在感を有している場合が多い.しかし,スマートフォンやタブレット端末に代表される,近年の爆発的な高機能携帯情報端末の普及に目を向けたとき,そのような端末をエージェントとみなしHAIに関する一連の研究成果を適用することも可能なはずである.そこで本セッションでは,例年通りのHAIに関する研究の発表募集に加えて,エージェントの範囲を敢えて時流に合わせて拡大し,これまでの知見や成果を整理するとともに,高機能携帯情報端末の普及で活性化しているWebインタラクション,ソーシャルネットワーク,Linked Data,ビッグデータなどの分野との融合を模索するようなディスカッションを企画し,HAI研究分野の裾野を広げ活性化することを目的とする.

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-19   記号創発ロボティクス

オーガナイザ

 谷口忠大(立命館大学)
 岩橋直人(?(独) 情報通信研究機構)
 岡田浩之(玉川大学)
 長井隆行(電気通信大学)
 稲邑哲也(国立情報学研究所/総合研究大学院大学)

内容

 人工知能の研究は常に言語と身体の間を行ったり来たりしてきたように思う.そんな中,近年の計算資源の爆発的増加,統計的機械学習理論の発展,WEBの急速な広がりによる様々な資源の増大により,言語と身体を同時に扱うための研究環境は大いに変化してきた.

 知能ロボティクス,音声言語処理、画像処理技術を含むマルチモーダルインタラクション研究の発展に伴い,ロボットが人間と共生することを目標とする研究は精力的に推進されつつあり,その成果は現実味を帯び出している.実生活環境で動作するロボットの学術的競技大会であるロボカップ@ホームリーグ世界大会が毎年開催されているが,競技を通じて,身近な場面でのパーソナルロボットと人間による実世界の事物を対象にしたコミュニケーションの可能性が開かれるとともに,その重要性が明確になってきている.

 しかしながら,言語を自律的に獲得しマルチモーダルな情報と関連づけながらそれを用いるといった研究は少なかった.

 言語の獲得のためには,行動の自律的獲得も重要であり,また,身体に基づいた実世界のセンシングから,環境を認識すること,概念を獲得すること,計画を生成することなども重要である.これら全てはつながってボトムアップに獲得される必要がある.これらの問題は,ロボットが人間や環境との相互作用を通して,コミュニケーションに必要な知識や実世界での行動に必要な知識を発見・理解・学習・運用する過程の研究として,統一的に捉えることができるだろう.人間と真なるコミュニケーションを実現する知能ロボットは,自らのセンサ・モータ系を用いた身体的相互作用に基づく学習を経て行動や記号的概念を獲得し,言語獲得を行い,人間と共に協調的に実世界のタスクを実現していく事がもとめられる.

 記号創発ロボティクスでは,ボトムアップに言語獲得や行動獲得,動作獲得,計画生成を行なう知能を機械学習装置やロボット,エージェントとして創りだすことにより,人間の言語的コミュニケーションについての構成的理解も深めていくことが目指される.

 本セッションでは,この新しい研究領域 ―記号創発ロボティクス― に係る基礎から実用化研究に携わる研究者が一同に会し,近未来の課題と解決への取組みを討議する.

テーマ例

 トピック例: 記号創発,シンボルグラウンディング,ヒューマン・ロボット・インタラクション,マルチモーダル対話,概念学習,物体操作学習,語意学習,言語獲得,対話戦略・対話調整とスキルの学習,言語発達,言語進化,動作の言語化,動作の分節化,タスク遂行とスキルの学習,環境の分節化,一般物体認識・学習、実世界理解,文章生成,自己位置学習,強化学習,模倣学習,音声認識,映像情報処理,自然言語処理,実世界情報処理,記号論

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-20   「私」の境界と意味の現れへの構成論的アプローチ

オーガナイザ

 飯塚 博幸(大阪大学)
 宇野 良子(東京農工大学)

