産業界における人工知能技術の具体的な応用事例・技術やニーズ等が紹介されます。今大会の賛助会員スポンサー様からのご発表になります(製品や企業の宣伝ではなく、技術・事例・ニーズ等の紹介)。
インダストリアルセッション一覧
インダストリアルセッション1
5月23日(火) 13:50~15:30 ウインクあいち 902会議室(C会場)
インダストリアルセッション2
5月24日(水) 9:30~11:10 ウインクあいち 902会議室(C会場)
インダストリアルセッション3
5月25日(木) 15:50~17:30 ウインクあいち1001会議室(J会場)
インダストリアルセッション1
5月23日(火) 13:50~15:30
ウインクあいち 902会議室(C会場)
(1)「人工知能を用いた製造業向け異常検知と開発ツールの紹介」
鈴木 克信
((株)クロスコンパス・インテリジェンス 産業ビジネス推進室)
ディープラーニングを活用した異常検知用の人工知能により、異常の検出率は格段に向上した。これにより製造業における品質改善と、これまで人により判別していた時間は短縮され、装置の異常やプロセスの変動も事前に検出することが可能になって来た。一方で、製造業では熟練技術者の減少と労働人口の減少が深刻な課題になってきている。本日紹介する人工知能開発環境はこれらの課題を解決し、熟練者の技術継承を支援し、且つ今後の多種多様な製品のニーズにも対応できる一つの人工知能ソリューションである。
(2)「機械学習/深層学習フレームワーク「∞ReNom」による製造、インフラ、エネルギー問題へのAI適応事例」
蝦名 拓也
(株式会社グリッド エバンジェリスト)
機械学習や深層学習により作られる人工知能の真価は、エネルギー問題や、製造現場、社会インフラなどの問題解決に用いられた時に初めて発揮されます。エネルギーソリューションとAIテクノロジーの異なる事業展開から得られた、幅広いノウハウを基にしたAI/IoT適応事例をはじめ、AI導入のポイントや最新のトレンドをわかりやすく解説します。
(3)「(株)富士通研究所のディープラーニングとLinked Open Data」
丸山 文宏
((株)富士通研究所 人工知能研究所)
富士通研究所で研究開発しているディープラーニング(DL)とLinked Open Data(LOD)を紹介します。DLでは、変動が激しいセンサデータなどの時系列データやグラフで表現されるデータを高精度で分類する技術を開発し、DLの適用範囲を拡大しています。時系列データではトポロジカルデータ分析、グラフデータでは統一的なテンソル表現を用いたDL技術を開発し、ものづくり、医療、金融など幅広い分野への適用を進めています。LODでは、世界中のLODを収集し、大規模知識ベースを構築しており(一部をLOD4ALLとして公開)、これをベースに、テキストや表形式のデータをLOD化する技術、大規模グラフに対し検索・推論する技術などを開発しています。
(4)「日本ユニシスのAIビジョン、研究、事業事例のご紹介」
中原 和洋
(日本ユニシス株式会社 総合技術研究所)
日本ユニシスでは、よりよい社会を実現するために人と協調・共創する人工知能、すなわち「人に寄り添う人工知能」の実現を目指し、研究から事業適用まで幅広く取り組んでいます。日本ユニシスのAI研究は1980年代に始まり、技術と実績を積み重ねてきました。例えば、自然言語処理の領域では、「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトにおいて世界史Bを解くAIを開発し、2016年度センター試験模試で偏差値66.3のトップ成績を収めています。また、コモンセンス知識ベースの構築や、知識創造支援への応用に取り組んでいます。本セッションでは、これら自然言語処理技術を中心に、最近の研究と事業事例をご紹介いたします。
(5)「社会から求められるAI関連技術について」
藤田 肇
(株式会社FRONTEO 行動情報科学研究所 技術戦略課)
