オーガナイズドセッション

採択されたオーガナイズドセッションは以下の28件です. 採択されたオーガナイズドセッションでは,発表の一般公募を行います.発表申し込み時にご希望のオーガナイズドセッションを選択してください.

なお,2014年度全国大会のオーガナイズドセッションは最大で一般セッション2枠分の長さとなります.オーガナイズドセッションを希望された場合におきましても,申し込まれたオーガナイズドセッションの発表件数が多い場合,またはオーガナイズドセッションの主旨にそぐわない発表は,一般セッションにまわっていただくことがあります.

オーガナイズドセッション一覧

  • OS-1 ことば — コンピュータ — コミュニケーション (阿部明典)
  • OS-2 グリーンAI 〜人工知能による環境貢献〜(松井孝典, 柴田博仁, 森幹彦, 福井健一, 熊澤輝一)
  • OS-3 内部観測と探索 (高橋達二, 浦上大輔, 太田宏之)
  • OS-4 マッシブデータフロー~人と環境と人工システムが作り出す複雑さ~ (池上高志, 岡瑞起)
  • OS-5 身体知の表現と獲得(藤波努)
  • OS-6 脳科学とAI (山川宏, 森川幸治, 岡本洋)
  • OS-7 言語と音楽の木構造表現から認知的リアリティの計算理論へ (東条敏, 平田圭二, 小野哲雄)
  • OS-8 意味と理解のコンピューティング (小林一郎, 麻生英樹, 伊東幸宏)
  • OS-9 記号創発ロボティクス (谷口忠大, 岩橋直人, 岡田浩之, 長井隆行, 稲邑哲也)
  • OS-10 知的インタラクティブシステム (小野田崇, 山田誠二)
  • OS-11 SAT技術の理論,実装,応用 (越村三幸, 鍋島英知, 宋剛秀)
  • OS-12 組み立てることによる学習のモデル化と支援環境 (平嶋宗, 鈴木宏明, 三輪和久, 柏原昭博)
  • OS-13 交通・移動・物流とAI (和泉潔, 川村秀憲, 栗原聡, 服部宏充, 松井宏樹)
  • OS-14 星新一に学ぶショートショートの自動創作 (松原仁, 佐藤理史)
  • OS-15 プライバシに配慮したデータ利活用 (荒井ひろみ, 中川裕志, 神嶌敏弘, 佐久間淳)
  • OS-16 ネットワークが創発する知能 (石川孝, 栗原聡, 澤井秀文, 風間一洋, 鳥海不二夫)
  • OS-17 共創的価値創出のためのデータプラットフォーム (本村陽一, 谷田泰郎, 西尾義英)
  • OS-18 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング (小山聡, 鹿島久嗣, 櫻井祐子, 馬場雪乃, 松原繁夫)
  • OS-19 Linked Dataとオントロジー (長野伸一, 山口高平, 武田英明, 乙守信行, 細見格, 古崎晃司)
  • OS-20 知的対話システム (駒谷和範, 東中竜一郎, 船越孝太郎, 岡田将吾)
  • OS-21 仕掛学 (松村真宏, 松下光範, 山根承子, 平岡敏洋, 白水菜々重)
  • OS-22 汎用人工知能とその社会への影響 (市瀬龍太郎, 山川宏, 荒川直哉)
  • OS-23 認知科学に基づくヒューマンエージェントインタラクションの工学的デザイン (寺田和憲, 田中貴紘)
  • OS-24 Deep Learning (松尾豊, 山川宏)
  • OS-25 ビッグデータとAI (岩爪道昭, 岩瀬高博, 田中康司, 原口弘志)
  • OS-26 金融情報学—ファイナンスにおける人工知能応用— (和泉潔, 鳥海不二夫, 松井藤五郎, 八木勲, 西山昇, 中山慎一郎)
  • OS-27 雰囲気工学 (片上大輔, 湯浅将英, 田中貴紘, 小林一樹)
  • OS-28 知の身体性 (諏訪正樹, 跡見順子)

OS-1 ことば — コンピュータ — コミュニケーション

オーガナイザ
  • 阿部 明典(千葉大学)
内容

 コンピュータの上でことばを扱う問題に関して議論する予定。コンピュータなどの機械メディアの上でことばを扱う研究は人工知能学会 ことば工学研究会」、日本認知科学会 「文学と認知・コンピュータ」研究分科会、「CmCC研究会」などで、各々の観点から議論されてきましたが、これらの分野を横断して議論をしたいと考えている。

テーマ例: コンピュータ、認知科学、社会学、心理学、脳科学、哲学、人工知能などの面から見た

  • ことばの問題
  • ことばの特性
  • ことばの生成、デザイン
  • 文学の問題
  • 文学の特性
  • 文学の生成、デザイン
  • コミュニケーションの問題
  • コミュニケーションの特性
  • コミュニケーションの生成、デザイン
  • 広告コミュニケーションなどのアプリケーションがらみの話
  • これらをサポートする理論、技術など
キーワード
  • ことばの感性
  • 文学のコンピュータによる生成
  • コンピュータによる生成されたものの評価
  • 鑑賞
  • コミュニケーション

OS-2 グリーンAI 〜人工知能による環境貢献〜

オーガナイザ
  • 松井 孝典(大阪大学)
  • 柴田 博仁(富士ゼロックス株式会社)
  • 森 幹彦(京都大学)
  • 福井 健一(大阪大学)
  • 熊澤 輝一(総合地球環境学研究所)
内容

 環境のサステイナビリティ・デザインは人類が取り組むべき最重要戦略的課題のひとつです。そのなかで、AIが果たすべき役割、果たしうる貢献は極めて大きなものです。エネルギーの最適均衡、資源の循環利用、環境汚染や自然環境のモニタリング、生物多様性の保全、快適な都市環境デザインや農業復興の支援など、AIの技術を活かせる領域はさまざまです。

 世界的にも「AIによる環境貢献」は注目される流れにあります。AAAIでは Computational Sustainability and Artificial Intelligence (CompSust) と題するスペシャルトラックが開催されています。またIJCAI (IJCAI-13) のメインテーマは “AI and computational sustainability” でした。

