オーガナイズドセッションでは各オーガナイザが招待講演を企画しています.発表一覧において,「(OS招待講演)」がタイトルに付記された発表がオーガナイザが企画した招待講演です.今年度は,以下の20件のオーガナイズドセッションで23件の招待講演が実施されます.
OS-1 ネットワークが創発する知能
超高齢社会における地域課題の複雑さと「ネットワークが創発する知能」研究への期待
―不動産・介護・医療分野を例として―
講演者・時間
清田 陽司 氏 (株式会社LIFULL リッテルラボラトリー)
05月26日(Fri) 13:10〜13:50 N会場(ウインクあいち-10F 1006会議室)
内容
少子高齢化の急速な進行が引き起こすさまざまな課題は、個々の地域によって様相が大きく異なること、個々の主体による重大な決断を必要とすることなどから、中央集権的なアプローチでは対処が難しい。本講演では、不動産・介護・医療の各分野に存在する地域課題を俯瞰するとともに、我々の研究グループによるソーシャルコンピューティング適用の取り組みに触れる。その上で「ネットワークが創発する知能」研究への期待を述べる。
OS-2 SAT技術の理論,実装,応用
SAT から解集合プログラミングへ
講演者・時間
番原 睦則 氏 (神戸大学 情報基盤センター)
05月23日(Tue) 13:50〜14:30 M会場(ウインクあいち-10F 1005会議室)
内容
解集合プログラミング (ASP) 言語は一階論理に基づく表現力の高い知識表現言語の一種である.ASP ソルバーは安定モデル意味論に基づく解集合を計算するシステムである.近年,SAT 技術を応用した高速 ASP ソルバーが実現され,人工知能分野への実用的応用が急速に拡大している.本発表では,ASP の最近の動向を踏まえつつ,ASP の基礎から応用事例までを分かりやすく紹介することを目指す.
OS-3 世代をつなぐ知的インタフェース
福祉×VR
―通所介護(デイサービス)でのVR活用について―
講演者・時間
登嶋 健太 氏 (介護職員/機能訓練指導員)
05月25日(Thu) 16:10〜16:30 F会場(ウインクあいち-9F 905会議室)
内容
近年VR元年とよばれ、全天球カメラ、スマートフォンによるVR体験が身近になってきている。
被介護者の全天球VR映像体験が、機能訓練の意欲向上や他者とのコミュニケーション誘発に期待される。
利用者の要望を元に世界中で仮想旅行を可能にするコンテンツ制作を含めた現場の様子を報告する。
シニア目線から見た知的インタフェースへの期待
講演者・時間
牧 壮 氏 (スマートシニアアソシエーション)
05月25日(Thu) 16:30〜17:10 F会場(ウインクあいち-9F 905会議室)
内容
シニア目線から見た知的インタフェースへの期待について述べ、聴衆とフリーディスカッションを行う。
OS-4 コミック工学とAI
機械学習で、eBookJapanを加速できるか?
―電子書籍データの作成から、AI活用による新しいサービスの可能性まで―
講演者・時間
村上 聡 氏 (イーブックイニシアティブジャパン)
05月25日(Thu) 16:50〜17:30 H会場(ウインクあいち-9F 907会議室)
内容
弊社における、電子書籍配信の概要を述べるとともに、保有する画像データと機械学習を利用し、長期に亘り多くのユーザに満足していただけるサービスを提供し続けるために進めている研究開発について述べる。
1)電子書籍用のデータは、どのように作成されているかについての概要
2)機械学習を利用した低解像→高解像度画像への超解像拡大画像作成の試み
3)機械学習を活用した吹き出し領域の抽出の試み
OS-6 汎用人工知能とその社会への影響
経済的特異点-汎用人工知能が経済に与えるインパクト-
講演者・時間
井上 智洋 氏 (駒澤大学経済学部経済学科)
05月25日(Thu) 15:50〜16:50 K会場(ウインクあいち-10F 1002会議室)
内容
汎用人工知能は、人間と近い知的振る舞いができるという点で、歴史上これまで存在したいかなる機械とも異なる。したがって、汎用人工知能が出現すると、経済や社会は不連続的な変化を被るだろう。経済におけるこのような不連続的な変化を「経済的特異点」と呼ぶことにする。本発表では経済的特異点について、汎用人工知能が「雇用」「経済構造」「経済成長」「所得と暮らしぶり」に与えるインパクトとして議論する。
OS-7 意味と理解のコンピューティング
Linked Dataとオントロジーによるセマンティック技術の実際
講演者・時間
古崎 晃司 氏 (大阪大学 産業科学研究所)
05月24日(Wed) 17:50〜18:30 B会場(ウインクあいち-9F 901会議室)
内容
Linked DataはWeb上で公開したデータを相互にリンクすることで,データの公開・流通を促進する仕組みである.オントロジーによる意味定義に基づく構造化データをLinked Dataとして公開することで,セマンティック技術のための知識処理基盤が,様々な領域において形成されつつある.本発表ではそれらの事例を紹介すると共に,Linked Dataとオントロジーによる意味処理の現状について議論する.