内容

 人と人の相互作用は,無機質ではなく,意味付けられ豊かなものとなることは改めて指摘するまでもない.しかし,これまでの多くの研究は,相互作用と意味を一体として見て実データを分析する立場か,相互作用の結果として生じている意味を相互作用から切り離した孤立した系として理解しモデルを構成しようとする立場か,両極に分かれがちだった.近年は,二つの立場をつなぐ新たな流れとして,身体性認知科学や実験記号論などの方法論が注目されている.これらの研究は,まず,人同士・ロボット同士の相互作用を通じて複雑で抽象的な意味が現れるような実験を行い,そして,その意味の成立過程や低次の相互作用と高次の意味の関係を探るという構成論的なアプローチである.本セッションは,特に自己・他者の境界と意味付けの問題に焦点を当てつつ,このような立場からの相互作用の理論化を目標に,幅広い分野から発表を募集し,議論を行う.

テーマ例

 ・自己・他者の認識に関わる認知実験
 ・実験記号論のアプローチによる人工言語・コミュニケーションの研究
 ・文法の身体的基盤に関する認知言語学的分析
 ・進化言語学的観点による計算機シミュレーション
 ・相互作用のメカニズムに関しての神経科学的研究

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-21   ビッグデータとAI

オーガナイザ

 岩爪道昭(独立行政法人 情報通信研究機構)?
 岩瀬高博(株式会社 神戸デジタル・ラボ/独立行政法人 情報通信研究機構)

内容

 近年、ライフログ、ソーシャルネットワークサービスやInternet of thingsと呼ばれるセンサー、電子タグ等と接続したネットワークから非定型かつ大量のデータがリアルタイムに生成されるようになってきた。このようなデータは、数億~数百億エントリー、ペタバイト級のデータ量を持ち「ビッグデータ」と呼ばれ、その蓄積、解析、活用により、新しいビジネスサービスやイノベーション創出のためのフロンティアとして関心、期待が高まっている。

 一方、Hadoopに代表される大規模分散処理フレームワーク、大規模分散データストア等、膨大なデータをスケーラブルに取り扱うための基盤技術の進展により、大規データ処理に基づく新しいAIシステムの研究開発、応用システムの実現も視野に入ってきた。

 このような現況を踏まえて、本セッションでは、以下の3つの観点で基礎から応用事例まで幅広く研究発表を募集する。

 1.ビッグデータを取り扱う基盤技術?
  例:分散ファイルシステム/ストレージ、分散処理フレームワーク、大規模ストリームデータ処理等?
 2.ビッグデータに基づくAI技術?
  例:ストリームデータマイニング、大規模Web情報分析、サイバーフィジカルシステム関連技術等?
 3.ビッグデータを活用したサービス、イノベーション?
  例:大量データを対象にしたサービスコンピューティング、実システムの運用技術、実ビジネスへの適用事例、ビッグデータ活用戦略および制度的課題等

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-22   雰囲気工学 ~ヒューマンコミュニケーション研究の発展に向けて~

オーガナイザ

 片上大輔(東京工芸大学)
 湯浅将英(東京電機大学)

内容

  本OSでは,多人数の会話場における雰囲気を分析することや,複数の会話エージェントや会話ロボットによる人工的な言語,非言語情報が作り出す会話場の雰囲気の分析,さらには,WEBのメディアにおける複数の人の言語活動(ツイッターやSNS)から推測されるネット上の雰囲気の分析から,複数人が創り出す「雰囲気」を構成する工学的モデルを探ることを目指す.

 さらに,ルールやモデルに基づいた新たな対話エージェントインタフェースや新しいネットワークコミュニケーションシステムの設計論を確立すること,およびその設計論に基づいた新たな対話システム,対話インタフェースを開発することが狙いである.人が集まるところ,人がコミュニケーションするところでは,人同士はお互いに,その場にあたかも存在しているような「雰囲気」を感じる.人同士は複数の人が発する言葉,表情,視線,うなずき等から雰囲気を感じ取り,それをお互いに共有し,次に起こり得る雰囲気を意識的,無意識的に予測しながら対話コミュニケーションを進めていると考えらえる.雰囲気を感じ取ること無いまま,人はコミュニケーションをすることはできず,人のコミュニケーションの基盤,暗黙的ルールの発見や解明につながる.