 人工知能学会でも一昨年から環境貢献のセッションを行い、これまでさまざまな分野の研究者が集い、意見交換を行ってきまし た。「AI×環境」の研究領域の活性化を期待し、今年も「グリーンAI」を開催します。環境の専門家のみならず、自身の研究の応用として、あるいはこれから始める研究の候補として環境貢献を考えている人の参加も期待します。環境問題に対してAI領域からどのような貢献が可能なのか、また環境問題に対して AIはどのような貢献を目指すべきなのかについて、ニーズとシーズの両面から分野横断的に自由で活発な議論の場にしていきたいと思います。

キーワード
  • 持続可能性
  • 地球環境問題
  • AI技術応用
2013年度報告

OS-3 内部観測と探索

オーガナイザ
  • 高橋 達二(東京電機大学)
  • 浦上 大輔(東京工科大学)
  • 太田 宏之(防衛医科大学校)
内容

 人工知能をロボットや情報システムにエージェントとして実装する実世界アプリケーションにおいては、活動世界の完全な情報をあらかじめ得るのは不可能である。そのため、エージェントはオンラインで情報の局所的な探索を行い、その情報をその場で活用していく必要がある。その際一般に近傍空間の明確な定義は難しく(cf. フレーム問題)、またある時点で適切な定義を構築できても、近傍自体が時間と共に変化しうる。そういった無際限で不定な空間におけるオンライン探索においては何らかのヒューリスティクスが必要であるが、探索アルゴリズムを個別のアプリケーションに応じて経験的に選択すると、人工知能研究の目標からは遠ざかることになる。そのため、普遍的な探索(メタ)ヒューリスティクスの構築には大きな価値があると考えられる。

 生物・人間の探索法を参考にしたものの一つとして、局所担体の目的充足・整合性構築志向を仮定した内部観測という考え方がある。その具体例としては、神経を持たない単細胞生物(粘菌)の変形行動、神経細胞の動作(シナプス結合の重み総量の保存)、動物の群れにおける社会的な意思決定、そして人間の意思決定(行動経済学)など、生物界の多様な階層において枚挙に暇が無い。これに関し、内部観測者は近傍自体の定義を前提とせず、弱い形で自律的に生成することによって、近傍内探索(≒情報の活用)と近傍外探索(≒情報の探索)を部分的に両立し、効率的かつ頑健な探索を実現する、という仮説がある。本セッションでは、この仮説が今後の探索の理論に対してどのような実効性を持つかを具体的に検討する。

 想定する研究テーマとしては、上に挙げた例に関連するもののほか、対象を問わず、世界の不確実性と行動の局所・オンライン性を考慮しつつ一般的な探索理論を構築しようとする研究全般を対象とする。

キーワード
  • 局所探索
  • オンライン探索
  • メタヒューリスティクス
  • 目的因
  • 探索と活用のジレンマ

OS-4 マッシブデータフロー~人と環境と人工システムが作り出す複雑さ~

オーガナイザ
  • 池上 高志(東京大学)
  • 岡 瑞起(筑波大学)
内容

 科学、産業界さらにアートにおいても「過剰性」というキーワードで、新しい動きが始まっている。

 物質的、情報的過剰性が創りだす自己組織化について、現在までに本大会において2011年、2012年、2013年と3回それを議論してきた。特に環境・人工システム、そして人間がつくりだす複雑さ、を理解するための新しい構造、パターン、ダイナミクスをみようというのが本セッションの目的である。特に、本年は階層型ネットワークの組織化(Deep Learning)や、生態系が作り出す組織化、ライフログが作り出す組織化について議論したい。

キーワード
  • 複雑系
  • 人工生命
  • 自己組織化
  • ウェブ
  • ソーシャルメディア

OS-5 身体知の表現と獲得

オーガナイザ
  • 藤波 努(北陸先端科学技術大学院大学)
内容

  楽器の演奏やスポーツなど、人間が長年の修練を経て獲得する技には知的な要素が含まれていると考えられるが、それがどのような種類の知能の顕れなのか、またいかにして獲得されるのかは明らかではない。技は個人が独力で獲得する方法もあるが、一般には教師の助言と指導のもとに研鑽を積んで身につけていくことが多い。技の内容は言葉で表現しにくいため、教師から生徒に伝わりにくい。言語以外の手段(たとえばグラフなど)の併用は技の伝達に寄与すると予想されるが、その方法と効果については未知である。本セッションは、技の習得を可能にしている知的なものを身体知と捉え、それがどのように表現されるのか、またいかに伝えられるのかを議論する。

  本提案で募集するテーマは以下の通りである:

  1. 動作計測による身体知の理解
  2. 身体知習得モデル
  3. 身体知言語化の方法論
  4. データ分析による習得支援
  5. コーチング方法論
  6. 道具や練習環境デザインの実践および方法論
主なキーワード
  • 知識表現
  • 知識獲得
  • 技能継承
  • 身体性
  • 暗黙知

OS-6 脳科学とAI

オーガナイザ
  • 山川 宏(株式会社富士通研究所)
  • 森川 幸治(パナソニック株式会社)
  • 岡本 洋(富士ゼロックス株式会社)
内容

 脳科学の知見とAIの知見の橋渡しになるような境界領域のテーマを募集したい。テーマ例としては以下の通り。

テーマ例:

  • 脳計測データの分析,信号処理
  • ニューラルコンピューティング(Deep Learning/圧縮センシング等)
  • 全脳エミュレーション/シミュレーション
  • 脳情報の符号化/復号化(エンコーディング/デコーディング)
  • ブレインマシンインタフェース
  • 脳活動を利用したユーザインタフェースとその評価
  • 専門能力/スキルの脳科学的理解
  • 脳活動評価と医療応用
  • ニューロ・リハビリテーション
  • 脳科学の教育応用
  • ソーシャルインタラクションにおける脳活動
  • 神経経済学,ニューロマーケティング
  • 計算論的神経科学/システム神経科学
  • 脳型計算知能,認知アーキテクチャ,脳の計算モデル
  • ニューロインフォマティクス(オントロジ/データマイニング/モデリング等)
  • 脳活動を利用した感性情報処理
  • 認知発達ロボティクス
  • 上記以外の脳科学とAIに関わるご研究
キーワード
  • システム神経科学
  • ブレインマシンインターフェース
  • 脳型計算機
  • 脳科学応用
  • 脳情報表現
  • 脳の計算モデル
2013年度報告