株式会社FRONTEO(旧称:UBIC)は、AIを用いてビッグデータ分析を支援するテクノロジー企業です。国際訴訟・不正調査などの失敗の許されない緊迫した現場を通して、人間の機微を理解するAIエンジン「KIBIT(キビット)」を完成させました。本発表では、リーガルだけでなく、ヘルスケア、デジタルマーケティング、ビジネスインテリジェンスなど、多様な事業領域にKIBITを応用した事例を紹介し、AI関連研究の成果を産業的に応用する観点から、いま社会から真に求められている情報処理技術について説明します。
(6)「スパース最適化を利用した細胞動体解析システム Hotaru の開発」
塩澤 暁広
(NTTデータ数理システム)
竹川高志
(工学院大学)
動画像として神経回路の活動を記録したデータから細胞の形状と活動の時刻を精度良く自動検出するシステムを開発した。スパース最適化を用いることで,SN比が悪い画像からノイズを除去して複数の信号源が生成するイベント発生時刻を検出できる。システムの基礎となるアルゴリズムと実装は他分野にも広く応用可能である。
インダストリアルセッション2
5月24日(水) 9:30~11:10
ウインクあいち 902会議室(C会場)
(1)「基幹業務システムに蓄積されるデータとAIの活用」
坂井 信之
(株式会社オロ ビジネスソリューション事業本部 研究開発グループ)
弊社ではZAC EnterpriseというERP(基幹業務システム)の開発・販売を行っています。ZACでは勤怠・経費・販売・購買などの様々なデータを一元管理し、プロジェクト単位での収支を見える化することで、経営者やプロジェクト管理者の判断に役立てています。しかし、判断材料となる勤怠や経費といったデータを日々入力する必要があるため、ユーザにとって負担となり、また、入力のコストもかかります。そこでAIを活用し、過去のデータから学習を行い、入力の補助・自動化を行うことでユーザの負担を少なくし、業務の効率化を図りたいと考えています。その他にも、過去のプロジェクトを解析・活用することで、プロジェクトの収支予測の精度向上にAIが活躍することが期待されます。
(2)「人工知能はビジネスの出会いをどう変えるか」
常樂 諭
(Sansan株式会社)
ビジネスシーンにおいて出会いの証は名刺として存在し、それは年間100億枚流通していると言われています。Sansan はその名刺を正確にデータ化し、活用するプラットフォームを提供しており、業界シェアは81%を占めています。Sansanは 年間数億枚の名刺をデータ化し管理していますが、そのデータのなかにはこれまで見えていなかった人と人の繋がりや新しい発見が存在していると考えられます。AI技術を用いて、データを元に予め出会うべき人を教えてくれる、過去に出会った人の中から今会うべき人を教えてくれるといったことが可能な世界を実現することが我々の目標です。
(3)「問い合わせデータを用いた顧客ニーズの抽出と返答システムへの応用」
福角 朝美
(株式会社ロックオン)
商品に関する問い合わせデータを用いて、機械学習による分類を行い、顧客のニーズをクラスタリングし、商品の機能追加や開発に応用できるのではないかと考えている。さらに、問い合わせの増加による人的リソースの確保や作業負荷軽減のため、問い合わせの種類やその内容によって自動的に返答できるシステムの構築を目指す。
(4)「広告効果計測におけるAI技術導入事例」
玉川 奨
(株式会社 CyberZ)
近年,インターネット上には様々な広告商材が提供されており,企業の広告活動における選択肢が広がっている.弊社では,スマートフォン広告の効果計測ソリューション『F.O.X』を提供し,F.O.Xを通して広告主の広告活動をサポートしているが,広告主のニーズが多様化することで,広告効果計測に求められることも多様化してきている.こうした需要への課題解決に対し,AI技術への期待は高く,弊社でも様々な取り組みを行っている.本発表では,『F.O.X』及び弊社で提供している広告商材へのAI要素技術の導入事例を紹介する.