OS-8 HAI,その心とは?: 人工知能をベースとしたインタラクション技術を考える
インタラクションにおける今性と応答性
講演者・時間
開 一夫 氏 (大学院総合文化研究科)
05月24日(Wed) 15:50〜16:50 G会場(ウインクあいち-9F 906会議室)
内容
インタラクションにおける今性と応答性について認知科学的視点から議論する。
OS-9 質感と感性
音声の声質を変換する技術とその応用
講演者・時間
戸田 智基 氏 (名古屋大学 情報基盤センター)
05月24日(Wed) 13:50〜14:30 L会場(ウインクあいち-10F 1003会議室)
内容
音声には,話し手が何を話しているかという言語情報のみでなく,誰がどのように話しているかという情報など,多種多様な情報が埋め込まれる。その中には,物理的制約により決定されるものも数多く存在し,音声コミュニケーションにおける障壁を生む要因となる.本発表では,物理的制約を超えた情報制御を可能とする声質変換技術について概説するとともに,その応用例として,音声生成機能を拡張する技術について紹介する.
OS-10 先端情報計測指向AI
CREST/さきがけ複合領域「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」の趣旨
―人工知能研究者の参加を期待して―
講演者・時間
雨宮 慶幸 氏 (東京大学大学院新領域創成科学研究科)
北川 源四郎 氏 (情報・システム研究機構)
05月24日(Wed) 15:50〜16:30 I会場(ウインクあいち-9F 908会議室)
内容
本研究領域は、新たな科学の開拓や社会的課題の解決のために、多様な計測・解析技術に最先端の情報科学・統計数理の研究を融合させることによって、これまでは捉えられなかった物理量・物質状態やその変化あるいは潜在要因等の検出、測定対象が実際に動作・機能している条件下でのリアルタイム計測等を実現するインテリジェント計測・解析手法の開発とその応用を目指しています。人工知能研究者の積極的な参加を期待します。
OS-11 Well-being Computing
Well-Being Computing: AIで身体的・心理的・社会的健康を得られるか?
講演者・時間
高玉 圭樹 氏 (電気通信大学 情報学専攻)
05月25日(Thu) 13:50〜14:30 E会場(ウインクあいち-9F 904会議室)
内容
本講演では,「身体的な健康」だけでなく,「心理的や社会的な健康」も一緒に考えることの重要性を主張するとともに,これらすべての側面に関して良好な状態を導くコンピューティング技術とその学問として“well-being computing”を提唱し,そのポテンシャルを睡眠の観点から示す.
OS-12 ディープライフ:生命性原理の探求
反実仮想的な情報生成による人工意識の構築
講演者・時間
金井 良太 氏 (株式会社アラヤ・ブレイン・イメージング)
05月25日(Thu) 14:10〜14:50 L会場(ウインクあいち-10F 1003会議室)
内容
株式会社アラヤ・ブレイン・イメージングの金井 良太による招待講演。
OS-13 交通・移動・物流とAI
様々な交通現象のモデル化と渋滞緩和への社会実践
講演者・時間
西成 活裕 氏 (東京大学 先端科学技術研究センター)
05月25日(Thu) 14:50〜15:30 I会場(ウインクあいち-9F 908会議室)
内容
社会には車や人、そして物流などの様々な移動があり、それを効率よく行うことは社会の生産性を高める意味で極めて重要である。そのための方法としてシミュレーションが近年注目されており、そのベースになる対象のモデル化についても実データに基づいて近年世界的に研究が進展してきている。講演ではそうした最新研究の紹介と、実際に渋滞や混雑緩和の応用事例などについて映像を交えて説明する。
OS-14 人と調和・協働するAI・知能ロボット
状況依存サービスができる知的システム
講演者・時間
萩田 紀博 氏 (ATR知能ロボティクス研究所)
05月26日(Fri) 14:10〜14:50 G会場(ウインクあいち 906会議室)
内容
This paper introduces intelligent systems creating co-experience knowledge and wisdom with human-machine harmonious collaboration in JST CREST (team-oriented) research projects. Eleven research projects are developing core technologies and science for situated services in different application area.