OS-7 言語と音楽の木構造表現から認知的リアリティの計算理論へ

オーガナイザ
  • 東条 敏(北陸先端科学技術大学院大学)
  • 平田 圭二(公立はこだて未来大学)
  • 小野 哲雄(北海道大学)
内容

 音楽でも言語でも物理的メディアを受け取るのは視覚であり,聴覚である.これを一列のシンボル列として認識することが人間の認知(cognition)である.さて一方の人間からの発話あるいは歌唱は,受け取る側の人間がそれに対して同様なシンボル列を割り振ることによって理解されるが,これだけでは理解の定義として不十分である.受け取り手は発話側と「同様な構造」をシンボル列に割り振ることによって正しい理解が得られ,コミュニケーションが成立したと考えるべきである.この構造はチョムスキー(Noam Chomsky)を始祖として階層的順序構造(木構造)として伝統的に論じられてきた.本提案では,この木構造を構成できるメディア,すなわち時系列的なシンボル列に対して階層的な構造を割り当てられるメディアに限定して,計算論的な立場からわれわれの意図の表出(presentation)とそのコンテンツ(representation),相互理解(communication)と言ったものを再構成できないかを考える.計算論的な立場とは,木構造を加工するという意味において入力・出力を定義でき,かつ木構造間にさまざまな演算を定義できることを指す.これは階層構造・順序構造という視点から逆に認知科学,すなわち計算論的認知科学を定義する試みである.さらにまた,これによりメディア操作を利便化するアプリケーションも期待できる.

 テーマとしては「生成的な音楽理論の形成」「対位法・多声音楽の人間理解」「ディスカッションにおける議論構造」「推理小説等におけるエージェント間の知識の受け渡しと知識状態の推移」「映画におけるストーリーの構成化」などが考えられる.

キーワード
  • 認知科学
  • 木構造
  • 時系列メディア
  • GTTM
  • 生成文法

OS-8 意味と理解のコンピューティング

オーガナイザ
  • 小林一郎(お茶の水女子大学)
  • 麻生 英樹(産業技術総合研究所)
  • 伊東 幸宏(静岡大学)
内容

  計算機の処理能力が上がり、大量のデータを簡単に扱える時代になった。それにともない、データの統計的処理の観点から、その意味をとらえる研究が多くなっている。たとえば、文書をBagof wordsとして扱い、語彙の出現頻度に基づく統計量から文章の内容を捉えるような統計的自然言語処理は、情報検索システムなどの成功に裏打ちされ、自然言語によって記述された文章を処理する実用的な手段として現在も自然言語処理の分野の主流となるアプローチとして位置づけられている。そのような背景において、以前のような意味に対する深い取り扱いへの試みが希薄なっているように感じられる。たとえば、文章の内容を理解するためには言語学的知識の考慮や内容を理解するための他の知識の連携が必要とされるが、そうしたことを可能にする論理学による意味の記述や推論などを用いた意味理解に対するアプローチの研究は少なくなっている。しかし、システムを真に知的にするためには、人が行うような意味の理解のメカニズムが必要であり、必要な技術は振り子のように回帰してくると考える。本オーガナイズドセッションは、そのような背景を踏まえ、意味や理解をとらえるための多様な取り組みや姿勢を大切にしながら新しい技術を開発することを目指す人たちが、それぞれのアプローチに基づいたアイデアを持ち寄り、相互理解や新たな方向性について議論するための場として開催する。

キーワード
  • 意味表現手法
  • 意味構造解析
  • 意味解釈処理
    • 同義表現の解釈、言い換え
    • 文章の文脈・状況依存な理解
    • 文章の要約
    • 対話処理
  • 意味表現に基づく知識表現と推論
  • 意味の理解にもとづく知的情報処理
2013年度報告

OS-9 記号創発ロボティクス

オーガナイザ
  • 谷口 忠大(立命館大学情報理工学部)
  • 岩橋 直人(京都大学大学院情報学研究科)
  • 岡田 浩之(玉川大学脳科学研究所)
  • 長井 隆行(電気通信大学情報理工学研究科)
  • 稲邑 哲也(国立情報学研究所/総合研究大学院大学)
内容

 人間の知能は言語と身体を連続につなぎながら理解されなければならない. 近年の計算資源の爆発的増加,統計的機械学習理論の発展,WEBの急速な広がりによる様々な資源の増大により,言語と身体を同時に扱うための研究環境は大いに変化してきた.

 しかし,未だに言語を自律的に獲得しマルチモーダルな情報と関連づけながらそれを用いるといった人間知能に関する計算論的理解は十分ではない.

 言語の獲得のためには,行動の自律的獲得,環境の認識,概念の獲得,自律的な計画生成,能動学習などが重要である.これらの問題は,ロボットが人間や環境との相互作用を通して,コミュニケーションに必要な知識や実世界での行動に必要な知識を発見・理解・学習・運用する過程の研究として,統一的に捉えることができる.

 人間と真なるコミュニケーションを実現する知能ロボットは,自らのセンサ・モータ系を用いた身体的相互作用に基づく学習を経て行動や記号的概念を獲得し,言語獲得を行い,人間と共に協調的に実世界のタスクを実現していく事がもとめられる.

 記号創発ロボティクスでは,ボトムアップに言語獲得や行動獲得,動作獲得,計画生成を行なう知能を機械学習装置やロボット,エージェントとして創りだすことにより,人間の言語的コミュニケーションについての構成的理解も深めていくことが目指される.

 本セッションでは,この新しい研究領域 —記号創発ロボティクス— に係る基礎から実用化研究に携わる研究者が一同に会し,近未来の課題と解決への取組みを討議する.