(5)「ブランディング広告におけるユーザの忘却を加味した入札戦略」
馬場 惇
(株式会社サイバーエージェント アドテク本部 AI Studio AI Lab)
広告マーケティングのデジタルシフトが進む昨今、ブランディングを目的としたWeb広告の需要が高まってきています。そこで、広告主の商品やプロダクトの認知を最大化する広告配信を実現するために、ユーザの広告接触後の「忘却」をモデリングし入札戦略に活かす取り組みを理化学研究所の前原氏と進めているので、そこでの事例をご紹介します。
(6)「オープンイノベーション活用のすヽめ」
高田 朋貴
(株式会社オプト データサイエンスラボ)
オプトデータサイエンスラボではオンライン上でデータ分析コンテストを開催するプラットフォーム”DeepAnalytics”を保持しており、オープンイノベーションを活用して、予測モデルを調達するサービスを運営しております。本セッションでは、料理画像データを題材として2017年1月〜2017年3月まで開催された「人工知能技術戦略会議等主催 第1回AIチャレンジコンテスト」から得られた知見や実際に提出された予測モデル等の事例をご紹介いたします。
インダストリアルセッション3
5月25日(木) 15:50~17:30
ウインクあいち 1001会議室(J会場)
(1)「パナソニックにおける人工知能分野の研究開発事例紹介」
井上 昭彦
(パナソニック株式会社 ビジネスイノベーション本部 AIソリューションセンター)
これまで人工知能技術は、Webの世界を中心に様々な応用が進められて来ました。今後はさらに応用範囲が拡がり、くらしやビジネスにおけるリアルな人の行動にAI技術を活用し、より安全で負荷のないくらしの実現が求められると考えています。本発表では当社の強みとするデバイスやシステム化技術とAIを融合させ、ソリューション・システムとして人工知能技術を形にしていくことを目指した、各種研究開発事例の紹介をいたします。
(2)「OKIにおけるAI/データ分析への取組み」
竹内 晃一
(沖電気工業(株) 情報・技術本部 研究開発センター センシング技術研究開発部 データ分析ユニット)
OKIは情報通信技術とメカトロニクス技術を柱に、銀行やコンビニATM、光や無線通信システム、ETC、航空管制システムや空港のチェックインシステムなど、業界をリードする確かな技術と信頼で社会インフラの安心と安全を支えているBtoBメーカーです。近年、これらの事業に伴うデータを活用し、より付加価値の高い製品やソリューションを提供しようという機運が高まってきており、対応を進めています。本発表では、OKIにおけるデータ分析やAIに関わる取り組みについて、いくつかの事例を挙げ、その概要や今後の展開について紹介します。
(3)「人工知能のビジネス応用の現状」
上村 崇
(株式会社ALBERT 代表取締役社長)
IoTやインダストリー4.0といった新たな市場に注目が集まる中で、人工知能、特にディープラーニングや機械学習のビジネスへの応用が急速に進んでいます。本領域の先端技術の研究とビジネスでの応用を支援するALBERTが、ヘルスケアやスマートファクトリー、アパレルといった分野への活用を具体的な事例を交えてご紹介します。
(4)「人工知能技術が導く世界最先端の半導体製造プロセス」
折原 良平
(東芝 研究開発センター 知識メディアラボラトリー)
半導体製造における競争力確保にはローコスト化が必須であり、そのためには、オペレーションの自動化、生産規模の拡大、生産上の課題の早期発見/解決による品質確保、が求められる。東芝のフラッシュメモリ製造拠点である四日市工場では、自動化生産ラインから大量のデータを収集し、品質監視と課題解決を行なう技術者に提供する情報システムに基づき品質を確保する仕組みが作られている。しかし、生産規模の拡大に伴い、データ解析の自動化が求められるようになった。同工場ではAI技術の適用によりすでに一定の生産性向上を達成しているが、大量のデータが利用でき、成果がコスト低減を通して利益に直結するこの現場には未だ多くのニーズが眠っている。これまでの成果と今後への期待を紹介する。
(5)「NECのAI技術による社会価値創造」
酒井 淳嗣
(NEC データサイエンス研究所)
NECは「見える化」「分析」「制御・誘導」の各領域において、AI関連技術の開発を約半世紀にわたり進めている。ますます複雑化・高度化する社会課題に対し、AI技術群(NEC the WISE)を活用し、価値増幅の追求と、人とAIの協調による人の知的創造活動の最大化を行っている。NEC中央研究所で研究開発した世界ナンバーワン、あるいはオンリーワンのAI技術を活用したソリューションとして、安全・安心に貢献するパブリックセーフティ、大規模な社会インフラ、マーケティングやオペレーションを行う企業活動などの分野における事業事例をベースとなるAI技術と共に紹介する。
(6)「データへのアクセシビリティが変える深層学習」
田丸 健三郎
(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサー)
深層学習の進歩とともにデータの収集、また収集したデータの取り扱い、アクセシビリティ要件も大きく変わりつつあります。既存の学習フレームによる新たなデータベース活用手法について紹介します。