基調講演
5月23日(火) 11:30~12:30
ウインクあいち 大ホール(A会場)
「インタラクティブな人工知能を目指して ― HAIとIIS ―」
山田 誠二 氏
(本学会会長,国立情報学研究所 教授,総合研究大学院大学 教授,東京工業大学 特定教授)
現在AIへの過大な期待が渦巻く中,実際にはAIが人間並の知的処理を行うことは難しく,AIにできることは断片的なサブタスクに過ぎません.よって,AIと人間が助け合ってより高度な問題解決を行うインタラクティブAIの研究が重要かつ必然であると考えられます.本講演では,インタラクティブAIの実現を目指した研究プロジェクトである,ヒューマンエージェントインタラクションHAIと知的インタラクティブシステムIISについて紹介します.HAIは,人と擬人化エージェントやロボットとのインタラクションをデザインする研究分野であり,我々日本の研究グループが開拓し,現在国際会議が開催されるまでに発展しています.一方IISは,インタラクティブ機械学習をベースとして,人間とAIの協調システムを目指すもので,こちらもインタラクションデザインをメインテーマとしています.これらの研究プロジェクトの背景,考え方,目的,研究例についてお話しします.
招待講演1
5月24日(水) 11:30~12:30
ウインクあいち 大ホール(A会場)
「21世紀はどのような時代だろうか」
中津 良平 氏
(京都大学 特命教授,NTアソシエイツ 取締役)
AIの進歩は急速で,AIが人間のすべての知的活動を凌駕するシンギュラリティの到来が,現実味をおびて議論されるようになりました.しかしその根底には,人間の論理的な思考こそが人間の知的活動の根源であるとする,プラトン以来の西欧の哲学があります.そして21世紀もそれが社会の指導原理になると私たちは考えてきました.しかし最近は,英国のEU離脱の決定やトランプが米国大統領に選出されるなどのように,誰も予測できなかったことが生じています.なぜでしょうか.どうも論理的な思考を超えて人間は複雑なものなのではないかと思われます.現実の社会で何が起こりつつあるのかという観点から21世紀はどのような時代かを一緒に考えてみましょう.
招待講演2
5月25日(木) 11:30~12:30
ウインクあいち 大ホール(A会場)
「機械学習 ― 技術&ビジネスのさらなる展開」
岡野原 大輔 氏
(株式会社Preferred Networks 取締役副社長)
藤巻 遼平 氏
(NEC データサイエンス研究所 主席研究員)
昨今のAIブームに火をつけたのは機械学習の進化だと言われています.それぞれの企業において,機械学習の最先端技術開発とそれをコアとしたグローバルなビジネス開発の両面を牽引している産業界の注目研究者二人に対談をお願いしました.最先端の機械学習技術・ビジネスの状況を紹介いただくとともに,今後のAI技術開発の方向性や世界市場で戦う戦略等について語っていただきます.