 トピック例: 記号創発,シンボルグラウンディング,マルチモーダル対話,概念学習,物体操作学習,言語獲得,対話戦略・対話調整とスキルの学習,言語発達,言語進化,動作の言語化,動作の分節化,環境の分節化,一般物体認識・学習,文章生成,自己位置学習,強化学習,模倣学習,音声認識,映像情報処理,自然言語処理,実世界情報処理,記号論

主なキーワード
  • 記号創発システム
  • マルチモーダル対話
  • 概念学習
  • 物体操作学習
  • 語意学習
  • 言語獲得
  • 実世界理解
  • 音声認識
  • 映像情報処理
  • 自然言語処理
2013年度報告

OS-10 知的インタラクティブシステム

オーガナイザ
  • 小野田 崇(電力中央研究所)
  • 山田 誠二(国立情報学研究所/総合研究大学院大学/東京工業大学)
内容

 自律的な人工知能の限界を克服するアプローチとして,人間と知能システが密にインタラクションを持ちながら協調的に問題を解決する枠組みである知的イタラクティブシステム (IIS: Intelligent Interactive Systems) が重要である.本オーガナイズドセッションでは,データマイニング,機械学習などにおいて,人間とAIシステムがインタラクショシを通して,協調的に問題を解決するステムについての研究発表を集め,多角的な視点からの議論を行う.トピックとして,IISのためのインタラクションデザイン,人間が理解やすい機械学習/データマイニング,人間の能力を引き出すIIS,近年注目を集めている対話的機械学習(Interactive Machine Learning)などがある.特に,本オーガナイズドセッションでは,知的インタラティブシステムの理論と設計,知的インタラクティブシステムの応用など,知インタラクティブシステムの実世界での実現に向けた研究発表を重視したい.

キーワード
  • インタラクション
  • 対話的機械学習
  • 制約付きクラスタリング

OS-11 SAT技術の理論,実装,応用

オーガナイザ
  • 越村 三幸(九州大学)
  • 鍋島 英知(山梨大学)
  • 宋 剛秀(神戸大学)
内容

 CNF論理式の充足可能性を判定する充足可能性判定問題(SAT)は,1960年代から現在に至るまで計算機科学における中心的課題であり,約半世紀に渡って膨大な量の研究が蓄積されてきた.特に,ここ10数年でSATソルバーの性能が飛躍的に向上し,システム検証,プランニングやスケジューリング,定理証明,組合せ最適化など様々な応用領域における推論の基盤技術としてSAT技術は注目を集めている.本オーガナイズドセッションでは,「SAT技術の理論,実装,応用」をテーマとして,最新のSAT技術はもちろん,MaxSAT,Pseudo Boolean,モデル列挙,SMT,並列分散SAT等の次世代SAT技術,および,SATに関連の深い制約充足問題(CSP)や BDD, ZDD, 解集合プログラミング(ASP)等の技術について研究発表および討論を行う.

テーマの例:

  • SATソルバーの高速化
  • SAT符号化
  • SATの応用
  • 次世代SAT技術
  • 制約充足
  • BDD, ZDD
  • 解集合プログラミング等
キーワード
  • SAT技術
  • 制約充足問題
  • BDD
  • 解集合プログラミング
  • SMT
2013年度報告

OS-12 組み立てることによる学習のモデル化と支援環境

オーガナイザ
  • 平嶋 宗(広島大学)
  • 鈴木 宏明(青山学院大学)
  • 三輪 和久(名古屋大学)
  • 柏原 昭博(電気通信大学)
内容

 ある物事をより深く理解したければ,それを自分で組み立ててみるとよい.またその物事をいろいろと変えてみることができれば,その物事独自の性質やその物事の周辺に存在する関連した物事との関係についても理解も深まるであろう.さらに,組み立ててみることは本質的に創造の要素を含んでいるということができる.また,「組み立てる」ためには,「組み立てるための部品/構成要素」を明らかにすることが必要であり,また,これらが異なれば,組み立てることのできる物事や組み立てることの意義も違ってくるといえる.これらのことから,人の学びにおける「組み立てること」の重要性と奥深さは明らかであるといえる.これらの学習に対する認知科学的な分析・モデル化のアプローチ,人工知能的な活性化・支援環境の設計・開発のアプローチは,近年盛んに行われるようになり,注目されているといえる.本オーガナイズドセッションでは,この「組み立てることによる学習」に様々な角度から取り組んでいる研究を一堂に会することで,この研究トピックへの理解の深化とより一層の活性化を目指すものである.

 なお,本セッションでは8件前後の発表を予定しており,各登壇者から発表後,テーマについてのディスカッション時間を確保したい.(8件×20分+20分=3時間想定)

キーワード
  • 組み立てることによる学習
  • 認知モデル
  • 知的学習支援

OS-13 交通・移動・物流とAI

オーガナイザ
  • 和泉 潔(東京大学)
  • 川村 秀憲(北海道大学)
  • 栗原 聡(電気通信大学)
  • 服部 宏充(京都大学)
  • 松井 宏樹(株式会社シーエムディーラボ)
内容

 本OSは,2008年大会において開催した「次世代知的交通システムにおけるAI」を源流として,翌年には「交通・移動・流れとAI」へ,さらに2011年には「交通・移動・物流とAI」へと,研究のトレンドを背景に名称を変更しつつ,毎年開催(計6回)をしている.なお,本OSは2011年大会より本学会「データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会」の活動の一環としてのイベントとなっており,本学会の活動と密接な関係にある.

 経済,環境,エネルギー,食糧などさまざまな分野で問題が顕在化してきており,社会は異種のシステムが複合する複雑かつ規模の大きい課題に直面している.とりわけ我が国は,未曾有の大震災からの復興,先進国初の超高齢化社会の到来といった世界的にも前例のない課題に取り組まねばならず,その解決のためのアイディアを社会に広く求めるところである.本OSは,交通,移動,物流など,多数の主体・物資が行き交う中で,人の意思決定が関わり,さまざまな社会の動態が生み出される現象やシステムの分析,理解,設計について,研究者のアイディアを集め,議論し,社会に成果を供する研究を促進する場として企画されたものである.テーマ例としては,都市交通効率化のための渋滞緩和,環境負荷低減のための二酸化炭素排出量の抑制といった目的を達成するための交通施策の立案・評価,ロジスティクスの効率化のための倉庫管理・配送経路の最適化,各種ユビキタスセンサによる大規模移動データに基づく群集挙動の可視化,スマートグリッドの運用方式・コンパクトシティの設計などいわゆる社会のグリーン化のための社会基盤シミュレーションなど,幅広く社会的課題を取り上げたものが挙げられる.