OS-15 不動産とAI
不動産価格の決まり方 -AIは不動産鑑定士に勝つことができるのか?-
講演者・時間
清水 千弘 氏 (日本大学スポーツ科学部教授・マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員)
05月23日(Tue) 15:50〜16:30 H会場(ウインクあいち 907会議室)
内容
不動産価格は、同質の財が存在しないため、最も測定が困難な対象の一つである。近年において再度注目される機械学習の一つである回帰木やNNが、統計学の分野で高い評価を受けるきっかけとなったのが、Harrisonらによる1978年の「ボストンの不動産価格データ」を対象とした統計実験であることは有名である。本報告では、不動産価格の測定を取り巻く過去から現在における研究の流れを最新事例と併せて紹介する。
OS-17 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング
クラウドソーシングサービスにおける課題改善への取組みと今後の展望
講演者・時間
弓山 彬 氏 (株式会社クラウドワークス)
福島 明 氏 (株式会社クラウドワークス)
沢田 正 氏 (株式会社クラウドワークス)
塚本 鋭 氏 (株式会社クラウドワークス)
05月26日(Fri) 12:10〜12:50 O会場(ウインクあいち-10F 1007会議室)
内容
クラウドソーシングサービスにおけるサービス品質の課題と、その改善に向けた取組みについて紹介する。また、サービスの今後の発展に向けた取り組みについても紹介する。
OS-19 金融情報学—ファイナンスにおける人工知能応用—
銀行間ネットワークのデータ解析とモデリング
講演者・時間
小林 照義 氏 (神戸大学大学院経済学研究科)
05月24日(Wed) 17:50〜18:30 D会場(ウインクあいち 903会議室)
内容
銀行間で行われる日々の貸借は、銀行を頂点、貸借関係を有向枝とするネットワークを形成しており、その構造はシステミック・リスクの波及に関係している。リーマンショック以降、静的なネットワーク構造を所与としたリスク波及の研究は多くなされているが、銀行の動的な行動パターンやネットワーク構造の変遷については解明されていない。本講演では、実データを用いた銀行の行動パターン解析とそれらを再現するモデルを解説する。
OS-21 「プロジェクション科学」の創出と展開
コグネティクス:工学と認知神経科学のインタラクション
講演者・時間
原 正之 氏 (埼玉大学大学院理工学研究科)
05月23日(Tue) 14:50〜15:30 G会場(ウインクあいち 906会議室)
内容
コグネティクスとは,ロボティクス,ハプティクス,VRなどの工学技術の活用により認知神経科学研究,特にヒトの身体認知に関わる研究で新しい手法を実現し,その基本メカニズムを解明・応用することを目指す学際的取り組みである.本発表ではコグネティクスに関わる研究成果をいくつか紹介し,私達の持つ工学技術・知識が認知神経科学研究にどのように貢献でき,また得られる知見をどのように利用できるかについて議論する.
OS-24 人工知能が誘発する問題の人工知能による解決を目指して
公平配慮型データマイニング技術の進展
講演者・時間
神嶌 敏弘 氏 (産業技術総合研究所)
05月23日(Tue) 13:50〜14:30 E会場(ウインクあいち 904会議室)
内容
公平配慮型データマイニングとは,ある指定した特定の情報を利用しない制約下でのデータ分析のことであり,社会的公正性の観点から望ましくない情報に依存しない決定などをめざす目的で研究されている.2013年にこの分野を紹介したが,その後の研究の進展をここでは紹介する.
OS-27 ゲノム医療支援の人工知能の研究開発へ向けて
臨床シークエンスでの人工知能技術の応用
講演者・時間
井元 清哉 氏 (東京大学医科学研究所)
05月26日(Fri) 12:30〜12:50 H会場(ウインクあいち 907会議室)
内容
臨床シークエンスでの人工知能技術の応用
生命医科学RDFデータの機械学習・人工知能への応用
講演者・時間
片山 俊明 氏 (ライフサイエンス統合データベースセンター)
川島 秀一 氏 (情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンター)
05月26日(Fri) 12:50〜13:10 H会場(ウインクあいち-9F 907会議室)
内容
In the life sciences and biomedical domains, there are a number of databases have been developed. Recently, some of those databases are released as RDF data which enables researchers to apply machine learning and artificial intelligence techniques. Here we show an application which generates feature vectors on each node in the RDF graph and a pilot study on those vectors where a deep learning method is applied.
OS-28 合意形成支援のためのAI
合意形成支援システムを用いた社会実験の検証
講演者・時間
伊藤 孝紀 氏 (名古屋工業大学 社会工学科 建築・デザイン分野)
05月23日(Tue) 13:50〜14:30 P会場(ウインクあいち-10F 1008会議室)
内容
筆者等は、これまで一連の議論を支援する大規模合意形成支援システム(COLLAGREE)の開発および実験を行ってきた。愛知県内の地方自治体職員が参加する社会実験「AICHI街づくりデザインリーグ」の2年間を研究対象に、複数の地方自治体間の職員が情報共有および課題解決をおこなう議論過程や議論データの集計、参加者へのアンケートから、その有効性を明らかにすると共に、課題点を紹介する。
AIによる合意形成支援と民主主義
講演者・時間
中澤 高師 氏 (静岡大学情報学部)
05月23日(Tue) 15:50〜16:30 P会場(ウインクあいち-10F 1008会議室)
内容
AIによる合意形成支援を実際の意思決定に利活用していくためには、そうした技術が社会に及ぼす影響について考慮する必要がある。特に、公的意思決定に適用するためには、民主主義との関係を無視することはできない。本講演では、AIによる合意形成支援を民主主義理論の中に位置づけて考察することで、その可能性や課題を明らかにする。