 本OSでは,「複数人の雰囲気」の工学的なモデルを作成することを試みる.そのアプローチとして,これまでに試みが少なかった抽象エージェントによるプロトタイピング手法(ボトムアップ手法)や,エスノグラフィーのような観察手法(トップダウン手法)など手法による研究発表を期待する.

テーマ例

 雰囲気工学OSでは,以下のようなテーマが関連していますが,これに限るものではなく,広く募集いたします.?
 ・人やエージェント,ロボットの言語,非言語から発せられる雰囲気(ムード)の研究?
 ・複数人,集団となったときの創発的な雰囲気生成の仕組みの解明
 ・異文化コミュニケーション?
 ・集団における社会的ルール
 ・文化心理学 ーティング、実システムの運用技術、実ビジネスへの適用事例、ビッグデータ活用戦略および制度的課題等

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-23   Affective Modeling in Learning Environments?-学習・教育におけるコンピュータ支援の更なる深化を目指して-

オーガナイザ

 松居辰則(早稲田大学)
 長谷川忍(北陸先端科学技術大学院大学)
 小島一晃(早稲田大学)

内容

 学習・教育におけるコンピュータ支援の更なる深化を目指して,本セッションを企画する.昨年のオーガナイズドセッション「Affective Computing for Learning」に引き続き,特に,先進的な学習環境を実現するためのComputingのみならず,Modelingに関する理論・技術・システム開発・実践に関する研究を歓迎する.具体的には次のようなテーマが想定される.

テーマ例

 □先進的な学習環境構築のための学習者モデル・教授モデル・システム開発・実証実験
 □センサー・計測機器を用いた学習者の行動情報による評価方法や心理状態の推定手法・推定モデル(メンタリング,Affective Learning)?
 □学習者の心理状態推定のための知識記述・管理手法(オントロジー)?
 □メタ認知モデルに基づいた教材開発や実践,新しい評価方法?
 □Game-based Learning Environmentsへの新たなるアプローチ など

発表形式

 口頭発表のみ

 

OS-24   内部観測と推論

オーガナイザ

 高橋 達二(東京電機大学)
 浦上 大輔(東京工科大学)
 太田 宏之(防衛医科大学校)

内容

 ・内部観測は元来、ある種の生命科学基礎論として構想されましたが、無際限かつ未知の世界を見渡す事の出来ない状況下におけるエージェントの推論と行動の原理を与えます。未知の状況において速やかかつ正確な意思決定を行う必要のあるエージェントは、知るべき環境の構造と、それを具体化した刺激、典型的には疎な報酬の系列とを、自己言及的に(論理的な階層をまたいで)混同せざるを得ません。このような混同は統計学的推論における母集団とサンプルの混同を意味し、非規範的ですが、しかしこの混同こそが、多くの重要な状況において様々なトレードオフやジレンマを弱め、解消することが分かってきました。具体的な事例としては、すでに因果推論、意思決定、強化学習、幼児の語彙学習(速さvs.正確さ)、ニューラルネットワーク(汎化vs.追加学習)、セルオートマトン(万能性vs.速度)などがあります。また、対称性推論の観点からアブダクションの形式化も進んでいます。

 ・このような観点から、内部観測的な論点と関わりのある、あるいは今後関わりを持つと思われる内容を扱う研究発表を募集します。

 ・内部観測の定義や哲学的議論の研究発表も歓迎しますが、その場合、科学や工学にとっての有用性についての議論の展開をお願いします。

テーマ例

 ? 形式的・規範的な区別の混同や弱体化による、学習や意思決定におけるトレードオフやジレンマの乗り越え
 ? 強化学習における価値関数と方策(ポリシー)の相互作用・混同
 ? 相対評価の機能とメカニズム(シナプス結合の重み保存、価値関数の相対性)
 ? ベイズ統計学における事例と分布の混同の意味
 ? 世界の無際限さを考慮した、広い意味での推論の研究
 ? フレーム問題や自己言及にさらされる推論・判断・意思決定・学習の形式化と実験
 ? 推論、判断、意思決定における混同とその効用
 ? 対称性推論、対称性バイアスを軸とした、アブダクションを含む推論の研究

発表形式

 口頭発表とインタラクティブ発表のどちらでも良い

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