キーワード
  • 社会シミュレーション
  • マルチエージェントシステム
  • 最適化
  • 社会情報システム
  • ビッグデータ
2013年度報告

OS-14 星新一に学ぶショートショートの自動創作

オーガナイザ
  • 松原 仁(公立はこだて未来大学)
  • 佐藤 理史(名古屋大学)
内容

 コンピュータに芸術作品を自動創作させることは人工知能の目標の 一つである。音楽、絵画、パズルなどでは自動創作の研究が進んでいる が、小説はむずかしいためにこれまでの研究は多くない。そろそろ小説 の自動生成に取り組むタイミングと思われる。

 オーガナイザは星新一のようなショートショートをコンピュータに 創作させることを目指したプロジェクトを 2012 年に開始し、いまさま ざまな角度から研究を進めている最中である。そこでは、

  • 超短編小説(140 字以内のツイッター小説)の自動生成を試みる
  • 星新一作品の物語構造を分析する
  • 星新一を含む既存作家のショートショートを人手によって並べ替えた疑似作品を作ってどの程度のものができるか分析する

などの研究を行なっている。本セッションでは星新一に限らず広くショートショートの自動創作に関連する研究発表を募集する。

キーワード
  • 自然言語処理
  • 文学
  • 物語構造
  • 自動生成
  • プロット

OS-15 プライバシに配慮したデータ利活用

オーガナイザ
  • 荒井 ひろみ(理化学研究所)
  • 中川 裕志(東京大学情報基盤センター)
  • 神嶌 敏弘(産業技術総合研究所)
  • 佐久間淳(筑波大学)
内容

 個人情報などの秘匿性の高い情報の利活用の機運が高まっている現在、情報源となる個人や組織の権利や欲求に配慮したデータ収集および利活用が必要になってきています。代表的なアプローチは個人や企業のプライバシを保護した情報共有やデータサービスです。具体的には個人データを匿名化した情報開示や販売、秘密計算を利用した情報検索、暗号化を用いたクラウドへのデータ委託などが挙げられます。近年話題となったSuica利用履歴販売などもこの一つです。このようなITサービスの設計には、何をどのように保護すべきか、情報はどのように活用すべきかいった欲求や目的の適切な定義が必要です。そのために数理的な安全性の担保に加え、情報利活用の利益の配分や情報源の行動特性を考慮したデータ利用システムの設計やメカニズムデザイン、データ提供者に心理的不快感を与えないデータ利用、画像などのデータから人間が読み取る情報など、情報源の心理、行動や認知に着目した議論が必要と考えられます。

 本セッションでは上記の情報源に配慮したITサービスに関する提案を情報科学、認知科学、心理学など様々な観点から、現状の個人情報利用における問題点や改善点の指摘、ビジネスや医療分野などにおける実践例、問題解決のための手法の提案など幅広く募集します。

 また、研究発表及びそれに基づく討論の場の提供を行う予定です。

 予定している講演テーマの例は

  • プライバシ保護データマイニング
  • 認知科学的観点から見たプライバシ
  • ソーシャルメディアにおけるプライバシ
  • 個人情報に配慮した情報共有や利活用

などです。

キーワード
  • プライバシ保護
  • データマイニング
  • 認知科学
  • 心理学
  • メカニズムデザイン
2013年度報告

OS-16 ネットワークが創発する知能

オーガナイザ
  • 石川 孝(日本工業大学)
  • 栗原 聡(電気通信大学)
  • 澤井 秀文(情報通信研究機構)
  • 風間 一洋(和歌山大学)
  • 鳥海 不二夫(東京大学)
内容

 マルチエージェントシステムや人間の社会現象などにおいては,集団的知能が多数の自律的な主体による局所的な行動のネットワークから創発している.この集団的知能の創発メカニズムを解明することは,集団的知能の説明のみならず,大規模分散情報・通信システムの実現に対しても重要な知見をもたらすことが期待される.

 このオーガナイズドセッションでは,マルチエージェントシステム,情報ネットワーク,ソーシャルネットワークなどの複雑ネットワークにおける創発現象やそのネットワークダイナミクス,および知能の創発を主なテーマとする研究発表を募集します.

 なお,本セッションでの論文発表の後に,学生主体のパネルディスカッション「知能の創発研究のこれから(仮)」を予定しています.パネリストは,本セッションはもちろん,他セッションを含めて優れた発表内容の学生にオーガナイザから直接に依頼します.

 学生でない方には,アドバイザとしてディスカッションに参加をよろしくお願いします.

キーワード
  • 知能の創発
  • 集団的知能
  • 複雑ネットワーク
  • エージェント系
  • ネットワークダイナミクス
2013年度報告

OS-17 共創的価値創出のためのデータプラットフォーム

オーガナイザ
  • 本村 陽一(産業技術総合研究所)
  • 谷田 泰郎(シナジーマーケティング株式会社)
  • 西尾 義英(シナジーマーケティング株式会社)
内容

 ビッグデータへの期待が高まっていますが,ビッグデータからどのような価値を創出するかという根本的な問題と共に,それを扱える人材の不足やプライバシー保護といった現実的な課題が多く,こうした実用面の困難性から,社会においてイノベーションを起こすまでには至っていないと思われます.

また,「モノからコトへ」という言葉に表わされるように,製品だけではなく,その利用者や利用環境も含めた場全体を共創的なシステムとしてとらえるアプローチも注目されつつあります.本セッションでは,こうしたビッグデータを取り巻く「場」を広義の「データプラットフォーム」と呼び,コトのモデル化をビッグデータからの価値創出とみなし,そのための機能や技術,さらには方法論やベストプラクティスを含めたデータプラットフォームの具体事例やあるべき姿について議論します.

このため様々な分野におけるデータ活用事例と共に,その手法や知見を共有できる研究者,開発者,実務家,学生などの参加を募集します.

ご発表のテーマは以下に挙げるようなもので,またパネルによる総合討論,「価値共創を可能にするデータプラットフォームとは?」の開催も予定しています.

テーマ例:

  1. データを活用した製品またはサービス開発事例
  2. 分野横断的なコトのモデル化手法の提案
  3. モデリングのパターン・ランゲージ
  4. プライバシーを担保するマルチソースデータ融合技術
キーワード
  • ビッグデータ
  • サービス工学
  • オープン・イノベーション
  • ベイジアンネットワーク
  • 確率的潜在意味解析

OS-18 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング

オーガナイザ
  • 小山 聡(北海道大学)
  • 鹿島 久嗣(東京大学)
  • 櫻井 祐子(九州大学)
  • 馬場 雪乃(東京大学)
  • 松原 繁夫(京都大学)
内容

 ヒューマンコンピュテーションとは、計算機だけでは現実的な性能を得ることが難しく、人間の認識や判断等を必要とするような課題において、人間を「計算資源」の一部として捉えることによって、計算機と人間の両者を組み合せてこれを解決するという考え方である。計算資源としての人間の労働力へのアクセス手段であるクラウドソーシングの隆盛とも相まって、ヒューマンコンピュテーションは人工知能分野における大きなトレンドのひとつとして注目を集めている。2013年にはAAAIがスポンサーとなり、ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシングに関する初めての国際会議HCOMPが開催された。しかし、その世界的な盛り上がりとは裏腹に、日本国内でこの分野を主な対象とした研究発表の場は少ない。JSAI2013においてオーガナイズドセッション「ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング」を開催したところ、発表件数が23件、参加者が50名以上と大変盛況であった。そこで、本年度も我が国におけるヒューマンコンピュテーション(HC)とクラウドソーシング(CS)に関連する研究者が一同に会し、国内における本分野への理解と一層の推進を図ることを目的とし、オーガナイズドセッションを開催するものである。

テーマ例:

  • ヒューマンコンピュテーション/クラウドソーシング(HC/CS)のプラットフォーム
  • HC/CSのメカニズムデザイン
  • HC/CSにおけるタスク設計/ワークフロー設計
  • HC/CSと機械学習/データマイニング
  • HC/CSとヒューマン・コンピュータ・インタラクション
  • HC/CSと言語/メディア処理
  • HC/CSとビッグデータ
  • HC/CSと社会科学/認知科学
  • ゲーミフィケーション/目的を持ったゲーム(GWAP)
  • ソーシャルコンピューティング/コレクティブインテリジェンス(集合知)
  • 予測市場
キーワード
  • ヒューマンコンピュテーション
  • クラウドソーシング
  • 目的を持ったゲーム(GWAP)
2013年度報告

OS-19  Linked Dataとオントロジー

オーガナイザ
  • 長野 伸一(株式会社東芝)
  • 山口 高平(慶應義塾大学)
  • 武田 英明(国立情報学研究所)
  • 乙守 信行(株式会社MetaMoJi)
  • 細見 格(日本電気株式会社)
  • 古崎 晃司(大阪大学)
内容

 欧米を中心に,Linked Dataと呼ばれる次世代Webの取り組みが進められています.

 Web上に公開されたオープンな情報(オープンデータ)を皆でつなぎ,共有するボトムアップな運動とも相まって,世界規模のデータのWebが形成され,社会における情報の価値を高めつつあります.日本においても,政府・自治体、学術情報、生命科学などの分野でLinked Dataの形式で情報を公開する取り組みが進められており,価値ある新たなICTサービスの創出への期待が高まっています.また,オープンデータに関するハッカソン等が各地で開催され,有用なアイデアやデータを共有する取り組みが広がり始めています.

 本オーガナイズドセッションは,優れた技術やノウハウを共有し,深耕することを目的として,新しいWebやそこから生み出される新たな価値に関心のある研究者,日本からの情報発信の志のある研究者の議論の場として開催します.データの公開や活用などのLinked Data自体を対象とした研究に限定せず,オントロジー研究との融合,社会での情報共有の活性化に向けた課題解決など,幅広く議論します.

 本オーガナイズドセッションのトピックとしては以下のものを予定していますが,Linked DataおよびセマンティッWebに関連する内容であれば,これらに限らず広く受け付けます.

  • Linked Dataの構築
    • データのモデリング,オントロジーの構築
    • データクレンジング,アライメント
    • 大規模データの構築,継続的な運用
  • Linked Dataの利用
    • 異分野データの統合利用
    • 大規模データからの知識獲得
  • 基盤技術
    • 大規模データの運用を支えるデータベース技術
    • データ構築やクエリの支援ツール
  • 応用システム
    • 公共サービスや情報アーカイブ等,オープンなシステムへの応用
    • 企業内システムにおける情報統合への応用
キーワード
  • Linked Data
  • セマンティックWeb
  • オントロジー
  • オープンデータ
  • 知識共有
2013年度報告

OS-20 知的対話システム

オーガナイザ
  • 駒谷 和範(名古屋大学)
  • 東中 竜一郎(NTT)
  • 船越 孝太郎(HRI-JP)
  • 岡田 将吾(東京工業大学)
内容

 対話システムは,音声対話システム以外にも,テキスト対話システム,対話エージェントや対話ロボットを含むマルチモーダル対話システムなど,様々なタイプのものがあるが,その根底にあるメカニズムは共通であり,多くの研究課題が共有されている.例えば,意図理解,情報グラウンディングのプロセス,発話プランニング,ユーザモデリング,対話コンテンツ構築支援,対話知識の自動獲得などはどのような形態の対話システムでも重要な研究課題である.

 しかしながら,従来対話システム研究は,様々な要素技術を統合した学際的な研究分野であるがために,音声処理,言語処理,人工知能,ヒューマンコンピュータインタラクション,ロボティクスなど,様々な学会に分散して発表が行われてきており,研究者間の情報交換が難しい状況であった.そこで,2010年より,対話システム研究者を一同に集めて議論を行うべく,本オーガナイズドセッションを開催している.

 本年も,本オーガナイズドセッションを開催し,対話システム研究の一層の発展のため,最先端の対話システムに関する研究発表を集めたい.なお,前回の総合討論において,音声区間検出や照応解析といった要素技術が未成熟であることや,複数回のやり取りの恩恵がわかりやすいキラーアプリケーションがないこと,システム実装の難しさなどの課題が浮き彫りになった.今回も時間の許す限り総合討論を行い,これらについての進展を確認するとともに,今後の対話システム研究分野のあり方についても討論を行いたい.

キーワード
  • 対話システム
  • 自然言語理解
  • 会話ロボット
  • マルチモーダル
  • 音声認識
2013年度報告

OS-21 仕掛学

オーガナイザ
  • 松村 真宏(大阪大学)
  • 松下 光範(関西大学)
  • 山根 承子(近畿大学)
  • 平岡 敏洋(京都大学)
  • 白水 菜々重(関西大学)
内容

 ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトをもたらすことがある。「仕掛学」では、そのような社会現象、具体的には人の意識や行動を変えるための「仕掛け」とその「効果」を体系的に明らかにすることを目指す研究テーマである。本セッションでは、仕掛けに関連する研究成果や事例を共有し、参加者全員で仕掛学について議論を深める場にしたいと考えている。

キーワード
  • 仕掛け
  • トリガ
  • 行動変化
  • 問題解決
  • 社会実装
2013年度報告

OS-22 汎用人工知能とその社会への影響

オーガナイザ
  • 市瀬 龍太郎(国立情報学研究所)
  • 山川 宏(株式会社富士通研究所)
  • 荒川 直哉
内容

 近年,欧米を中心として技術特異点(Singularity)や汎用人工知能(Artificial General Intelligence)についての研究活動が盛り上がりつつある背景に鑑み, 当学会としてもこうした活動を把握しつつ,我々自身もAI研究者としての貢献を探る必要があるだろう.

 こうした背景から,招待講演とパネルを重視しつつ,一般募集を行うセッションを行いたい.

テーマ例:

  • AGIのアーキテクチャ,モデル
  • AGI研究の現状調査(関連する科学技術やその進展状況)と実現の見通し
  • AGI構築のロードマップ
  • AGIに向けた問題点(フレーム問題,シンボルグラウンディング問題など)
  • AGIの評価/ベンチマーク
  • AGIのインパクト(想定されるAIリスク)
  • その他,AGIに関する話題
キーワード
  • 汎用人工知能
  • シンギュラリティ
  • ヒューマンレベルAI
  • 知能モデル化
  • 脳情報表現、脳の計算モデル

OS-23 認知科学に基づくヒューマンエージェントインタラクションの工学的デザイン

オーガナイザ
  • 寺田和憲(岐阜大学)
  • 田中貴紘(東京農工大学)
内容

 HAIやHRI研究ではソフトウエアを単なるユーザインタフェースではなく,エージェンシー(人らしさ)を持ったインタラクティブエージェントとしてみなす.人の認知能力の多くが対人認知のためのものであることから,エージェントを設計する上で人の対人認知特性を考慮することは,例えば,エージェントに対する印象やアウェアネスを高めたり,エージェントの機能そのものを向上させたりするなど,有用であると考えられる.一方で,対人認知に用いられていない認知特性を考慮することで,これまでにない人とエージェントの関係を創出できる可能性がある.

 本セッションでは大きく分けて,

  • インタラクティブエージェントの設計に寄与する認知科学的研究
  • 人の認知特性を考慮したインタラクティブエージェントの設計
  • エージェントの設計・機能に関する認知科学的評価研究

の三つの立場からの発表を広く募集する.

 具体的には,コミュニケーション支援,会話の制御,会話の活性化,場・空気の制御,創造性の向上,高齢者・障がい者支援,購買行動促進,効果的情報提供,教育支援,発達支援,スキル獲得,エンターテイメント,意思決定支援,問題解決支援などを実現するエージェントデザインに活かせる人の認知特性に関係する研究と,人の認知特性に基づいたエージェントの工学的設計原理に関する研究,工学的に実現されたエージェントの認知科学的評価研究を募集する.

キーワード
  • HAI
  • HRI
  • 認知モデル
  • インタラクションデザイン

OS-24 Deep Learning

オーガナイザ
  • 松尾 豊(東京大学)
  • 山川 宏(株式会社富士通研究所)
内容

 Deep Learningとは、近年、機械学習の分野で大変注目を集めている新しい技術であり、人間の脳の神経回路のような深い構造を作り出すことにより、抽象的な表現を学習し、精度を大幅に向上させるものである。機械学習の分野では、さまざまなコンペティションで優秀な成績で優勝しており、第1回の国際会議ICLR(International Conference on Representation Learning)が開かれるなど、Deep Learningは大きな注目を集めている。本OSでは、Deep Learningに関しての研究発表と議論を行う。Deep Learningのアルゴリズムの提案、それを用いた活用例、将来的な研究の展望など、幅広い範囲の研究を募集する。また、画像データ、動画データ、言語データ、ウェブデータなど、さまざまなデータへの適用例も歓迎する。Deep Learningは新しく実装の難しい分野でもあり、萌芽的な研究も広く募集したいと考えている。

キーワード
  • Deep Learning
  • 表現学習
  • 深層学習
  • 機械学習
  • ニューラルネットワーク

OS-25 ビッグデータとAI

オーガナイザ
  • 岩爪 道昭(情報通信研究機構)
  • 岩瀬 高博(株式会社神戸デジタルラボ)
  • 田中 康司(情報通信研究機構)
  • 原口 弘志(情報通信研究機構)
内容

 近年、ライフログ、ソーシャルネットワークサービスやInternet of thingsといったセンサー群、電子タグ等と接続したネットワークから非定型かつ大量のデータがリアルタイムに生成されるようになってきた。

 このようなデータは、数億〜数百億エントリー、ペタバイト級のデータ量にもおよぶため「ビッグデータ」と呼ばれ、その蓄積、解析、活用は、新しいビジネスサービスやイノベーション創出のためのフロンティアとして期待されている。

 一方、インメモリーデータベース、ストリームデータ処理等、膨大なデータを高速かつスケーラブルに処理するための基盤技術の進展も近年目覚ましい。

 このような背景のもと大規模データ処理に裏打ちされた新しいAI技術の研究開発、応用システムの実現、さらにはイノベーションの創出までもが視野に入ってきました。

 本セッションでは、以下の3つの観点で基礎から応用事例、実ビスネスへの展開まで幅広く研究発表を募集します。

  1. ビッグデータを取り扱う基盤技術
    • 例:分散ファイルシステム/ストレージ、分散処理フレームワーク、大規模ストリームデータ処理等
  2. ビッグデータに基づくAI技術
    • 例:ストリームデータマイニング、大規模Web情報分析、サイバー・フィジカルシステム関連技術等
  3. ビッグデータを活用したサービス、イノベーション:
    • 例:大量データを対象にしたサービスコンピューティング、大規模システムの運用技術、実ビジネスへの適用事例、ビッグデータ活用戦略および制度的課題等
キーワード
  • ビッグデータ
  • マシンツーマシンコミュニケーション
  • ストリームコンピューティング
2013年度報告

OS-26 金融情報学—ファイナンスにおける人工知能応用—

オーガナイザ
  • 和泉 潔(東京大学)
  • 鳥海 不二夫(東京大学)
  • 松井 藤五郎(中部大学
  • 八木 勲(神奈川工科大学)
  • 西山 昇(東京工業大学)
  • 中山 慎一郎
内容

 金融市場における近年の急激な環境の変化から、金融市場への関心が高まっています。このような社会的状況の中で、人工知能分野の手法や技術を金融市場における様々な場面に応用することが大いに期待されています。

 本セッションでは、膨大な金融情報を分析し投資判断の支援をする技術や、市場の特性を理解し適切な市場制度を設計する技術、さらに市場メカニズムを金融市場以外の社会現象に応用する技術など金融市場に関わる基礎から応用までの幅広い研究課題全てを対象とし、金融市場に対する人工知能を中心とした情報技術の利用を拡大することを目的とした発表と議論を行います。

 本セッションは,「ファイナンスにおける人工知能応用」という名称で2008年度から開催していましたが、2013年度から名称を「金融情報学」に変更しました。

募集テーマ

  • マルチエージェントを用いた人工市場,市場シミュレーション
  • オークションプロトコルなど市場制度設計の理論や技術
  • 機械学習,データマイニング,テキストマイニングなどを用いた市場予測
  • 知識ベースシステム,意思決定支援システムなどを用いた投資支援
  • 金融市場における投資行動,学習の分析やモデル化(行動ファイナンス)
  • 予測市場などの新しい市場分野への人工知能の応用
  • オントロジーを用いたファイナンス知識の体系化など
キーワード
  • 人工市場
  • 金融データ・マイニング
  • 金融テキスト・マイニング
  • 市場予測
  • 行動ファイナンス
2013年度報告

OS-27 雰囲気工学

オーガナイザ
  • 片上 大輔(東京工芸大学)
  • 湯浅 将英(湘南工科大学)
  • 田中 貴紘(東京農工大学)
  • 小林一樹(信州大学)
内容

 雰囲気に関連する人工知能,知的エージェント,ロボットに関する研究,さらにこれらに関する新しい研究領域からの野心的,先進的な研究の積極的な発表を募集する.

 複数の人同士が交わる様々な場所で,雰囲気は作りだされる.ネットにおける複数人の言語活動であるtwitterやSNSは新たなコミュニケーションのチャネルであり,これまでになかった雰囲気表現(たとえば「炎上」)が生成されていると考える.人の言語活動だけでなく,複数の会話エージェントや会話ロボットによる人工的な言語,非言語情報からも雰囲気は作り出される.本OSでは,このように複数人が創り出す様々な「雰囲気」を統一的に扱い,この「雰囲気」を構成する工学的モデルを探ることを目指す.

 雰囲気の仕組みを知るためには,言語や非言語の理解だけでなく,それらの組み合わせや談話構造や文脈の理解が必要であり,これまでの人工知能研究で試みられてきたことを統合的に検討し雰囲気を解き明かすとともに,新たに人工知能分野を進展させることや人のコミュニケーションの基盤解明に迫れる可能性がある.また雰囲気の自在な制御ができれば,新たなコミュニケーション技術の革新に繋がる.人―機械間の1対1のヒューマンインタフェース研究というよりも,複数の人間同士,または人と複数のエージェント/ロボットによって構成される雰囲気を扱う研究を中心に広く募集する.

 雰囲気工学OSでは,下記のようなテーマが関連します.人―機械間のヒューマンインタフェース研究に限らない,複数の人間同士,または人と複数のエージェント/ロボットによって構成される雰囲気の研究や,それに類する研究を広く募集いたします.

  • twitterやSNSなどのネットコミュニケーションにおける雰囲気の研究
  • 人やエージェント,ロボットの言語,非言語から発せられる雰囲気の研究
  • 複数人,集団となったときの創発的な雰囲気生成の仕組みの解明
  • 異文化コミュニケーション
  • 集団における社会的ルール
キーワード
  • 雰囲気モデル
  • 多人数インタラクション
  • Webインタラクション
  • アンビエントインテリジェンス
  • 話題抽出
  • 情報推薦
  • 異文化体験
  • ヒューマンコミュニケーション
  • ネットワークコミュニケーション
2013年度報告

OS-28 知の身体性

オーガナイザ
  • 諏訪正樹(慶應義塾大学)
  • 跡見順子(東京農工大学)
内容

 知の探求を念頭に置いて「身体(からだ)をどう捉えるか」には様々なレベルが存在する。

 その一例を列挙すると、

  • 細胞の住処としての身体
  • 細胞の集合体としての身体
  • 言語で意識する存在としての身体
  • 科学的に計測するものとしての身体
  • 科学的に計測する運動体としての身体
  • 生理学的反応と感覚と運動を統合する全体性としての身体
  • 動作原理の集合体として身体
  • 意識的および運動的スキルの体現場としての身体
  • 元気や健康が宿る場としての身体
  • 感覚と思考の上に成り立つ感性の在処としての身体
  • コミュニケーションが成り立つ場としての身体

などが挙げられる。

 本セッションでは、上記の様々なレベルや観点から身体/からだを観る研究発表を募集し、身体性に関わる様々なResearch issueを議論したい.

 Research issueの例としては

  • モノとしての身体とコトとしての知の関係
  • ことばとからだの関係
  • 個と社会のインタラクション
  • 状況依存性
  • 内部観測と外部観測
  • 客観性と主観性
  • 要素還元と全体性
  • 「わたし」性の源

などである

キーワード
  • 身体性
  • 観測
  • システム論
  • 細胞
  • ことば
  • 全体性